【人事労務担当者向け】雇止めが制限されるケースと雇止めをするときの注意点

契約社員など、有期雇用の従業員がいる場合に、雇用契約を更新するかどうかは原則として会社が自由に決められます。ただし、一定の場合には、雇用契約を終了すること(雇止め)が制限されます。

  • 雇止めが制限されるケース
  • 雇止めの注意点
  • トラブル防止のためにできること

この記事では、上記のポイントについて、詳しく解説します。

目次

  1. 雇止めは原則として会社側の自由
  2. 会社が雇止めをできないケース
  3. 雇止めの注意点
    1. 雇止めの予告をすること
    2. 更新拒否の理由を記載した証明書を渡すこと
  4. トラブル防止のための契約時のルール
  5. 弁護士への相談を検討する

雇止めは原則として会社側の自由

従業員と、契約期間が決められた雇用契約を結んでいる場合、その契約期間が満了すると、雇用契約は終了します。 従業員との雇用契約を更新せずに、契約を終了させることを「雇止め」といいます。雇用契約を更新するかどうかは、原則として会社が自由に決めることができます。

会社が雇止めをできないケース

しかし、一定の場合には、会社の雇止めが制限されます。 雇止めをできないのは、次の2つの条件のうちどちらかにあてはまる場合です。

  • 契約が何度も更新されたことがあり、実質的に契約期間が定められていない契約と同じような状況にある
  • 契約が終了しても、契約更新が期待できるような合理的な理由がある

このような状況で、従業員が雇用契約の継続を望んでおり、契約更新を拒絶することが、客観的にみて合理的ではなく、社会通念上相当とはいえない場合に、雇止めが無効となります。 たとえば、次のような事情がある場合、雇止めが無効になる可能性があります。

  • これまでに契約を何度も更新している
  • 採用面接時に長期に契約する意向があることをほのめかしていた
  • 自己都合の退職を除いて、ほとんどの契約社員の契約が更新されている

雇止めが無効となった場合、会社は、これまでと同じ条件で従業員と雇用契約を結んだと扱われます。

雇止めの注意点

雇止めが制限されるケースにあたらない場合でも、契約を終了するときに注意するポイ ントがあります。以下の2点です。

  • 雇止めの予告をすること
  • 更新拒否の理由を記載した証明書を渡すこと

雇止めの予告をすること

更新があることを契約書などで明示した従業員について、合計3回以上契約を更新しているか、1年を超えて継続して雇用している従業員との契約を更新しない場合には、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、雇止めの予告をしなければなりません。

更新拒否の理由を記載した証明書を渡すこと

雇止めの予告後や雇止め後に、従業員から更新拒否の理由について証明書を請求された場合には、遅滞なく交付しなければなりません。 明示すべき雇止めの理由は、「契約期間の満了」とは別の理由とする必要があります。たとえば、以下のような理由です。

  • 前回の契約更新時に、本契約を更新しないことが合意されていたため
  • 担当していた業務が終了・中止となったため
  • 事業縮小のため
  • 業務を遂行する能力が十分ではないと認められるため
  • 職務命令に対する違反行為をおこなった、 無断欠勤をしたなど勤務不良のため

トラブル防止のための契約時のルール

雇止めの有効・無効をめぐるトラブルを防ぐには、従業員と有期雇用契約を結ぶときに、あらかじめ契約更新に関するルールを取り決めておくことがポイントです。 会社は、契約社員など有期雇用の従業員と雇用契約を結ぶときに、契約更新の有無について明示する必要があります。 たとえば「自動的に更新する」「更新する場合があり得る」「契約更新をしない」などと記載します。 「契約更新の回数は●回を上限とする」「満●歳を超えた場合には、原則として、翌年度の契約更新はおこなわない」などと契約更新の上限を設けることも1つの方法です(不更新条項といいます)。 契約更新をする場合があると明示したときには、「どのような場合に契約を更新するか・更新しないのか」という判断の基準も明示する必要があります。 たとえば「契約期間満了時の業務量により判断する」「労働者の勤務成績、態度により判断する」「労働者の能力により判断する」「会社の経営状況により判断する」などと記載します。 契約更新の有無や、契約更新の判断基準を変更したときは、従業員に変更点を速やかに明示する必要があります。 これらのルールは、口頭で伝えるだけではなく、労働条件通知書に記載するなど書面で作成しましょう。 書面に残していない場合、たとえば従業員から雇止めの無効を裁判などで争われた場合に、証拠が不十分となり会社に不利な状態になる場合があります。

弁護士への相談を検討する

雇止めをしたい場合には、事前に弁護士に相談することをおすすめします。 これまで説明したとおり、雇止めは一定の場合に制限されることがあります。雇止めが制限されるケースに当てはまる場合、雇止めは無効となります。 無効な雇止めを行なった場合、従業員から、雇止めがなければ支払われたはずの賃金の支払いを請求されるなど、トラブルに発展するリスクがあります。 雇止めをめぐる争いが裁判に発展すると、決着がつくまでには時間もお金もかかります。裁判を起こされたことが社内外に伝わることで、会社の評判や採用活動によくない影響が出る可能性もあるでしょう。 雇止めをする前に、弁護士に相談することを検討しましょう。弁護士に相談すると、雇止めをめぐるトラブルを防ぐためのアドバイスを受けることができます。

記事のタイトルとURLをコピー