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〈小町の法律相談〉職場で映し出された「TOEICの点数」表…プライバシーの問題は?

職場で、検定試験を受けることになったら憂鬱なものです。しかも、その成績が他の同僚にも知られることになったら・・・。「発言小町」の法律相談には、上司が会議の場で「部下全員のTOEIC保持点数をスライド上映で公にしました」として、法律に触れるのではないでしょうか、と相談が寄せられました。

トピ主によれば、TOEICの試験費用は会社負担だっと言います。公開されたのは、その場にいない産休、育休中の社員を含む部署の全員分だったそうです。映し出す前に、「公にしてよいか」など事前確認はなく、不意打ちの出来事でした。

レスには「社費で受けさせられているなら、結果は私的な情報とは言えない」「問題ないと思います」とする声が並びました。また「嫌な気持ちはわかりますけど」と、トピ主を思いやる方もチラホラ。

果たして、試験結果を公にされることは、プライバシー上など法的な問題はないのでしょうか? 櫻町直樹弁護士に聞きました。

 ●A.会社側の目的からいって「法的な問題はない」

トピ主さんからの質問には含まれていませんでしたが、実は前提として「試験の結果(点数)を使用者(会社)が取得することが許されるか」を考える必要があります。従業員が自らTOEICの点数を会社に申告したのであれば、「取得に同意した」といえますから、問題はないでしょう(また、会社が試験費用を負担するのであれば、通常は、試験の結果を申告するよう従業員に指示するでしょう)。

また、TOEICのサイトを見ますと、「団体特別受験」や「公開テスト団体一括受験申込」であれば、試験結果(成績一覧表等)は団体宛てに送付される(希望すれば受験者個人にも送付される)仕組みになっているようです。このような場合も、会社がTOEICの点数の点数を把握することについては、従業員も(黙示的に)同意していた、と考えることができると思います。

次に、トピ主さんの質問である「試験の結果を第三者(社内)に公表することが許されるか」という点について検討しましょう。この質問は、公表の目的、範囲や方法等に照らして、会社が事業活動遂行のために有している裁量権の範囲を逸脱しているかどうか、という観点から検討すべきと考えられます。

今回のケースでは、詳細な事情は明らかでありませんが、「会議の場において」、「上司が」、「部下(その場にいない産休、育休中の社員を含む)全員分」を開示したそうです。

なぜ会社は公表したのか。想像するに、当該部署に所属する従業員のTOEICの点数を公表することによって、会社(上司)としては、「自分(の点数)が部署内で相対的にどの程度の位置にあるかを従業員に知ってもらい、(特に、点数が低い者について)さらなる研鑽を積んでもらうための発奮材料する」という目的があったのではないかと思われます。

また、開示の範囲については、当該部署の従業員にとどまるものであり、方法も「スライドで上映する」というものであれば、会議が終了すれば第三者の目に触れることがなくなるものですから、目的に照らして相当といえるでしょう。

したがって、今回のケースは、会社が事業活動遂行のために有している裁量権の範囲にとどまるものであって、法的な問題を生じさせるものではない、と結論付けることができるでしょう。

取材協力弁護士 櫻町 直樹 (さくらまち なおき)弁護士
石川県金沢市出身。企業法務から一般民事事件まで幅広い分野・領域の事件を手がける。力を入れている分野は、ネット上の紛争解決(誹謗中傷、プライバシーを侵害する記事の削除、投稿者の特定)。
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この記事に対するコメント

  1. 法無知者 60代以上 男性

    「法的問題ないから行ってよい」という結論になっているように思えますが、回答として適切でしょうか?
    実際問題として、TOEIC試験受験の費用を会社が出していたとしても、受験しなければ「人事考課上不利になる」として強制的に受験させた場合、点数公表権限まで許可したとは普通考えないのではないでしょうか?
    また、実名(添付写真)での公表は、限られた範囲とはいえ、個人情報の漏洩ではないのでしょうか?
    「相対的にどの程度の位置にあるかを従業員に知ってもらい、(特に、点数が低い者について)さらなる研鑽を積んでもらうための発奮材料する」という目的は、実名を公表しなくても実現可能です。

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