労災

弁護士監修記事 2019年06月24日

【労災保険】仕事や通勤によりケガや病気になった場合の手続き

通勤中にケガをしたり、環境の悪い職場で働いて病気にかかったりしてしまった場合、労災保険から治療費や休業損害を支払ってもらうことができます。

  • 得られる補償の内容
  • 手続きの進め方

こうしたポイントについて詳しく解説します。

目次

  1. 仕事や通勤によるケガや病気には「労災保険」を利用できる
  2. 労災保険で受けられる補償の内容
    1. 治療費が全額、国から支払われる
    2. ケガや病気で仕事を休んだために減った分の収入が支払われる
    3. 治療が長引くと補償が手厚くなる
    4. 後遺障害が残った場合
  3. 労災保険の手続きの流れ
    1. 労基署に労災保険を申請する
  4. 健康保険証を使って治療を受けてしまったが労災保険に切り替えたい場合

仕事や通勤によるケガや病気には「労災保険」を利用できる

仕事中や通勤中にケガをした場合や、仕事や通勤を理由に病気になった場合、労働災害(労災)と認められると、「労災保険」を使って治療費などの支払いを受けることができます。 労災保険は、正社員やパート、アルバイトなどの雇用形態を問わず、原則として全ての事業主(会社)が加入している保険です。 会社が労災保険の届出や保険料の支払いをしていないこともありますが、そのような場合でも、被害者は労災保険から治療費などの支払いを受けることができます。

労災保険で受けられる補償の内容

労災保険を使うと、次のような補償を受けることができます。

治療費が全額、国から支払われる

労災保険を使うと、ケガや病気の治療費が全額、国から支払われます。仕事によるケガや病気の場合には「療養補償給付」、通勤によるケガや病気の場合には「療養給付」といいます。 「労災指定病院」を受診すれば無料で治療を受けることができ、自分で費用を立て替える必要もありません。 労災指定病院は、厚生労働省 労災保険指定医療機関検索から探すことができます。 労災指定病院ではない病院を受診した場合は、いったん治療費を自分で立て替えなければなりませんが、後から労働基準監督署に請求することで、立て替えた分が全額支払われます。 気をつけたいのは、通常病院で治療を受ける場合は健康保険により3割負担となりますが、労災保険を使う場合には健康保険を使えないため、治療費が全額(10割)負担になることです。 後から労基署に全額請求できるとはいえ、立て替える金額が大きくなるため、経済的余裕がない場合は、労災指定病院を受診するとよいでしょう。

ケガや病気で仕事を休んだために減った分の収入が支払われる

労災保険を使うと、ケガや病気で仕事を休んだ分の損害もカバーしてもらえます。 仕事を4日以上休んだ場合に、4日目以降の休業日について、「仕事を休まなければ得ることができたはずの収入」が支払われます。仕事によるケガや病気の場合は「休業補償給付」、通勤によるケガや病気の場合は「休業給付」といいます。 これらの給付は通常、給料の6割が支払われます。

仕事を休んだ1日目から3日目までの分は、仕事中の事故の場合には事業主(会社)に支払ってもらえます。通勤によるケガや病気の場合には支払ってもらえません。

さらに、休業補償給付(休業給付)とは別に、給料の2割にあたる金額が「休業特別支給金」として支払われます。

治療が長引くと補償が手厚くなる

ケガや病気の治療を始めてから1年6か月が経っても症状固定(これ以上治療を続けても症状が改善しないと医学的に判断されること)とならない場合で、次の表に当てはまるような重い症状の場合には、休業補償給付(休業給付)から、より手厚い補償に切り替わります。 「傷病補償給付」(通勤によるケガや病気の場合には「傷病給付」)といいます。 傷病補償給付(傷病給付)では、給料をもとに計算した「傷病補償年金」(通勤によるケガや病気の場合には「傷病年金」)のほかに、ボーナスをもとに計算した「傷病特別年金」、一時金として支給される「傷病特別支給金」が支払われます。 傷病補償給付(傷病給付)は、ケガが完治するか症状固定と診断されるまで支払われます。 介護が必要な場合には、介護費用として「介護補償給付」(通勤によるケガや病気の場合には「介護給付」)も支払われます。

後遺障害が残った場合

治療をしたけれど完治せずに症状が残った場合、後遺障害と認められれば後遺障害が残ったことに対するお金や介護が必要になった場合の費用が支払われます。 後遺障害が残った場合の補償の内容や手続きについて、詳しくはこの記事の下の関連記事で解説しています。

労災保険の手続きの流れ

労災保険を請求するには自分で手続きを行いますが、会社が手続きを代わりに行ってくれることも多いようです。 会社に手続きをやってもらえないか、総務部などに確認しましょう。

労基署に労災保険を申請する

自分で手続きをする場合には、労働基準監督署に労災保険の給付を申請します。 労災保険の申請先は、所轄の労働基準監督署です。労働基準監督署は厚生労働省のホームページから探すことができます。 必要な書類は補償される給付によって異なります。 書類は厚生労働省のホームページからダウンロードできます。労働基準監督署に行って手に入れることもできます。

健康保険証を使って治療を受けてしまったが労災保険に切り替えたい場合

健康保険証を使って治療を受けてしまったけれど、労災保険に切り替えたい場合、治療をしている病院に連絡すれば労災に切り替えてくれることがあります。まずは病院に連絡して、労災に切り替えてもらえないか確認しましょう。 病院で切り替えることができない場合には、いったん医療費を健康保険の3割負担ではなく全額(10割)自己負担してから、労災保険を請求することになります。 労災保険からは治療費の全額が補償されるといっても、いったん自分で全額を払うというのは大きな負担です。 自己負担が難しい場合には、自己負担をせずに労災保険から支払いを受ける手続きをすることができます。手続きは労働基準監督署で行います。 厚生労働省のホームページから所轄の労働基準監督署を探して、具体的な手続きの方法を問い合わせましょう。

労働災害によりケガや病気になった場合には、労災保険を利用することとは別に、会社に対して慰謝料の支払いなどを求めて訴えることができる可能性があります。労災の手続きと併せて検討してみてもよいでしょう。

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