社会保険

弁護士監修記事 2019年04月24日

健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険に加入しているか確認する方法

会社や事業主は、原則として、健康保険や厚生年金などの各種社会保険に従業員を加入させる義務があります。 この記事では、どのような場合に社会保険に加入しなければならないのかといった点や、加入しているか確認する方法といった点について、詳しく解説します。

目次

  1. 健康保険とは
    1. 健康保険に加入しているか確認する方法
    2. 会社は従業員を健康保険に加入させなければならない
    3. 年金事務所に相談する
  2. 厚生年金とは
    1. 厚生年金に加入しているか確認する方法
    2. 会社が従業員を厚生年金に加入させなければならない場合とは
    3. 年金事務所に相談する
  3. 雇用保険とは
    1. 雇用保険に加入しているか確認する方法
    2. 会社が従業員を雇用保険に加入させなければならないケース
    3. ハローワークに相談する
  4. 労災保険とは
    1. 労災保険に加入しているか確認する方法
    2. 労災保険に加入しなければならないケース
    3. 労働局または労働基準監督署に相談する

健康保険とは

健康保険とは、従業員や、従業員の扶養に入っている家族が病気やケガをしたときなどに、医療費の一部を負担してもらえる保険です。 健康保険の保険料は、会社と従業員が半分ずつ支払います。 健康保険の代表的な内容として、病院で治療を受けた場合に治療費の自己負担が3割になる(残りの7割は健康保険から支払われる)というものがあります。 さらに、健康保険の特徴として、病気やケガで会社を休んだ場合に給料の約3分の2を支給してもらえる「傷病手当金」という制度があります。

会社に所属しない自営業やフリーランスの人は「国民健康保険」に加入します。国民健康保険の保険料は個人がすべて負担します。国民健康保険でも医療費は3割負担となりますが、傷病手当金の制度はありません。

健康保険に加入しているか確認する方法

新たに健康保険に加入すると、会社を通して新しい保険証をもらえます。健康保険に加入しているかわからない場合には、保険証を確認しましょう。

会社は従業員を健康保険に加入させなければならない

従業員を1人でも雇っている法人は、従業員を健康保険に加入させなければなりません。 個人事業主でも、次の業種に該当し、従業員が5人以上いる場合には、従業員を健康保険に加入させなければなりません。

  • 物の製造、加工、選別、包装、修理、解体
  • 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体、その準備
  • 鉱物の採掘、採取
  • 電気または動力の発生、伝導、供給
  • 貨物または旅客の運送
  • 貨物積みおろし
  • 焼却、清掃、とさつ
  • 物の販売、配給
  • 金融、保険
  • 物の保管、賃貸
  • 媒介周旋
  • 集金、案内、広告
  • 教育、研究、調査
  • 疾病の治療、助産その他医療
  • 通信、報道
  • 社会福祉法に定める社会福祉事業、更生保護事業法に定める更生保護事業

この他、従業員の過半数の同意を得て、厚生労働大臣の認可を受けた事業所も、健康保険に加入させなければなりません。 事業所の従業員は、個々の希望にかかわらず、全員が健康保険に加入することになります。試用期間中であっても同じです。

パートやアルバイトは加入できない場合がある

パートやアルバイトの場合には、1週間の決められた労働時間と1か月の決められた労働日数が通常の従業員の4分の3未満で、かつ、次のどれか1つにあてはまる場合には、健康保険に加入できません。

  • 1週間の決まった労働時間が20時間未満
  • 継続して1年以上雇用される見込みがない
  • 報酬が月88,000円未満
  • 学生(高校生、大学生など)

年金事務所に相談する

会社が健康保険に加入しなければならないにもかかわらず、健康保険に加入してもらえない場合には、会社を管轄する年金事務所に相談しましょう。 相談するときには、健康保険料が天引きされていない給料明細など、証拠となる資料を持っていくとよいでしょう。 年金事務所は、会社が健康保険に加入していないことがわかったら、会社に連絡して健康保険に加入するように促すことができます。

強制的に健康保険に加入させられるケース

年金事務所の連絡を受けても会社が健康保険に加入しない場合、年金事務所は職権で(強制的に)健康保険に加入させることができます。その場合、過去2年分の保険料を会社から徴収します。 このような場合、従業員に対しても過去2年分の保険料が請求されます。従業員にとっては大きな支出になるので、注意が必要です。

健康保険に入っていなかった間に国民健康保険に加入していた場合には、過去2年分の国民健康保険の保険料が返金されます。

厚生年金とは

厚生年金は、会社の従業員が加入する年金です。厚生年金保険料は、会社と従業員が半分ずつ支払います。 厚生年金に加入すると、次のような年金を受給できます。

  • 老齢年金(65歳から亡くなるまでの間に受給できます)
  • 遺族年金(万が一自分が亡くなった場合に遺族に支払われます)
  • 障害年金(病気やケガによって生活や仕事が制限されるようになった場合に受給できます)

