弁護士ドットコム特別企画

特別インタビューvol.5 「一人一票実現国民会議」 発起人 黒田 健二弁護士 黒田法律事務所・黒田特許事務所 代表弁護士・代表弁理士

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一人一票で真の民主主義国家を築こう!

プロフィール

1963年生まれ。大学を1年で中退し、翌1983年度の司法試験に全国最年少の20歳で合格。

日本で弁護士実務経験を積んだ後、中国、デンマーク、アメリカで学ぶ。1991年、米国ニューヨーク州弁護士登録。1995年に黒田法律事務所・黒田特許事務所を設立。

日本経済新聞「2010年活躍した弁護士ランキング外国法部門」第2位。(2010年12月24日朝刊)

主な著書:「人治国家 中国のリアル」「Q&A 中国進出企業の労務ハンドブック」、他

INTERVIEWーインタビューー

理想にはほど遠い最高裁判決

──一票の格差が最大2.30倍だった2009年8月の衆院選挙について、最高裁大法廷は今年3月23日の判決で「憲法に違反している状態」としました。この判決を黒田先生はどのように評価されていらっしゃいますか。

黒田今回の判決で最高裁は、小選挙区の定数を都道府県に1議席ずつ割り振る「1人別枠方式」が投票価値に格差を生じさせる大きな要因になっていたことは明らかだと指摘したうえで、できるだけ速やかに廃止するよう国会に厳しく求めました。このこと自体はとても画期的な判断であり、賞賛に値するものだと考えています。

しかし、最高裁は、1996年の小選挙区比例代表並立制の実施以来初めて定数配分を違憲状態と判断したものの、05年の衆院選を合憲とした07年の大法廷判決を考慮して、「合理的な期間内に是正されなかったとはいえない」とし、違憲判決そのものは見送ってしまいました。つまり、一人一票の選挙制度の実現にはほど遠く、不満といわざるを得ない内容です。

そもそも「格差が2倍以上なら違憲、2倍未満なら合憲」などということを誰が決めたのでしょう。私は知的財産権をはじめとする企業法務の仕事で、月の半分近くは海外を飛び回っています。しかし、どこの国にいっても、2倍の格差を認めるような法律があるといった話を聞いたことがありません。米国では1983年に連邦最高裁判所が、ニュージャージー州での連邦下院議員選挙について、1票対0.993票の格差であっても違憲という厳しい判断を下しているくらいなのです。

──とはいえ、やはりここまでこられたのは一人一票実現国民会議の果たした役割が大きかったはずです。黒田先生と一人一票実現国民会議との接点とはどのようなものだったのでしょうか。

黒田私は独立するまでの10年間、升永永島橋本法律事務所に勤務弁護士として勤めていました。その名前からおわかりのように、この法律事務所のパートナー弁護士のお1人が一人一票実現国民会議のリーダーでいらっしゃる升永英俊先生でした。尊敬していたその升永先生から「一人一票実現のために一緒に行動してほしい」と声をかけていただき、発起人に名前を連ねることになりました。09年8月30日の総選挙の2、3カ月前のことです。

それから一人一票実現国民会議の活動として、衆院選と同時に行われる最高裁判所裁判官の国民審査に関する新聞での意見広告づくりに入りました。升永先生が基本的なドラフトをつくり、私たち他の発起人のメンバーはそれに対する自分たちの考えを出し合いました。そして、一人一票の選挙制度の実現に反対する裁判官に不信任票である「×」をつけましょうという、それまで誰も見たこともない意見広告が7月末から新聞各紙に掲載されたわけです。

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