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静岡県警、DNA型採取を拒否する容疑者に執拗に要求…日弁連が改善求める
日弁連人権擁護委員会委員長の加藤高志弁護士(右)

静岡県警、DNA型採取を拒否する容疑者に執拗に要求…日弁連が改善求める

静岡県警が、DNA型の採取を拒否する容疑者に執拗な説得を繰り返し、鑑定資料の採取に協力させていたとして、日弁連は4月20日付で同県警に勧告書を送った。(1)十分な説明を行い、書面で同意を取ること、(2)本人が拒否した場合は、それ以上の説得を行わないこと、を求めている。日弁連が4月26日に記者会見を開き、明らかにした。

日弁連によると、容疑者の男性は2014年、自転車に乗っていた女性の臀部を触ったとして、静岡県迷惑防止条例違反の疑いで警察の取り調べを受けた。男性は容疑を認め、書類送検されたが、示談が成立し不起訴になっている。前科前歴はなかった。

日弁連が問題視しているのは、男性が容疑を認めた後、警察がDNA型鑑定資料の採取をしつこく求めてきたことだ。拒否する男性に対し、警察は十分な説明もしないまま、1時間以上も協力を求め続け、男性の姉にも説得を依頼したという。結果、男性は採取を受け入れたが、2015年1月、警察の対応を不服として、日弁連に人権救済を申し立てた。

「警察は性犯罪につながる可能性があると考えたのだろう。しかし、DNAの情報は本人だけでなく、家族にも関わる究極のプライバシーだ。犯罪捜査に必要だというのなら令状を取るべきだし、任意の提出なら、十分な説明と(本質的な)同意が必要だと考えられる。静岡県警に限らず、各警察に適切な対応をお願いしたい」(日弁連人権擁護委員会委員長・加藤高志弁護士)

日弁連は、この男性のDNA型データが保管されている警察庁に対しても4月20日付で、違法に収集されたデータであるとして、破棄を求めている。

(弁護士ドットコムニュース)

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