不当解雇

弁護士監修記事 2017年05月24日

【弁護士費用】不当解雇で弁護士に相談・依頼する場合の費用相場

「不当解雇を争いたいけど、弁護士に頼むと費用が高いのでは……」ーー。解決への一歩を踏み出す前に、このような不安を抱えていませんか。

  • 相談だけでも高そう……
  • そもそもどんな料金体系なの?
  • 結局どのくらいかかるの?

たしかに弁護士費用は安いとはいえないかもしれません。しかし、どの法律事務所も、一般的には何にいくらかかるのかは弁護士との委任契約締結前に確認できるようになっており、依頼前におおよその金額を知ることができます。 また、相談の際には、「費用の総額がいくらかかるのか」「あなたの希望が叶う見込みがあるか」等といった点について、弁護士から事前に説明があるので、納得した上で依頼できます。 安心して相談に行けるように、弁護士費用の考え方や、実際の費用相場を確認しておきましょう。

目次

  1. 弁護士に相談・依頼する場合の料金体系は?
    1. 報酬金の仕組みと経済的利益とは?
  2. 手続きごとの弁護士費用の相場
  3. 金銭的解決を目指す場合の計算例
  4. 支払いが苦しいときは……

弁護士に相談・依頼する場合の料金体系は?

不当解雇で弁護士に相談・依頼する場合に、どのようなタイミングで費用が発生するのでしょうか。 示談交渉や労働審判、裁判を弁護士に依頼する場合は、依頼前の相談にかかる「相談料」、依頼した時点で発生する「着手金」、事件が解決した時点で発生する「報酬金」の三つがベースになります。 これに加えて、弁護士が事務処理のために事務所を離れ、移動等によって発生する「日当」や、申立て費用や郵便切手代など、手続きに必要な出費を弁護士が立て替えた場合に発生する「実費」がかかります。 一方で、交渉などは自分で行うけれど、内容証明郵便は弁護士名で出したい等といった1回程度の手続で終了する手続を依頼する場合には、事件処理の結果の成功不成功に関係なく依頼した時点で「手数料」が発生します。

報酬金の仕組みと経済的利益とは?

事件が解決した際に発生する報酬金ですが、残念ながら依頼者が望んだ成果が得られなかった場合にはどうなるのでしょうか。また「成果」とはどのように考えるのでしょうか。 不当解雇を争う場合、裁判などで「解雇は無効であった」ことを認めてもらい、結果として、金銭的解決復職を勝ち取ることが成果となります。この成果が得られなかった場合には、報酬金は発生しないのが一般的です。 成果が得られた際の報酬金には、多くの弁護士が「経済的利益の◯◯%」という料金体系をとっています。経済的利益とはどのような意味なのでしょうか。 一般的に経済的利益とは、「弁護士に依頼したことによって増加した利益」を指します。下記の例で経済的利益とはどのように考えるのかを確認しておきましょう。

・本人と会社との話し合いでは、会社が30万円の支払いしか認めなかった
・弁護士に依頼した結果、180万円分の解決金を得られた
・報酬金は経済的利益の20%

この場合、「弁護士に依頼したことによって増加した金額」は「180万円 - 30万円 = 150万円」となります。報酬金はその20%なので、この場合は30万円です。

弁護士によっては、経済的利益を「実際に依頼者が得た金額」とする場合もあります。弁護士に依頼する際には、経済的利益の考え方についても確認するようにしましょう。

手続きごとの弁護士費用の相場

それでは依頼する手続きに応じた弁護士費用の相場を見ていきましょう。 弁護士費用は、示談交渉や労働審判、裁判などの手続きの種類によっても相場が異なります。示談交渉よりも労働審判、労働審判よりも裁判のほうが、手続きも複雑になり時間もかかるため、おおむね弁護士費用も高くなる傾向にあります。 下表は「弁護士ドットコム」にプロフィールページを掲載している弁護士の料金表から、手続きごとの費用相場を算出したものです。弁護士に依頼するか検討するうえで、参考にしてみてください。

費用項目 費用相場
相談料 無料 または 5千円/30分
示談交渉 着手金 10万円〜20万円
報酬金 経済的利益の15〜20%
労働審判 着手金 15万円〜25万円
報酬金 経済的利益の20%
裁判 着手金 25万円〜40万円
報酬金 経済的利益の20〜30%
日当 時間制 1万円/時間
半日 3万円〜5万円
1日 5万円〜10万円
内容証明郵便の作成 3万円〜5万円

