契約社員

弁護士監修記事 2019年03月08日

契約社員が途中退職するとき会社に違約金支払う必要ある?【弁護士Q&A】

契約期間が決まっている契約社員が、契約期間中に退職することはできるのでしょうか。

  • 契約期間が終わる前でも退職できるのか
  • 契約期間中の退職が認められる「やむを得ない事由」とは
  • 違約金を支払う義務はあるのか

これらの疑問について「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 契約期間途中でも退職できる?
  2. 契約期間中に退職するための「やむを得ない事由」とは
  3. 違約金を求められたら支払う必要ある?

契約期間途中でも退職できる?

契約期間があらかじめ決まっている場合でも、契約期間中に退職することはできるのでしょうか。

契約社員の途中退職について


相談者の疑問
1年契約の契約社員として働いています。

退職に関する事項の欄に、自己都合退職の手続きとして、「退職する30日以上前に届け出ること」と書いてあります。

働き始めて半年ですが、契約期間中でも会社の了承を得ずに一方的に辞められるのでしょうか。


原田 和幸弁護士
中途で辞められる約束がないと、基本的には期間満了まで辞められないのが原則です。

会社の了承を得るか、やむを得ない事由が必要になります(民法628条)。

原則としては、契約期間満了までは退職できないようです。 どうしても退職したい場合は、会社に了承してもらうか、「やむを得ない事由」が必要になるようです。

契約期間中に退職するための「やむを得ない事由」とは

「やむを得ない事由」とは、具体的にどのようなことなのでしょうか。

契約社員の契約について


相談者の疑問
契約社員で働いています。10月1日に来年3月までの契約をしましたが、11月中に退職届けを出しました。退職理由は、面接と全く違う勤務内容だったからです。仕事に追われて身体が悲鳴をあげています。

契約期間満了前に退職届けを出すと、契約違反になりますか?


徳田 隆裕弁護士
契約社員が、労働契約の契約期間の途中で、会社を辞めることは原則としてできません。

もっとも、民法628条により「やむを得ない事由」がある場合には、直ちに会社を辞めることができます。

「やむを得ない事由」とは、具体的には、採用条件と実際の労働条件が著しく異なる場合、パワハラを受けた場合、常に長時間労働が強いられている場合などです。

ご相談の内容によりますと、面接時の勤務内容と実際の勤務内容が著しく異なっている可能性がありますし、長時間労働が原因で体が悲鳴をあげている可能性がありますので「やむを得ない事由」があると判断される可能性があります。

その場合、直ちに会社を辞めても問題はありません。

突然、会社を辞めることになり、会社に迷惑をかけることになるかもしれませんが、そのことで会社から損害賠償請求されることは通常ありません。

ご自身の健康を第一に考えて、これ以上働くのは無理と判断したなら、退職届を出して、以後、出勤しないようにしてください。

たとえば、次のような状況にあてはまる場合に、やむを得ない事由にあたるとして、契約期間中の退職が認められる可能性があるようです。

  • 事前に聞いていた労働条件と著しく異なる
  • パワハラを受けた
  • 常に長時間労働を強いられていた

違約金を求められたら支払う必要ある?

退職が認められても、会社から違約金を請求されるケースもあるようです。支払う必要はあるのでしょうか。

契約社員、契約期間中に出産のため退職。途中解約違約清算金を支払わなければならないでしょうか?


相談者の疑問
契約社員として2018年5月末まで勤めていた勤務先から6月末に途中解約違約清算金、との名称でお金を請求されました。

毎年3月に更新しているため確かに途中解約となります。

「契約期間中の契約解除」については契約書に下記の通り記載されています。

「やむをえない事情で、契約期間中に勤務継続が困難となった場合は、速やかにその旨申し出、指示を仰がなければならない。勤務終了時から契約期間終了時までの月数分の、平均給与の20%を支払うものとする。但し、甲(会社)が認めた場合は、この限りではない」

7月下旬に出産予定につき、5月末の退職に向け、事前に会社にも退職の意向を伝えていましたが、特に違約金の話にはなりませんでした。

支払わなければならないのでしょうか?


下大澤 優弁護士
本件違約金請求は違法であると思われます。

まず、契約期間満了前の退職につき、退職から契約期間までの賃金月額の20%を支払う旨の約定は、損害賠償額の予定に該当し、労基法違反と評価される可能性があります。

(一律の違約金が違法であるとして)次に、期間の定めのある雇用契約を中途解約する場合において、労働者に過失がある場合には使用者が被った損害の賠償義務を課せられることはあり得ますが、この場合の損害は実損害に限定されます。

つまり、中途解約により被った実損害額につき、使用者側が立証を行う必要があるのです。
この点、そもそも、中途解約により被った実損害を立証することは困難です。

請求に応じる必要性は低いかと思われますが、ご不安な場合には、一度弁護士とご面談の上アドバイスを受けることをお勧めいたします。

違約金を契約などであらかじめ決めておくことは労基法違反にあたる可能性があるようです。 そうした場合、支払いに応じる必要はないといえるでしょう。

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