労災

弁護士監修記事 2019年06月17日

請負や業務委託でも労災の補償を受けられるケースとは

通勤中や勤務中にケガをしたり、長時間労働でうつ病を患うなど病気にかかったりしてしまった場合、会社の従業員であれば労災保険から治療費を補償してもらうことができます。 一方、請負や業務委託として働く場合には、労災保険に入れないのが原則ですが、会社の従業員と変わらないような場合、労災保険の補償を受けられるケースがあります。 どのような場合か、この記事で詳しく解説します。

目次

  1. 労災とは
  2. 業務委託や請負の場合
  3. 業務委託や請負でも労災保険の補償を受けられるケース
  4. 労災の補償を受けたい場合の手続き
    1. 労働問題に詳しい弁護士に相談しよう

労災とは

alt 労災保険は、従業員が仕事や通勤のうえでケガや病気になった場合に、会社に代わって医療費や休業補償を行なうための保険です。 正式名称は、労働者災害補償保険です。 労災保険に加入していて、ケガや病気が労災(労働災害)によるものだと認定された場合には、治療費が全額補償されます。 また、ケガや病気によって仕事を休んだ場合の休業補償も受けられます。

業務委託や請負の場合

alt 請負や業務委託の場合には、会社の従業員ではなく、個人事業主(自営業・フリーランス)になるので、原則として労災保険には加入できません。 そのため、仕事や通勤によってケガや病気になった場合でも、労災の補償は受けられず、治療費や仕事を休んだ場合の収入減を自分で負担することになります。 この場合、個人事業主(自営業・フリーランス)は国民健康保険に加入しているので、医療費は3割負担となります。 1か月の医療費が上限額を超える場合には、その超えた額の払戻しを受けられる「高額療養費制度」があります。 また、あらかじめ医療費が上限額を超えることがわかっている場合には、「限度額認定証」の交付を受けて病院で手続きすることによって、上限額を超える部分の支払いをしなくて済むようにすることができます。 詳しい手続きは病院、または市区町村役場に問い合わせましょう。

業務委託や請負でも労災保険の補償を受けられるケース

alt 請負や業務委託として働いていても、実際は会社の従業員と変わらない働き方だと認められる場合には、労災保険の補償を受けられる場合があります。 会社の従業員と変わらない働き方かどうかについて、判例は、次のような項目を挙げ、総合的に判断しています。

判断要素 雇用 業務委託(請負・準委任)
仕事を引き受けるか断るかを自由に決められるか。 ・断る自由がない。 ・自由に決められる。
勤務時間・勤務場所の指定があるか。 ・指定がある。 ・指定がない。
業務に用いる器具を誰が負担するか。 ・会社の器具を使用できる。 ・自分で用意する。
報酬が労働力の提供に対して支払われるかどうか。
生活保障の要素があるか。
・固定給部分があり、生活保障的な要素が強い。
・欠勤控除、残業手当などがある。
・出来高制。

そのほか、業務を行う上で会社に指揮監督されるかどうか、仕事を本人が行なう必要があるのか他人に任せてもよいかなども考慮要素となります。

労災の補償を受けたい場合の手続き

alt 労災の補償を受けたい場合には、労働基準監督署に必要書類を提出して、労災の申請をします。 その際、「契約書の上では請負や業務委託となっているけれど、実際には会社の従業員と変わらない働き方をしている」ということを労働基準監督署に伝えるための証拠も一緒に提出します。 たとえば、勤務時間が決められている場合のタイムカードなどの記録や、報酬が固定給の場合の給料明細などがあります。

労働問題に詳しい弁護士に相談しよう

労働問題に詳しい弁護士に相談すると、労災の補償を受けるためにどのような証拠が必要か、どのように労働基準監督署に伝えたら効果的かなどのアドバイスをもらえます。 また、必要書類を作成や申請をしてもらったり、労働基準監督署の職員に働きかけて、申請を有利に進めてもらうよう動いてもらうこともできます。 証拠や書類、労働基準監督署への働きかけなどによって、労災の補償を受けられる可能性が大きく変わります。 労災の補償を受けたい場合には、労働問題に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。

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