休日・休暇

弁護士監修記事 2017年08月30日

休日・休暇の制度を正しく知ろう…法定休日と法定外休日の違い

社会人であれば誰しも、適度に休日・休暇が欲しいと思うことでしょう。他の会社に勤めている友人と比べてみたとき、自分の会社の休日や休暇が少ないと感じたことはありませんか?そもそもなぜ会社によって、休日や休暇の日数が変わるのでしょうか。 実は、休日・休暇には、法によって定められている「法定休日」や休暇と、そうではない「法定外休日」・休暇が存在しています。 そこで、今回は、休日や休暇制度のルールについて詳しく解説します。あなたの会社の休日・休暇制度のルールと合わせて確認してみてください。

目次

  1. 法定休日・休暇は「必ず休める日」
    1. 休日
    2. 休暇・休業
  2. 「休日」と「休暇」の違いとは
    1. 「法定」の休みと「法定外」の休みの違い
  3. 法定外休日・休暇は「会社独自の休み」
    1. その他、会社独自の休みの例

法定休日・休暇は「必ず休める日」

会社や事業主などの使用者は、雇用している労働者に対して一定の休みを与える義務があります。これを遵守しない場合は罰せられます(6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金)。 労働基準法に休日・休暇に関する決まりがあり、労働者は一定の休みを取ることが権利として認められているのです。 まず始めに、最も一般的な休みである「休日」について説明します。

休日

「休日」とは、労働契約において労働義務がないとされている日をいいます。民間企業の多くは、土曜日と日曜日、祝祭日を休みとしていますが、これが「休日」です。 労働基準法では、労働者に対して、毎週少なくとも1回以上の休日を与えなければならないとされています。 法律上このように定められているので、毎週土日が休みという完全週休2日制の会社であれば、一週間のうち、法定休日が1日、法定外休日が1日、ということになります。 この法定休日、法定外休日とでは、割増賃金の割増率が異なることから、未払いの割増賃金を請求する際に、その区別が重要となります。

休暇・休業

次に、「有給休暇」、いわゆる「有休」について紹介します。

年次有給休暇は「有給」の休み

労働者が権利として行使できる休みのうち、メジャーなものの一つに、年次有給休暇があります。有給休暇とは、わかりやすく言うと給料の出る休みです。 これは労働者全員に適用されるものなので、正社員だけではなく、契約社員やアルバイト、パートであっても有給休暇を取る権利があります。 取得条件は、6か月以上継続勤務し、かつ全労働日の8割以上出勤することです。正社員の場合、最低でも年に10日間与えられます。勤続年数が長くなればなるほど、取得できる日数が増えます。 また、有給休暇の取得は、理由を問わず請求できます。有給休暇を取る際に理由を聞かれたり、申請書に記入する運用が行われていたりする会社もあるようですが、原則として理由を気にする必要はありません。 もっとも、会社は、労働者が希望する有休取得日を他の日に振り替える「時季変更権」を行使する場合もあり、そのために有休取得の理由を質問するという建前があります(ただし、本来、時季変更権を行使できるケースは限られています)。 労働者としては、一応、(虚偽ではない範囲で)もっともらしい理由付けをしておくことが無難だと思います。

生理休暇

労働基準法で定められている休みです。具体的には「生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」という決まりがあります。 対象は、全ての女性の労働者です。 生理による体調への影響は個人差があるため、会社に本人が申し出れば、原則として何日でも取得できます。診断書など、何かしらの証拠を提出する必要もありません。 ただし、有給休暇とは違い、生理休暇で休んだ場合はその間の給料が出ない可能性があります。会社が生理休暇の日数を制限することは許されませんが、休暇中の給料を支払うかどうかは自由なのです。

産前産後休業(産休)

労働基準法には、6週間(双子などの場合は14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合、その者を就業させてはならず、また、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならないと定められています。これが、産前休業・産後休業です。 これらについても、休み中の給料が支払われるかどうかは会社によって異なります。 仮に無給だったとしても、健康保険の被保険者で一定の要件を満たしていれば、健康保険から補償金が受け取れます。具体的には、標準報酬月額の3分の2相当額が出産手当金として支給されます。

育児休業(育休)

育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)で定められている休みです。この休みは男性でも取得することができます。 育児休業は、平成29年10月に改正されることが決まっています。現在は最長でも子どもが1歳6か月になるまでしか休みを取れませんが、改正によって2歳まで延長可能になります。 休み中の給料が支払われるかどうかは法律によって決められていません。これも、会社の規則によって違います。

子の看護休暇

育児・介護休業法に定められている休みです。 原則として全ての労働者が権利者であり、たとえば、配偶者が専業主婦である労働者であっても、子の看護休暇を取ることができます。 ただし、会社によっては、労使協定で「勤続6か月未満または所定労働日数が週2日以下の労働者については除外」している場合もあります。 小学校に就学する前の子どもを育てている労働者が、子どもの看護のために仕事を休む場合、1年に5日間まで、子どもが2人以上の場合は10日間まで休暇を取得できます。 子どもが急に熱を出したり、定期健診や予防接種を受けたりするときに利用できます。 なお、会社は繁忙期であることなどを理由に、子の看護休暇の取得を拒否したり、変更したりすることはできません。 また、休み中の給料が支払われるかどうかも会社によって異なりますので、詳しくは就業規則などを確認してください。

