パワハラ

弁護士監修記事 2019年04月24日

派遣先でパワハラの被害を受けたときの対処法|被害回復の手段を詳しく解説

派遣先の従業員からパワハラ被害を受けた場合、被害を回復するために、加害者だけでなく、派遣先や派遣元に損害賠償を求めることができます。 処罰感情が強い場合は、加害者に刑事罰を求めることもできます。また、加害者から引き離してもらうために、派遣先の変更を派遣元に求めてもよいでしょう。 この記事では、派遣先の従業員からパワハラを受けた時の対応策について、詳しく解説します。

目次

  1. パワーハラスメント(パワハラ)とは
  2. 派遣先の従業員からパワハラ被害を受けたときの対処法
    1. 雇用契約を結んでいる派遣元に相談する
    2. 対応が不十分な場合は労働局に相談する
    3. パワハラ加害者に損害賠償を求める
    4. パワハラ加害者に刑事罰を求める

パワーハラスメント(パワハラ)とは

そもそもパワーハラスメント(パワハラ)とは、どのような行為があたるのでしょうか。 パワハラについて、法律で明確に定義されているわけではありません。厚生労働省のホームページでは、パワーハラスメントについて、次のように紹介されています。

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為

具体的にどんな行為がパワハラにあたるのかについて、次のような例を紹介しています。

  • 身体的な攻撃…叩く、殴る、蹴るなどの暴行を受けたり、丸めたポスターで頭を叩く
  • 精神的な攻撃…同僚の目の前での叱責や、他の職員を宛先に含めたメールでの罵倒、必要以上の長時間にわたって繰り返し執拗に叱る
  • 人間関係からの切り離し…1人だけ別室に席をうつされる、強制的に自宅待機を命じられる、送別会に出席させない
  • 過大な要求…新人で仕事のやり方もわからないのに、他の人の仕事まで押しつけられる
  • 過小な要求…運転手なのに営業所の草むしりだけを命じられたり、事務職なのに倉庫業務だけを命じられたりする
  • 個の侵害…交際相手について執拗に問われたり配偶者に対する悪口を言われたりする

こうした行為は、派遣先の上司から派遣社員に対して行われた場合だけでなく、派遣先の従業員から行われたような場合でも、パワハラにあたることがあります。 厚生労働省が紹介しているパワーハラスメントの定義については、この記事の下にある参考リンクから確認することができます。

派遣先の従業員からパワハラ被害を受けたときの対処法

派遣社員として勤務している職場(派遣先)の従業員からパワハラ被害を受けた場合、次のような対処を検討しましょう。

  • 雇用契約を結んでいる派遣会社(派遣元)に相談する
  • 労働局に相談する
  • 加害者に損害賠償を求める
  • 加害者に刑事罰を求める

それぞれの対応方法について説明していきます。

雇用契約を結んでいる派遣元に相談する

派遣先の従業員からパワハラ被害を受けた場合、まずは、雇用契約を結んでいる派遣会社(派遣元)の相談窓口に相談しましょう。 派遣元に、派遣先に対する苦情の申し入れを求めましょう。また、派遣先で業務にあたるのが苦痛なときは、派遣先の変更を求めてもよいでしょう。 派遣先の会社に相談し、同様のことを求めることもできます。

対応が不十分な場合は労働局に相談する

派遣元や派遣先の対応が不十分な場合は、都道府県の労働局に相談し、会社に対応するよう働きかけてもらうことができます。 労働局には、労働者と会社との間でトラブルが発生した場合に、労働者からの相談に応じ、問題解決のために必要な助言や指導などを行ってくれる「総合労働相談コーナー」があります。 パワハラ被害についても総合労働相談コーナーで相談できます。相談は無料でできます。 労働局に相談したことを理由に、解雇や降格などの不利益を与えることは法律で禁止されています。安心して相談しましょう。 労働局は、派遣元や派遣先がパワハラ防止のための適切な措置をするように、派遣元や派遣先がに対して助言・指導などを行ってくれます。 労働局に相談したい場合は、厚生労働省のホームページから、最寄りの窓口を探しましょう。この記事の下にある参考リンクから、窓口の所在地や電話番号を確認することができます。

パワハラ加害者に損害賠償を求める

パワハラが民法上の不法行為にあたる場合、加害者に対して損害賠償を求めることができます。 大まかには、次のような手順で進めていくことになります。

  • パワハラ行為の証拠を集める
  • 損害賠償の支払いを求める書面を加害者に送付する
  • 支払いに応じない場合は裁判所に調停を申し立てる
  • 調停で合意できなければ裁判を行う

退職した後でも、損害賠償を請求することもできますが、時効に注意しましょう。最後のパワハラ行為があった時点から3年が経過すると、不法行為の損害賠償請求権は時効により消滅します。

パワハラの加害者に損害賠償を求める方法については、この記事の下にある関連記事で確認できます。

パワハラ加害者に刑事罰を求める

パワハラ行為は、刑事罰の対象になることもあります。 たとえば、殴られてケガをしたような場合は傷害罪に、人格を否定するような暴言を浴びせられるなどした場合は侮辱罪にあたる可能性があります。 あなたの加害者に対する処罰感情が強い場合は、警察に被害届を提出する、あるいは、告訴するなどして、加害者に対する処罰を求めることができます。 刑事罰を求める姿勢を示すことで、示談する場合にも、交渉の材料にできる可能性があります。たとえば、「慰謝料を要求どおりに支払えば、告訴は取り下げる」といった交渉が可能になります。 パワハラの加害者に刑事罰を求める方法については、この記事の下にある関連記事で確認できます。

  • 参考リンク

厚生労働省:パワーハラスメントの定義 厚生労働省:総合労働相談コーナーの所在地

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