労働

弁護士監修記事 2019年04月19日

従業員の身元保証人が会社から賠償金を請求された場合の対処法

従業員が会社に損害を与えてしまい、身元保証人である自分に賠償金の請求がきた…。このような場合には、次の点を確認しましょう

  • 賠償金を支払う義務があるか。
  • 賠償金の金額は適切か。

この記事では、このようなポイントについて詳しく解説します。

目次

  1. 賠償金を支払わなくてよいケース
    1. 有効期間が過ぎている場合
    2. 有効期間は長くても5年
    3. あらかじめ賠償額が定められている場合
    4. 損害の発生から時間が経過している場合
  2. 賠償金の金額が適切かどうか確認する
  3. 賠償金を支払わなければならない場合の対処法
    1. 会社に説明を求める
    2. 弁護士などの専門家に相談する

賠償金を支払わなくてよいケース

alt 身元保証人は、身元保証した従業員が会社に損害を与えたときに、会社に対して賠償金を支払う義務を負います。 一方で、次のような場合は、賠償金を支払う必要がない可能性があります。

  • 身元保証の有効期限が過ぎている場合
  • あらかじめ賠償額が定められている場合
  • 損害の発生から時間が経過している場合

有効期間が過ぎている場合

身元保証には有効期間があります。有効期間が過ぎていれば、身元保証はすでに終了しています。 身元保証が終了した後に従業員が会社に損害を与えた場合には、身元保証人が賠償金を支払う必要はありません。 まずは契約書を見て、有効期間を確認しましょう。

有効期間は長くても5年

身元保証の有効期間は、法律によって、5年以内と決められています。 5年より長い期間が契約書に書かれている場合には、法律によって、5年に短縮されます。 期間が決まっていない場合は、法律により3年とされます。ただし、商工業見習者(いわゆる徒弟制度)の場合には、5年です。 身元保証は、更新することができます。ただし、更新後の期間も5年を超えることはできません。 身元保証の自動更新は無効とした裁判例があります。もし、自動更新になっている場合には無効の可能性があるので、弁護士などの専門家に相談しましょう。

あらかじめ賠償額が定められている場合

会社があらかじめ賠償金や違約金を決めておくことは、法律により禁止されており、そのような定めは無効です。 このような無効な定めによって賠償金を請求された場合には、賠償金を支払う必要はありません。 賠償金の金額の根拠などを会社に質問して、このような賠償金や違約金の定めがあるかどうか確認しましょう。

損害の発生から時間が経過している場合

従業員が会社に損害を与えてから身元保証人に賠償金を請求するまでの間に時間が経過している場合、時効によって賠償金を支払わなくてもよい可能性があります。 どのくらい時間が経過すれば時効が成立するかは、賠償義務の内容によって異なります。弁護士などの専門家に相談しましょう。

賠償金の金額が適切かどうか確認する

alt ここまで説明したケースに当てはまらない場合には、身元保証人が賠償金を支払わなければならない可能性があります。 まず、会社が受けた損害の金額が妥当かどうかを確認します。過大に見積もられていたり、無関係なものが含まれていたりするような場合があるからです。 その上で、身元保証人が支払う金額については、法律によって必ずしも全額を支払うわけではなく、次のような事情を考慮して決めることとされていれます。

  • 従業員を監督するにあたっての会社の過失の有無
  • 身元保証人が身元保証をすることになった理由
  • 身元保証をするにあたって身元保証人がどの程度注意を払ったか
  • 従業員の任務の変化、身上の変化

実際にいくら支払うべきかは、様々な事情によって異なります。弁護士などの専門家に相談しましょう。

賠償金を支払わなければならない場合の対処法

alt 賠償金を支払わなければならない可能性がある場合には、次のように対応しましょう。

会社に説明を求める

従業員が会社に損害を与えた経緯と、賠償金の金額の根拠について、会社に説明を求めましょう。 話をよく聞いてみたら、賠償金を支払う必要のないケースだということが判明する場合があります。

弁護士などの専門家に相談する

身元保証人が賠償金を支払わなければならない場合でも、金額は減額される可能性があります。 実際にいくら支払うのが妥当かは、様々な事情により異なります。 弁護士などの専門家に相談しましょう。

窃盗や横領などの犯罪の場合には、刑事手続きが同時に進んでいる場合があります。その場合、会社と示談をして賠償金を支払うことで、検察官が起訴・不起訴を判断する際や、裁判官が判決を下す際に、従業員に有利な事情(情状)として考慮されることがあります。従業員の弁護を担当している弁護士に対応方法を相談しましょう。

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