介護休業・介護休暇

家族の介護が必要になったときに取得できる休みです。 育児・介護休業法には、介護休業と介護休暇が分けて規定されています。「休業」と「休暇」の違いですが、比較的長期間の休みが「休業」、短い休みが「休暇」というイメージでよいでしょう。 介護休業は、勤続1年以上の労働者が取得できます。ケガや病気、もしくは精神上の障害などによって、2週間以上の期間、常時介護を必要とする状態(要介護)の家族がいる場合に利用できます。 対象家族1人当たり通算で93日間まで休みを取得できます。 また、介護休暇は、勤続6か月以上の労働者が取得できます。対象家族の介護のほか、通院などの付添い、介護サービスの提供を受けるために必要な手続の代行その他の必要な世話をするために取得することができます。 1年度当たり5日(対象家族が2人以上の場合は合計10日)までを介護休暇とできます。 介護休業、介護休暇、いずれも休み中の給料が支払われるかどうかは会社の規定によって異なりますので、詳しくは就業規則などを確認してください。ただし、介護休業の場合は、介護休業給付を受給できます。 なお、介護休業・介護休暇が取得可能となる「対象家族」の範囲は以下の通りです。

  • 配偶者
  • 父母
  • 子ども
  • 配偶者の父母
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹

裁判員休暇

労働者が裁判員に選ばれた場合、裁判員の仕事に必要な休みを取ることができます。裁判員になったことを理由に解雇されるなど不利益な取扱いがなされることは法律で禁止されています。 もっとも、裁判員としての休暇期間が無給とされることまでは禁止されておらず、有給とするか、無給とするかは、会社の判断に委ねられています。

「休日」と「休暇」の違いとは

何となく同じようなニュアンスで使ってしまう「休日」「休暇」という二つの言葉ですが、実は意味が違います。

  • 「休日」:本来労働の義務がなく、労働しないことが当然の日
  • 「休暇」:労働の義務が一時的に免除される日

休日は、当然に労働する必要がない日です。他方、休暇は、一定の条件のもとで「労働しない」とすることができる休みのことで、許可や届出、相応の事情などが必要になる場合もあります。 このように、労働者にとっての休みには、もともとの休みである「休日」と、もともとは仕事する日だけれども、一定条件のもとで休みにできる「休暇」の2種類があるのです。

「法定」の休みと「法定外」の休みの違い

労働基準法35条では「少なくとも1週間に1日、または4週間に4日以上の休日を与えなければならない」と定められています。 これに対し、法定ではない(=法律に定めがない)休日である「法定外休日」もあります。これは、会社が独自の基準で定める休日のことです。 たとえば、お盆休みや年末年始の休日、ゴールデンウィークなども法定外休日に当てはまります。 続いて、法定外休日などについて、さらに詳しく確認しましょう。

法定外休日・休暇は「会社独自の休み」

全ての会社が設けなければならない法定休日に対して、会社ごとに決まりが異なる場合があるのが「法定外休日」「休暇」です。 会社が就業規則などで独自に休日・休暇と定めている日を指し、別名「所定休日」や「特別休暇」などとも呼ばれています。 法律で定められていないので、会社としては追加でこの休日・休暇を付与する義務はありません。 独自の休みだからこそ、会社によって日数に違いがありますし、そういった休みがない可能性もあります。 法定外休日がないからといって労働基準法違反にはなりませんが、就業規則に定めがある場合はその決まりに従って休みを請求・取得することができます。 冒頭でも説明したとおり、法定休日としては週1日の休日で足りるため、多くの会社が採用している完全週休二日制の場合、土日のいずれか1日が法定休日、もう1日が法定外休日ということになります。 いわゆる休日労働というのは、法定休日に働くことをいいます。そして、法定休日に働いた場合の割増賃金率は35%です。 一方で、法定外休日に働いても、休日労働としての割増しはなく、1日分の給料しかもらえないのです(ただし、週の労働時間が40時間以上になる場合には時間外労働として25%の割増賃金を受け取れます)。 このように割増賃金率が異なることから、未払いの割増賃金を請求する際に、法定休日・法定外休日の区別が重要となります。

その他、会社独自の休みの例

会社が定める休みとして、以下のようなものがあります。これらは、あくまで各社が任意に設けているものであるため、自分の会社にはないとしても違法ではありません。

  • 慶弔休暇:冠婚葬祭などの場合
  • 療養休暇:病気になった場合
  • 記念日休暇:結婚記念日や子どもの誕生日などの場合

これらの休みについて、就業規則や雇用契約書に記載があれば取得することができます。あなたの会社にどのような休みが存在するのか、確認してみるとよいでしょう。もしかしたら、見落としている休みがあるかもしれません。

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