就業規則

弁護士監修記事 2019年03月29日

【弁護士Q&A】就業規則の不利益変更に労働者が従う必要はある?

労働者は会社が定めた就業規則に従って仕事をする必要があります。では、就業規則が労働者にとって不利益な内容に変更された場合でも、従う必要はあるのでしょうか。 みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 就業規則の変更には従わなければならない?
  2. 就業規則の不利益な変更が有効になることもある?

就業規則の変更には従わなければならない?

就業規則が、従業員にとって不利な内容に変更されたとしても、従わなければならないのでしょうか。

就業規則変更について


相談者の疑問
現在、勤務時間8:30~18:00、日曜日休み、土曜日は祝日がなかった週は休みという労働条件で働いております。

今後、月曜日~土曜日出勤、週休1日となり、その分休憩時間が増えることになるようです。

ただ、現状、人手不足でまともに休憩時間が取れたことがありません。今後、人が増える予定もありません。

このような状況で、休日が減り、休憩時間が増えて拘束時間が長くなる就業規則変更は、法律上問題はないのでしょうか?


佐久間 大輔弁護士
労働契約法は、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合などとの交渉の状況その他の事情に照らして不合理なものであるときは、変更の効力を有しないと定めています。

週休が2日から1日に減少すること、休憩時間の増加により1週間の拘束時間が増加すること、それに伴い残業代も減少するというのであれば、労働者に不利益があるといえます。

土曜日も出勤日とするとの業務上の必要性が不明ですが、その意図が残業代の減少にあるのであれば、就業規則の変更の必要性はありません。

また、週休2日制が普及している現在、1週間の拘束時間を増加させてまでして土曜日も出勤日とすることは社会的に相当であるとはいえません。

このように必要性がなく、相当でもない就業規則の変更により、残業代も減少するのであれば、労働者の不利益の程度は大きいといえます。

しかも、使用者が一方的に就業規則を変更し、その必要性を十分に説明せず、不利益を緩和する措置も講じないのであれば、変更は無効となる可能性があります。

就業規則の変更が無効になると、従前の勤務形態で就労すればよくなります。

就業規則の変更は、労働者が受ける不利益の程度や、変更の必要性などを総合的に考えて、合理的ではないと判断されば無効となる可能性があります。 無効となった場合は、就業規則の変更は適用されず、従来の条件のまま働くことができます。

就業規則の不利益な変更が有効になることもある?

就業規則の不利益な変更が、有効となることはあるのでしょうか。

会社よりの一方的な就業規則変更通知について


相談者の疑問
年始に会社より就業規則の変更というメールが来て、年明けから施行すると書いてありました。

会社に労働組合はありません。その場合、従業員代表と話合いを設け意見文を労働基準局に届けなければならないという労働基準法があったと思いますが、代表者の選出も話合いも行われておらず、社長の名前で一方的に送られてきています。

変更内容は従業員不利益が含まれていますが(賞与の支給はしないことがある、病欠時は病院の診断書必須など)、その場合の施行は有効でしょうか。従業員としての対抗処置はないのでしょうか。


岡田 正樹弁護士
1.就業規則の不利益変更は、原則として無効です。しかし、個別労働者の同意がある場合、そして合理性がある場合には無効とはされません。

2.労組がない場合で少人数の会社の場合には個別に同意を取り付けてしまう恐れがあります。その場合には、あなただけが浮き上がった存在となることを懸念します。

3.そして、合理性のある場合とは、

> 賞与の支給はしないことがある、病欠時は病院の診断書必須など

という不利益と考えられる条項以外に、時短を認めるとか労働者に有利となる条項も抱き合わせになっている場合と、賞与の支給について業績不振からやむを得ない事情変更による合理性が認められる場合です。

不利益な変更だとしても、不利益を和らげるための救済措置や代替措置が講じられている場合や、会社の業績不振を理由とするやむを得ない変更の場合は、一定の合理性があるため、有効となる可能性があるでしょう。

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