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「今の選挙制度は災害に弱すぎる」日弁連、恒久的な制度要望…東日本大震災では被災地に大きな負担
小口幸人弁護士(右)

「今の選挙制度は災害に弱すぎる」日弁連、恒久的な制度要望…東日本大震災では被災地に大きな負担

公職選挙法が大規模災害に対する十分な備えを欠いているとして、日弁連は1月11日、法改正を求める意見書を安倍晋三首相ら4大臣に送付した。

災害の状況に応じて、柔軟な選択ができるように、(1)大規模災害時に投票期日だけでなく、選挙自体の延長を可能とすること、(2)避難先での投票や郵便投票を容易にすること、などを求めている。

現行法では、災害が起きても、投票日をずらす「繰り延べ投票」などしか対策がなく、意見書の作成に携わった小口幸人弁護士(日弁連災害復興支援委員会幹事)は、「今の選挙制度は災害に弱すぎる」。

たとえば、1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災では、被災地の選挙期日を延期するため、特例法を作る必要に迫られた。あらかじめ、公職選挙法で恒久的な制度を用意しておくべきというのが、日弁連の考えだ。

また、仮に延期になったとしても、選挙はできるだけ早く行われるのが望ましい。たとえば、東日本大震災では、大槌町(岩手県)の町長が震災で死去し、約半年間、町長が不在となった。ただし、現状の仕組みで選挙をすると、被災地に大きな負担を強いてしまうことにもなる。

意見書では、有権者を管理する選挙人名簿のバックアップを義務付け、被災者が避難先の最寄りの選挙管理委員会などから投票できるような仕組みが必要だと提案している。

(弁護士ドットコムニュース)

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