リストラ

弁護士監修記事 2019年04月01日

【弁護士Q&A】店舗閉鎖や事業廃止を理由とするリストラは有効か

会社の経営状態が悪化してリストラを告げられた場合、従う必要はあるのでしょうか。どのような条件を満たした場合に、リストラが有効になるのでしょうか。 この記事では、「店舗閉鎖によるリストラ」「事業廃止によるリストラ」の2つのケースについて、「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. リストラが認められる要件とは
  2. 店舗閉鎖によるリストラは認められるのか
  3. 事業廃止によるリストラは認められるのか
  4. まとめ

リストラが認められる要件とは

alt リストラが有効になるのは、どのような条件を満たした場合なのでしょうか。

突然の整理解雇について


相談者の疑問
経費削減のため常用パートを解雇し、派遣社員を雇用するという理由で突然解雇されても、労働契約書に整理解雇があると記載されていれば、受け入れるしかないのでしょうか?


鈴谷 通弁護士
労働者を解雇するためには、厳格な要件(①客観的合理的理由、②社会通念上の相当性)を充たすことが必要です。

そして、解雇が会社の経営上の理由に基づくもの(整理解雇)の場合は、通常の場合よりも一層、厳格な要件(①人員削減の必要性、②解雇回避努力義務の履践、③被解雇者選定の合理性、④手続きの妥当性)が要求されます。

これは、労働契約書に「整理解雇ができる」と記載されていても同じです。

具体的事情によりますので、「受け入れるしかないか否か」の結論はご回答いたしかねますが、整理解雇が有効となるための厳格な要件を充たしているか、事情に照らしてチェックする必要があると思われます。

リストラが認められるのは、上記のような厳格な要件を満たした場合です。労働契約書などに「整理解雇ができる」と書かれている場合でも、当然にリストラが認められるわけではないようです。

店舗閉鎖によるリストラは認められるのか

alt 職場の店舗が閉鎖されることに伴うリストラは、有効なのでしょうか。

整理解雇について


相談者の疑問
エステサロンで働いていた者です。

9月29日に口頭+予告手当と共に解雇を言い渡されました。納得できないので手当ても受け取れませんと言いましたが、閉店が理由で店がなくなるんだからと押しきられました。

ただ、うちの会社には2店舗あり、もう1店舗は継続するとのこと。もう1店舗には従業員が3人いて私がいた店舗には私1人でした。

不当解雇にはならないのでしょうか?


佐久間 大輔弁護士
人員削減の必要性については、店舗閉鎖が事実であり、その理由が銀行融資が打ち切られたことによるものであって、融資がなければ店舗経営ができない、他店舗ではもう1人の従業員を就労させることができないといった事情があれば、肯定する方向に働きます。

現実には店舗閉鎖をしないのであれば、会社全体の収支や借入の状況などにもよりますが、人員削減の必要性がないということになります。

店舗閉鎖により人員削減が必要であるとしても、整理解雇をする前に賃金や役員報酬の削減、労働時間短縮、希望退職募集といった解雇回避努力をしなければ、整理解雇の必要性は認められません。

閉鎖する店舗の従業員を整理解雇の対象にすることは一応認められるとしても、他店舗への配置転換が可能でしたら、全従業員を対象とすべきですし、意見具申をする従業員を嫌悪したというのであれば、人選の合理性は認められません。

店舗が閉鎖になるという理由でも、会社自体が存続していて他の店舗への配置転換が可能であれば、一概にリストラが有効になるとはいえないようです。

事業廃止によるリストラは認められるのか

alt 会社の事業廃止に伴うリストラは認められるのでしょうか。

整理解雇。これは期限までにサインしないとダメなのでしょうか?


相談者の疑問
親会社からの子会社の事業停止に伴い、子会社の全社員が解雇されるのですが、会社側は今回は事業停止による解雇なので整理解雇ではないという判断を言われているのですが、これは妥当なのでしょうか?

退職金制度がない会社なのですが、今回は給与6か月分をだしていただけるのですが、その際に事業廃止による退職勧奨にサインしてくださいといわれています。

その期限も退職日の2か月前に設定されており、それにサインしないと解雇通告をせざるおえないと言われております。

退職日にサインすることはできないのかと確認したのですが、それは拒否されました。これは期限までにサインしないとダメなのでしょうか?退職金の給与の6か月分というのは一般的には妥当なのでしょうか?


好川 久治弁護士
グループの事業再編のために事業を廃止して従業員を解雇するわけですから整理解雇でしょう。

ただ、事業廃止というのは必要性が高いケースですから、一般的には整理解雇が認められやすいという事情にはなります。

解雇回避のための努力をどの程度したか、という点が問題となりそうですが、グループ会社への再就職のあっせんや就職支援などの努力と、再就職までの給与の補償をおこなっていれば解雇が有効となる可能性が高いです。

割増退職金の6か月というと許容される範囲の水準でしょう。

事業廃止は解雇の必要性が認められやすく、退職金を割増するといった一定の補償がされていれば、リストラが有効となる可能性が高いようです。

まとめ

リストラが有効になるには厳格な要件を満たす必要があり、そうではないリストラは無効です。 店舗が閉鎖になるという事情でリストラされても、会社自体が存続していて配置転換が可能であれば、無効となる可能性があるでしょう。 事業廃止など、リストラの必要性が高い事情がある場合は、会社が労働者に対して一定の補償などを行っていれば、リストラが有効とされる可能性があるようです。

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