休憩時間

弁護士監修記事 2019年04月01日

【弁護士Q&A】待機を求められ眠れない仮眠時間は給料を請求できる?

長時間勤務がある職場では、一定の仮眠時間が設けられている場合があります。しかし、実態としては仮眠をとることができず、業務に拘束されているケースもあるようです。 このような場合、仮眠時間も労働時間にあたるとして、会社に賃金を請求することはできないのでしょうか。 みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 眠れない仮眠時間は労働時間になる?
  2. 仮眠時間が労働時間にあたるとき賃金を請求できる?
  3. まとめ

眠れない仮眠時間は労働時間になる?

alt 仮眠時間が設けられていても、トラブル対応のために待機が義務付けられているなど、実務上は仮眠できない状況の場合、労働時間として、その時間分の賃金を請求できないのでしょうか。

労働基準法について。


相談者の疑問
私の職場は24時間勤務です。

そのうち休憩時間は8時間半、仮眠時間は4時間で残りの4時間半は3回位に分けてとりますが、この休憩時間はトラブル対応のために待機が義務づけされています。

トラブルがなければテレビを見ていてもお茶を飲んでいてもいいのですが、仮眠はできません。

このような休憩時間は休憩になりますか?


鈴木 祥平弁護士
一般論として「仮眠時間」というのは、「仮眠室で睡眠などをとることは認められているが、緊急事態などの一定の事態が発生した場合には、直ちに対応して作業などを行うことが義務付けられている時間」のことを言います。

仮眠時間中は実作業に従事していないことから、仮眠時間を休憩時間とする取扱いをしている会社がほとんどです。

しかしながら、仮眠時間中は、仮眠室などの一定の場所で待機することを義務付けられ、何らかの事態が発生した場合、即座に対応に当たることが予定されており、「完全に労働から解放されることを保障された自由な時間」(=休憩時間)とはいえません。

ですから、「仮眠時間」は、「休憩時間ではなく待機時間とみなされ、労働時間に該当する」と判断されることがあります。

行政解釈でも「休憩時間」について、「単に作業に従事しない手待時間は含まず、労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間の意であって、その他の拘束時間は労働時間として取り扱うこと」とされています。

最高裁判所の判例においても、24時間勤務(途中2時間の休憩と、連続8時間の仮眠時間が設けられていた)のビル管理会社の従業員の仮眠時間について、外出が原則として禁止され仮眠室で待機することが必要だったことに加え、電話応対や警報が鳴った際の対応が義務付けられていたことから、全体として労働からの解放が保障されているとはいえず、休憩時間ではなく労働時間に当たると判断されたことがあります。

過去の判例などによると、表向きは仮眠時間とされていても、外出ができず、電話などの対応が義務付けられているようなケースでは、労働時間にあたるとされたこともあるようです。

仮眠時間が労働時間にあたるとき賃金を請求できる?

alt 仮眠時間が労働時間にあたる場合、その時間分の賃金を会社に請求できるのでしょうか。

休憩時間中の拘束


相談者の疑問
1か月単位の変形労働時間制のビジネスホテルで夜勤をしています。

夜勤の拘束時間は17時から翌朝10時までで、そのうち3時間の休憩時間(仮眠時間?)があります。

休憩中は基本事務所から出ることは許されず、出かける際には外出許可証が必要になり、仮眠も事務所内にあるベッドを使って眠っています。

何か起きればすぐに対応できるように、という理由でここまで事務所に拘束されているにもかかわらず、休憩時間としてきっちり計算されています。拘束している時間を含めると、間違いなく法定労働時間を超えてしまいます。

経営者側としては知ってか知らずか、それが当たり前だと言い張っている状態なのですが、時間外労働分を請求することは可能でしょうか。


波多野 進弁護士
典型的な手待ち時間(労働時間)と思われます。時間外割増賃金を請求できると思います。

在職中に請求すると報復される可能性が高いので、実際にはよほど好条件がそろっていなければ別ですが、原則は退職してからになることが多いと思います。

証拠の確保が非常に重要で、タイムカードは事実に沿った形できっちり打刻する、デジカメ、写メールなどでタイムカードを取っておく、出勤した時刻業務終了した時刻を手帳に日々記載する、携帯メールで会社の時計の写真を撮る、帰るメールを送る、PCのログの記録やファイルの更新時刻などの記録を確保しておくなどの自衛手段を講じておくのがいいと思います。

タイムカードが綺麗に揃っていなくても請求は可能です。

仮眠時間が労働時間にあたる場合、時間外割増賃金を請求することができるでしょう。 請求するにあたっては、労働時間を証明する証拠が必要です。タイムカードの他、メール送信履歴やパソコンのログなども証拠になるでしょう。

まとめ

仮眠時間であっても、事務所内に拘束されたり、一定の業務が発生しているような場合は、労働時間として認められ、時間外割増賃金の対象となる可能性があるそうです。 請求するときに備えて、タイムカードなど、労働時間を証明する証拠を確保しておきましょう。在職中に請求すると会社と対立する可能性があるので、一般的には退職するタイミングで請求することになるようです。

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