退職勧奨

弁護士監修記事 2019年02月12日

退職強要を受けて退職する場合に請求できる費目と金額の目安

上司などから退職するよう勧められること(退職勧奨)は、必ずしも違法な行為ではありません。 しかし、退職勧奨が行きすぎると、退職強要として違法な行為と考えられる可能性があります。 具体的に、どのような行為が退職強要といえるのでしょうか。退職強要を受けてやむを得ず退職することになった場合、会社に対して、慰謝料などを請求できるのでしょうか。 みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 退職強要になるのはどんなケース?
  2. 逸失利益とは?
  3. まとめ

退職強要になるのはどんなケース?

alt 退職勧奨が違法な退職強要となるのは、具体的にどのような場合なのでしょうか。

上司に仕事を辞めるように言われています。退職勧奨


相談者の疑問
就職してまだ2か月目になりますが、先日仕事中にケガをしてしまいまして、労災認定され、休業しております。

ところが上司から連絡がきて、「そんなんで休むやつなどいない」「お前はこの仕事に向いていない」「やる気があるなら出てこい」などと言ってきました。

また、「お前の変わりに1人新人を雇った。そいつがお前が休んでいることに腹をたてている。お前が仕事に戻ったら刺されるかもしれないぞ。その場合は俺は責任とれないからもう辞めた方がいいぞ」「みんな戻ってくるなと言っている」などと、少し脅しを交えて自分から辞めるように言ってきます。

私もこのように言ってくる職場ではもう働きたくないと思っております。

この場合法的手段はとれるでしょうか?また損害賠償などもできるでしょうか?


吉田 英樹弁護士
退職勧奨自体は、違法ではないとされておりますが、社会的相当性を逸脱した態様での執拗な退職強要は不法行為となることもあります。

ケースバイケースですが、今回のケースであれば、これにあたる疑いもありますので、一度弁護士に面談相談されてみてもいいように思います。

また相手方の言動などは、音声記録化されておかれるべきと思います。

慰謝料としての損害賠償額は、それほど多額とはいえませんが認められる可能性もあります。そのほか、退職を余儀なくされた場合には例えば半年分の賃金など、逸失利益を請求できる場合もあります。

上記のケースでは、社会的相当性を逸脱した態様での執拗な退職強要として不法行為となる可能性があるようです。 会社に対して損害賠償請求をする場合には、実際に退職強要を受けたことを証明するための証拠が必要です。退職を迫られたときの状況を録音しておきましょう。

逸失利益とは?

alt 退職強要を受け、退職せざるを得なくなった場合、会社に対して慰謝料や逸失利益を請求することができます。どのくらい支払ってもらえるのでしょうか。

パワハラによる退職の逸失利益賠償の計算


相談者の疑問
パワハラにより、退職を余儀なくされ、訴訟を考えています。逸失利益賠償の計算定義がインターネットで調べる限りではまちまちなのですが、逸失利益の請求理由と算定根拠はどのように考えればよいのでしょうか。


好川 久治弁護士
不法行為ないし雇用契約上の義務違反と退職との間に因果関係がある場合に退職による逸失利益の損害賠償が認められます。

6か月+慰謝料1か月程度が認められることが多いと思いますが、これは再就職までに通常要すると見込まれる期間を前提に裁判所の心証で決められることです。

年齢が若く、スキルも高い人なら再就職までの期間も短くてもよいですが、年齢が高く就職活動に相応に期間を要する場合には長くなるということで考えている傾向があると思います。失業保険の受給期間もだいたい同じような期間ではないかと思います。

退職せずにその会社で働いた場合に得られた賃金のことを逸失利益と言います。逸失利益の請求が認められた場合、金額は賃金6か月分と、慰謝料として1か月分程度が1つの目安のようです。 最終的な金額は、その人の年齢や再就職までにかかる期間などを総合的に考慮して判断されることになるようです。

まとめ

退職勧奨を受けたというだけでは、必ずしも違法な行為とはいえませんが、脅しを交えるなどして、執拗に退職を迫ることは、違法な退職強要にあたる可能性があります。 退職強要によって退職せざるを得なくなった場合は、慰謝料や、退職せずに働き続けた場合の賃金(逸失利益)を請求することができます。 逸失利益がどのくらい認められるかは、その人の年齢や再就職までにかかる期間などを考慮して判断されるでしょう。

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