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ペット可マンションだけど、深夜2時まで「全力で吠える」犬…どう対処すべき?
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ペット可マンションだけど、深夜2時まで「全力で吠える」犬…どう対処すべき?

ペット可マンションで犬が吠え続けていて迷惑ーー。ネットの掲示板に、全力で吠え続ける犬の鳴き声に悩まされる住人から相談が寄せられた。

投稿者はペットの飼育が可能なマンションに住んでおり、夜21時から夜中の2時まで続く他の部屋の飼い犬の吠え声に悩まされているという。常に全力で吠え、トーンも高くはっきり聞こえる。「精神的にもかなり辛く、翌日はイライラが激しくなってしまって仕事も集中できません。日常生活においても支障が出始めています」と疲弊しているようだ。

ペット可マンションでも犬の鳴き声の限度はないのだろうか。どう対処すればいいのか。弁護士に聞いた。

●「受忍限度」を超えるか否か

「結論から言えば、たとえペット可のマンションであっても、ペットの鳴き声に限度はあります。

ペットの鳴き声もいわゆる騒音と考えられます。騒音が違法となるかどうかの基準として、一般的には『受忍限度』(一般人が生活を送る上で我慢できる程度)を超えるか否かという観点で判断されます。したがって、ペットの鳴き声も『受忍限度』を超えれば、違法となります」

ではまず、今回の投稿者はどのように対応すればよいのだろうか。

「対処策としては、まず、マンション管理組合に相談する、役所に相談する、保健所に相談する、といったことが考えられます。ただし、これらの相談により各機関が対応してくれた(例えば飼い主に注意してくれるなど)としても、それらは強制力を伴うものではなく、効果がない場合もありえます。

あるいは、飼い主に対して、犬の鳴き声により精神的な損害を被ったとして、慰謝料の請求をする。犬の鳴き声により退去を余儀なくされた場合には、飼い主に対して退去に伴う費用も請求する。このような対応策も考えられます」

しかし、もし飼い主が応じなかった場合には、裁判になることもあるのか。

「これまでに述べた対応策は、飼い主に対して金銭的負担を求めるもので、直接的な手段です。しかし、飼い主が応じないなどで裁判になった場合、犬の鳴き声が受忍限度を超えることの証拠(例えば、時間帯が分かる録音など)が必要となります。

裁判所においては、次のような事情から受忍限度を超えていると判断している例が多いようです。

・時間帯(深夜や早朝に及ぶ)

・鳴き声の継続(長時間)

・事前の再三の申し入れに対し飼い主が善処しなかった

ただし、それらの点をクリアして裁判所において慰謝料の請求が認められるとしても、低額(およそ10~30万円)に留まることが多いです」

(弁護士ドットコムニュース)

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