弁護士ドットコム特別企画

特別インタビューvol.5 「一人一票実現国民会議」 発起人 黒田 健二弁護士 黒田法律事務所・黒田特許事務所 代表弁護士・代表弁理士

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現在の国政に国民が納得できない理由

──黒田先生のお話を伺っていますと、一人一票でない選挙制度で選出された国会議員たちによって何か議決されたとしても、納得できない気がしてきます。

黒田国民1人ひとりの意思を国政に平等に反映させていく「一人一票」での選挙は、民主主義国家に必要不可欠なプロセスです。そのプロセスを経て決定された政策であれば、仮に自分のポリシーに反するものであっても、「多数の意見に従おう」と納得するはず。しかし、現在は少数を代表する国会議員によって国政の重要な方向性が決められています。納得できないのも当然でしょう。よく日本の近隣の国を指して、「一党独裁で民主主義国家ではない」といった批判を耳にしますが、そう口にする資格が私たちにあるのかはなはだ疑問です。
また、今年3月の最高裁の判決以降の国会の動きを見ていると、一人一票の実現に向けた選挙制度の改革はほとんど進んでいません。いくつか改革案が出てきてはいますが、1人別枠方式を見直せば、それで事足りるといった内容のものばかりです。そういうと、「一人一票なんて、物理的に実現するのは到底無理だ」と反論してくる人がいます。しかし、一人一票実現国民会議に協力してくれた東大の大学院生のシミュレーションでは、1対0.99991票までにできることが見事に証明されているのです。

──一人一票の実現は待ったなしですね。最後に、今後の一人一票実現国民会議の活動の方向性について教えてください。

黒田私たちは10年7月の参院選についても各高裁・高裁支部に提訴し、その全てで違憲ないし違憲状態判決を勝ち取ってきました。最高裁によるその上告審の判決が来年春頃には出る見通しです。ただし、仮に違憲判決が出て、国会が選挙制度の改革に乗り出し一人一票が実現したとしても、参院は3年ごとに定数の半数ずつ改選していきます。すると、民主主義のプロセスを経て選出された議員が参院に出揃うまでには、そこから6年以上の時間がかかることになります。

また、前回の衆院選が09年だったので、遅くても13年には次の衆院選があります。もし次の衆院選が一人一票の選挙制度で実施されなければ、私たちは、その選挙の無効を訴えて裁判を起こすことになるでしょう。ですからその場で私たちの主張を認めてもらえるように、意見広告などによる国民審査への働きかけを含めた一人一票実現国民会議の活動をさらに活発化させていきます。そうした活動の1つひとつが、日本を真の民主主義国家へ変革させる原動力になるものと確信しています。

文/伊藤博之     写真/北山宏一

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