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パワハラ問題「企業の対策義務化」「ガイドライン対応」 厚労省検討会は両論併記
牧原厚労副大臣

パワハラ問題「企業の対策義務化」「ガイドライン対応」 厚労省検討会は両論併記

職場のパワハラ対策について話し合う厚労省の有識者検討会(座長・佐藤博樹中央大大学院教授)が3月27日、最終回を迎えた。パワハラ防止措置を法律で義務化する案(措置義務)と、ガイドラインに留める案の双方を有力な意見として報告書に明記する。今後、労働政策審議会(労政審)でさらに検討される。

今回の第10回検討会では、前回提出された報告書案では白紙になっていた「まとめ」部分が示された。「措置義務を中心に検討を進めることが望ましいという意見が多く見られた」として、措置義務についてスペースが割かれている。

一方で「措置義務を課すと、上司による部下への指示や指導が躊躇される」可能性があるなど、デメリットについても言及。措置義務にせず、ガイドラインに留める意見があったことも盛り込まれた。また、検討を進めるため、厚労省がパワハラの認識や対策に関する具体例の収集・分析をするよう提言している。

検討会は、政府が昨年3月にまとめた「働き方改革実行計画」にパワハラ防止策の強化が明記されたことを受け、同5月19日からスタート。今回も含め全10回開催された。

●研究者「企業に負担感あるなら『義務のグラデーション』もできる」

パワハラ対策の重要性は全委員が認識するところだが、パワハラかどうかの判断が難しい場合もあるため、使用者側は慎重な態度をとっている。

この日の議論で、成蹊大学教授の原昌登委員は、「義務にグラデーションをつけることもできる。企業にとって負担感があるなら、最低限(パワハラについての)研修はする。その後の具体的な対応は努力義務にして、いずれ取っ払うという進め方もある」と強調した。

検討会の最後に牧原秀樹厚労副大臣は「労政審の議論に向けて準備したいと思います」とあいさつした。

(弁護士ドットコムニュース)

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