会社に所属しない自営業やフリーランスの人は「国民年金」に加入します。国民年金の保険料は個人がすべて負担します。国民年金でも老齢年金、遺族年金、障害年金を受給できますが、金額は厚生年金に加入している場合より少ないことが一般的です。

厚生年金に加入しているか確認する方法

厚生年金に加入しているかは、年金事務所で確認できます。年金事務所へ行く際には、年金手帳を持っていきましょう。 また、年に1回、日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」でも確認することができます。

給料から厚生年金保険料が天引きされている場合でも、会社が厚生年金に加入していないというケースがあります。

会社が従業員を厚生年金に加入させなければならない場合とは

健康保険の場合とほぼ同様です。 従業員を1人でも雇っている法人は、従業員を厚生年金に加入させなければなりません。 個人事業主でも、次の業種に該当し、従業員が5人以上いる場合には、従業員を厚生年金に加入させなければなりません。

  • 物の製造、加工、選別、包装、修理、解体
  • 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体、その準備
  • 鉱物の採掘、採取
  • 電気または動力の発生、伝導、供給
  • 貨物または旅客の運送
  • 貨物積みおろしの事業
  • 焼却、清掃、とさつ
  • 物の販売、配給
  • 金融、保険
  • 物の保管、賃貸
  • 媒介周旋
  • 集金、案内、広告
  • 教育、研究、調査
  • 疾病の治療、助産その他医療
  • 通信また報道
  • 社会福祉法に定める社会福祉事業、更生保護事業法に定める更生保護事業

さらに、船員が乗り組む一定の条件を備えた汽船や漁船などの船舶も、船員を厚生年金に加入させなければなりません。 また、従業員の過半数の同意を得て、厚生労働大臣の認可を受けた事業所も、従業員を厚生年金に加入させなければなりません。 これらの事業所の従業員は、個々の希望にかかわらず、全員が厚生年金に加入します。試用期間中であっても同じです。

パートやアルバイトは加入できない場合がある

パートやアルバイトの場合には、1週間の決まった労働時間と1か月の決まった労働日数が通常の従業員の4分の3未満で、かつ、次のどれか1つにあてはまる場合には、厚生年金に加入できません。

  • 1週間の決まった労働時間が20時間未満
  • 継続して1年以上雇用される見込みがない
  • 報酬が月88,000円未満
  • 学生(高校生、大学生など)
  • 事業所の従業員が500人以下

年金事務所に相談する

会社が厚生年金に加入しなければならないにもかかわらず、厚生年金に加入してもらえない場合には、会社を管轄する年金事務所に相談しましょう。 相談するときには、年金手帳やねんきん定期便などの資料を持っていくとよいでしょう。

雇用保険とは

雇用保険は、会社を退職した場合にいわゆる失業手当がもらえる保険です。 また、失業手当のほかに、育児休業や介護休業を取得した場合の手当金などの給付があります。 雇用保険の保険料は、従業員が1000分の6を負担し、そのほかを会社が負担します。

会社に所属しない自営業やフリーランスの場合には、雇用保険に相当するような公的保険はありません。

雇用保険に加入しているか確認する方法

雇用保険に加入しているかどうかは、ハローワークで確認することができます。ハローワークへ行く際には、本人確認書類を持っていきましょう。

給料から雇用保険料が天引きされている場合でも、会社が雇用保険に加入していないというケースがあります。

会社が従業員を雇用保険に加入させなければならないケース

従業員を1人でも雇っている法人は、従業員を雇用保険に加入させなければなりません。 従業員は、個々の希望にかかわらず、全員が雇用保険に加入します。試用期間中であっても同じです。 ただし、次の場合には、雇用保険に加入できません。

  • 1週間の決められた労働時間が20時間未満
  • 継続して31日以上雇用されることが見込まれない場合
  • 季節的に雇用される場合で、雇用期間が4か月以内または1日の決められた労働時間が30時間未満の場合
  • 学生、生徒

ハローワークに相談する

会社が雇用保険に加入しなければならないにもかかわらず、雇用保険に加入してもらえない場合には、会社を管轄するハローワークに相談しましょう。

労災保険とは

労災保険は、従業員が仕事のうえでケガや病気になった場合に、会社に代わって医療費や休業補償を行なうための保険です。 労災保険料は、会社がすべて負担します。

会社に所属しない自営業やフリーランスの場合には、労災保険に相当するような公的保険はありません。

労災保険に加入しているか確認する方法

労災保険に加入しているかどうかは、厚生労働省のサイトから確認することができます

労災保険に加入しなければならないケース

従業員を1人でも雇っている法人は、従業員を雇用保険に加入させなければなりません。 従業員は、個々の希望にかかわらず、全員が労災保険に加入します。試用期間中であっても同じです。 また、契約社員、派遣社員、パート、アルバイトなどの従業員も加入しなければなりません。

労働局または労働基準監督署に相談する

会社が雇用保険に加入しなければならないにもかかわらず、雇用保険に加入してもらえない場合には、会社を管轄する労働局または労働基準監督署に相談しましょう。

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