相談料と内容証明郵便は、正式に依頼すると無料となり、着手金から差し引かれる場合も多くあります。

金銭的解決を目指す場合の計算例

最後に、弁護士に依頼した場合の弁護士費用の総額をシミュレーションしてみましょう。

依頼者の状況・自分自身で会社と交渉を試みたが、取り合ってもらえなかった。
・復職はせず金銭的解決が希望。
・給与は月収35万円。

このような状況で弁護士に依頼し、次のような結果になったとしましょう。

弁護士に依頼した結果・相談は初回の1度だけ。
・示談交渉から弁護士に依頼。
・弁護士名で内容証明郵便を送るが会社側が譲らず、労働審判を申し立てる。
・2回目の期日で給与6か月(210万円)の解決金で和解。

このケースで、弁護士の料金体系が以下のような場合、弁護士費用はいくらになるのでしょうか。

費用項目 金額
相談料 5千円/30分(初回1時間無料)
示談交渉 着手金 10万円
報酬金 経済的利益の15%
労働審判 着手金 20万円
報酬金 経済的利益の20%
日当 半日 4万円
内容証明郵便の作成 5万円(依頼後は無料)

このときの弁護士費用の内訳と総額は次のようになります。

項目 金額
相談料 0円
示談交渉の着手金 10万円
内容証明郵便の作成 0円
労働審判の着手金 10万円
日当 8万円
報酬金 42万円
合計 70万円

内訳は発生した時系列に並べています。まず相談料ですが、初回の一度のみなので無料です。次に示談交渉を依頼した時点で10万円の着手金が発生し、その場で支払います。内容証明郵便の作成は、依頼内容に含まれているとして無料です。 着目すべきが、労働審判の着手金です。本来の料金表では20万円となっているところ、実際には10万円の請求になっています。 前の手続きですでに着手金を支払っていた場合、次の手続きでは既に受領した着手金を考慮して次の手続の着手金を減額する、というのが弁護士業界では一般的なのです。つまり、上記の例では金額面では、実質的に労働審判から依頼したのと変わらない場合もあります。

あくまで一般的なケースであり、弁護士によっては異なる考え方の場合もあります。この点も必ず確認するようにしましょう。

労働審判では2回とも弁護士に同席してもらっているため、日当が発生することがあります。労働審判は1回の期日で2時間程度かかります。移動時間を加味しても、概ね半日の料金に収まるでしょう。そのため今回も「半日4万円 × 2回 = 8万円」とします。 最後に報酬金ですが、労働審判で解決したため、料金表のとおり「経済的利益の20%」で計算されます。本人の交渉では成果が得られなかったため、この場合の経済的利益は解決金の額そのものになります。そのため、「210万円 × 20% = 42万円」が報酬金となるのです。 報酬金の42万円は、事件終了時にまとめて支払い、すべての支払いが完了します。このケースでは総額70万円の弁護士費用がかかりましたが、弁護士に依頼したことで210万円の解決金を得られ、差し引き140万円の利益が残りました。

支払いが苦しいときは……

「最終的には利益が出そうだけど、着手金が払えない」ーー。解雇され、収入が途絶えてしまうと、着手金を準備するのも苦しい場合もあるでしょう。このような場合には弁護士に依頼できないのでしょうか。 そのような場合でも、まずは弁護士に相談してみましょう。弁護士によっては次のような料金体系で請け負ってくれる場合もあります。

  • 着手金無料の完全成功報酬制
  • 着手金の分割払い
  • 法テラスの利用

法テラスは、収入や貯蓄が少ない方の弁護士費用を立て替えてくれるため、着手金の後払い・分割払いが可能となります。利用できる条件など、詳しくは以下の記事も参考にしてください。 弁護士に無料相談ができる?法テラスとは ただし、すべての弁護士が法テラスと提携しているわけではないため、法テラスを利用したい場合には、あらかじめ法テラスの利用可能な弁護士を探しましょう。 「弁護士ドットコム」の弁護士検索では、「完全成功報酬制」「分割払い」「法テラス利用可」のどの条件でも弁護士を探せますので、ぜひご活用ください。

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