降格・減給

2019年03月08日

【弁護士Q&A】会社が一方的に従業員の給与を減額することはできるのか

会社から一方的に減給することを通知されたり、人事異動や降格に伴って減給された場合、従うしかないのでしょうか。「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 会社からの一方的な減給は認められるのか
  2. 降格を理由とする減給は認められるのか

会社からの一方的な減給は認められるのか

会社から減給すると一方的に通知され、新たな雇用契約書にサインするよう求められたーー。このような場合、会社の要求に応じる必要はあるのでしょうか。

給与減額、引き下げ、改定の有効性


相談者の疑問
自分が現在勤務している会社の課長から、給与を下げたいという話がありました。

新しい雇用契約書を渡されましたが、減額なのか、給与計算方法の変更なのかはっきりと記載がありません。就業規則の変更による減額ではないと思われます。まだ契約書にはサインをしておらず、提出もしていません。

この場合の減額は有効になるのでしょうか?


徳田 隆裕弁護士
会社が就業規則を変更していないのであれば、給料の減額について、労働者が同意しない限り、会社が勝手に給料を減額することはできません。

給料が減額される新しい雇用契約書にサインしていないのであれば、給料の減額は無効になります。

給料の減額について、労働基準監督署に相談するのはいいと思います。

就業規則の変更がなければ、労働者自身が同意しない限り、会社が一方的に減給することはできないようです。

降格を理由とする減給は認められるのか

降格したことを理由に、会社から減給を通知された場合、従業員が同意しなくても減給されてしまうのでしょうか。

説明なしの給与減額について


相談者の疑問
数か月前、仕事の悩みから鬱になり、1日ほど会社を休みました。内服薬の効果もあり、2週間程で、以前と同じような仕事もできるようになり、少しづつ業績も上向き傾向でありました。

それからしばらくして人事異動を告げられ、何の説明もなく、降格と給与の減額を言い渡されました。20%の減額です。

このまま受け入れるしかないのでしょうか?


佐久間 大輔弁護士
人事権の行使としての降格は、懲戒処分の場合と異なり、使用者の裁量に委ねられており、就業規則や労働協約の根拠規定がなくても可能です。

人事権といっても、その発生根拠は労働契約に求められますから、就業規則に合理的な規定があり、かつ周知されていれば、そこに定められている要件と効果を充足しなければなりません。

特段の規定がない場合でも、人事権の行使は、あくまで労働契約の範囲内に限られるものであり、また、権利の濫用にあたる場合には無効となります。

権利の濫用にあたるかは、業務上の必要性、不当な動機・目的、労働者の不利益という事情が認められるかどうかが問題となります。

うつ病を発病したとしても、1日欠勤した後は出勤して最低限の業務を行い、2週間後には内服薬の効果により以前と同じような仕事ができるようになり、少しづつ業績も上向き傾向であり、他に業務で失敗したわけではないということでしたら、業務上の必要性が認められるのかが疑問です。

仮に必要性があったとしても、降格に伴い賃金減額がなされるのであれば、その金額によっては不利益の程度が著しいということもありますが、20%の減額は不利益が大きいともいえます。

また、降格と配置転換により職場環境を悪化させて退職させる意図があるとしたら不当な動機・目的が認められます。このような事情があれば、降格と配置転換が権利濫用として無効になることがあります。

就業規則には降格に伴う給与について規定されていないのであれば、降格と賃金減額が連動していないのですから、労働者の個別同意がない限り当然に賃金減額をすることは許されません。

仮に降格と賃金減額が連動していたとしても、減額割合が20%というのは労働者にとって不利益が大きいですから、賃金減額も権利濫用として無効になる可能性があります。

降格を理由とする減給が就業規則に規定されている場合は、減給が認められる可能性もありますが、大幅な減給は権利の濫用として無効になる可能性があるでしょう。

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