新型コロナの影響による経営悪化を理由に契約期間の途中で解雇されたときの対処法

コロナウイルスの影響で会社の経営状況が悪化し、契約期間の途中で解雇すると言われたーー。原則として、契約期間中に会社が一方的に解雇することは認められていません。この記事では、契約期間中に会社から解雇された場合の対処法について詳しく解説します。

目次

  1. 原則として契約期間中の解雇は認められない
  2. 「やむを得ない事情」による解雇が認められた裁判例
  3. 対処法

原則として契約期間中の解雇は認められない

原則として、契約期間の途中に会社が一方的に労働者を解雇することはできません。 有期雇用契約の期間の定めは、その期間は原則として雇用が保障されるという趣旨で設けられています。 解雇が認められるには、「契約期間満了を待たずにただちに解雇せざるをえないほどのやむを得ない事情」が必要です。 やむを得ない事情があったといえるかが争いになった場合、裁判所は厳しく判断する傾向にあります。新型コロナウイルス感染拡大の影響で経営が厳しくなったということだけで、必ずしも解雇が認められるとは限りません。

「やむを得ない事情」による解雇が認められた裁判例

契約期間中の解雇が認められた裁判例を紹介します。 この裁判は、証券会社と1年間の有期雇用契約を結んだ外国人の従業員が、6か月間の試用期間中に解雇されたため、雇用契約上の地位の確認や、残っている契約期間の未払い賃金の支払いなどを求めた事例です。(平成25年1月31日東京地裁判決) 裁判所が認定した事実は、以下のような内容でした。

  • 従業員は証券アナリストとして課長職の肩書きで採用された。
  • 入社前の試験で提出した日本語のレポートが評価されて採用となったが、日本人である配偶者に文章をチェックしてもらったことを会社に伝えていなかった。
  • 入社後に日本語で作成したレポートには誤字脱字や文法の誤りが多かった。
  • 会社は従業員の日本語の能力が採用時に期待したレベルに遠く及ばないだけでなく、上司の指示に違反する行為を繰り返すことなどがあったため、従業員を解雇した。

こうした事情をもとに、裁判所は、「雇用期間の満了を待つことなくただちに雇用を終了させざるを得ないような特別の重大な事由」があると判断し、解雇を有効と認めました。

この他、契約期間中の解雇の有効性は、「従業員の業務を改善するために具体的な指導をしたか」、「解雇にいたるまでの手続きは適正だったか」など、様々な事情を考慮して判断することになります。解雇が妥当かを自分で判断することは容易ではないので、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

対処法

契約期間中に解雇すると言われた場合、まずは会社に理由を聞き、納得できないときは、解雇を取り下げるよう交渉しましょう。交渉に応じてもらえないような場合は、以下のような手続きの利用を検討することも1つの方法です。

  • 労働局(厚生労働省が管轄する機関)に対してあっせんを申請する
  • 裁判所に対して労働審判を申し立てる

あっせんとは、相談者と職場との間に、弁護士や大学教授、社会保険労務士といった労働問題の専門家が入り、話合いをおこなうことで、トラブルの解決を目指す手続きです。無料で利用できます。 労働審判とは、相談者と職場の間に、労働審判官(裁判官)と労働審判員(労働組合の役員経験者、企業の人事担当経験者など)が入り、トラブル解決に向けた話合いを行う手続きです。原則として3回以内の話合いで終了するため、裁判よりも早い解決が期待できます。 あっせんや労働審判についての詳しい解説は、以下の記事をご覧ください。

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