残業代

弁護士監修記事 2017年05月31日

少額訴訟…請求額60万円以下で利用できる1日訴訟の仕組み

退職した後、未払いの残業代や割増賃金を会社に払ってほしいと考えたとき、請求したい額が60万円以下であれば「少額訴訟」という手続きを利用することができます 裁判というと時間と費用がかかりそうですが、少額訴訟は原則として1回の審理で決着がつき、自分一人で対処できるケースもあるため、弁護士費用もおさえることができます。 原則1回の審理で決着がつくため、十分な準備なしでは望む結果が得られないリスクはありますが、短い期間で、弁護士に頼らずに解決したいという方には検討する価値のある手続きです。

  • 少額訴訟はどんなケースで利用できるのか
  • 手続きの流れ
  • 申し立てる方法

この記事では、少額訴訟を利用できる場合や手続きの手順を詳しく解説します。

目次

  1. 請求額が60万円以下の場合、少額訴訟を利用できる
  2. 判決までの手続きの流れ
    1. 1. 必要書類を裁判所に提出する
    2. 2. 裁判所で審理する日が決まる
    3. 3. 事前の準備をする
    4. 5. 審理当日
    5. 6. 即日に判決
    6. 7.判決に納得できない場合は異議申立てができる
  3. 申立て時に必要なもの
    1. 請求金額によって申立手数料が変わる
  4. 「少額訴訟」=「簡単な紛争解決手段」ではない

請求額が60万円以下の場合、少額訴訟を利用できる

alt 少額訴訟は、請求する額が60万円以下の場合に利用できる特別な訴訟手続きです。原則1回の審理で、双方の言い分を聞き証拠を調べるなどして、すぐに判決が言い渡されます。 スピーディに紛争を解決することが期待できる一方、準備不足で臨むと、自分の言い分をしっかり伝えられないまま手続きが終わってしまい、望んだ結果が得られない可能性があります。 少額訴訟は、通常の裁判と異なり、最初の期日までに全ての証拠を用意しておく必要があります。自分の言い分を裁判所に伝えられるよう、事前に弁護士などの専門家に相談するなどして、しっかりと準備して臨みましょう。

判決までの手続きの流れ

少額訴訟の流れ

1. 必要書類を裁判所に提出する

少額訴訟の手続きは、原則として、会社が所在する地域を担当する簡易裁判所に申し立てます。訴状をはじめ必要な書類を郵送または直接裁判所に提出します。

2. 裁判所で審理する日が決まる

訴状が受理されると、裁判所から、審理する日取り(期日)の連絡があります。会社側にも連絡がいきます。会社が少額訴訟の手続きを受け入れた場合、その後会社側の反論が記載された「答弁書」が届きます。

この段階で会社側が少額訴訟の手続きに反対した場合には、通常の訴訟手続きに移行することになります。

3. 事前の準備をする

1回の審理で決着するため、事前の準備が重要です。自分の言い分を裏付けることができる証拠をしっかり準備しておきましょう。

5. 審理当日

審理は、提出された証拠をもとに、双方の言い分を聞きながら進められます。双方の言い分に食い違いがあった場合は、証拠に基づいて判断されます。

被告が答弁書を提出せず、審理当日に出廷しなかった場合は、原則として労働者側の言い分にしたがって判決が言い渡されます。

6. 即日に判決

少額訴訟は、原則として審理をしたその日に判決が言い渡されます。双方が歩みよれる余地があるケースの場合、和解が成立することもあります。

7.判決に納得できない場合は異議申立てができる

判決の内容に納得出来ない場合、2週間の間は異議申立てができます。異議申立てをした場合、同じ簡易裁判所で、通常の裁判の手続きを経て、改めて判決が言い渡されます。

控訴や反訴をすることができないなど、手続きには一定の制限があります。

申立て時に必要なもの

alt

必要なもの 備考
訴状 ・各簡易裁判所またはホームページからダウンロードできる
・書き方は「裁判所|給料支払請求」から
・手数料分の収入印紙を貼る
訴状のコピー 1部必要
登記事項証明書 ・相手方(会社)のものが必要
・「法務省:オンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について(商業・法人関係)」から取得できる
・500円程度
郵便切手 ・相手方(会社)への書類送付用
・簡易裁判所によって必要な金額が異なる
・4000円程度

請求金額によって申立手数料が変わる

少額訴訟を申し立てるための手数料は、請求する金額に比例して、次のように上がっていきます。

請求金額 申立手数料
10万円まで 1000円
20万円まで 2000円
30万円まで 3000円
40万円まで 4000円
50万円まで 5000円
60万円まで 6000円

訴状に添付する手数料分の収入印紙は、郵便局で購入できます。コンビニでも購入できますが、高額な印紙は取り扱いがない場合もあるので注意してください。

「少額訴訟」=「簡単な紛争解決手段」ではない

alt これまでみてきたように、少額訴訟は、請求する額が比較的少なく、費用と時間をあまりかけたくない場合に検討する価値のある手段ですが、決して「簡単に紛争を解決できる手段」というわけではありません。 証拠などを事前に入念に準備する必要があるなど、他の手続きよりもシビアな一面があります。場合によっては、労働審判や民事調停、東京都であれば「あっせん」の手続きなど、他の手段をまず検討してみた方がいいケースもあるでしょう。 少しでも不安が残る場合は、事前に弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。 「具体的にどのような証拠を集めればいいのか」など込み入った相談になると、無料相談で応じてもらうことは難しい可能性がありますが、しっかり準備する必要があるケースであれば、有料でも弁護士に相談する価値は十分にあるでしょう。

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