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漫画家や弁護士ら「TPP交渉の透明化」政府に要求ーー110団体・3600人の署名
署名を手渡すthinkTPPIPのメンバー4人(左端から津田大介氏、赤松健氏、福井健策氏、甲斐顕一氏)(写真提供:thinkTPPIP)

漫画家や弁護士ら「TPP交渉の透明化」政府に要求ーー110団体・3600人の署名

「著作権侵害の非親告罪化」や「著作権保護期間の延長」などが、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉の争点となっている問題で、漫画家や弁護士らでつくる団体「thinkTPPIP」は7月23日、TPP交渉の透明化などを求める緊急声明を、政府のTPP対策本部に提出した。同日までに110団体、3637人の賛同が集まったという。

日本の現行ルールでは、著作権侵害は、権利を持っている人が訴え出ない限り処罰されない「親告罪」となっている。ところが、TPP交渉の行方次第では、権利者が訴え出ないケースでも刑事処分が可能な「非親告罪」に、日本もルールを変えなければならなくなる。

緊急声明は、仮にそうなった場合、クールジャパンを裾野で支えるパロディ・二次創作といった文化が「萎縮しかねない」と指摘している。

また、著作権保護期間が延長されれば、誰が権利を持っているかわからない「孤児著作物」が増え、結果的に数多くの作品が利用されにくくなるなどと指摘した。

声明は、こうした国内に強い異論がある問題の結論が、国民に見えない交渉で決まってしまうことを問題視。「各国の利害対立の大きい知財条項を妥結案から除外し、海賊版対策のような異論の少ない分野に絞る」ことや、修正交渉が可能な段階で「十分な情報公開」をすることを求めている。

声明を提出した後、東京都内で記者会見した漫画家の赤松健さんは、非親告罪化などによって二次創作の作り手たちが萎縮した結果、「文化や場が停滞して無くなる」ことが、「実際問題としては一番起こりうる」と警鐘を鳴らしていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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