セクハラを受けてうつ病に…労災と認められるための基準は【弁護士が解説】

上司や同僚からセクハラ発言を浴びせられたり、体を触られたりするなどして、うつ病などの病気にかかった場合、労災認定は受けられるのでしょうか。 みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. セクハラでうつ状態に…エスカレートを防ぐためにできることは
  2. セクハラが労災と認定される基準
  3. まとめ

セクハラでうつ状態に…エスカレートを防ぐためにできることは

alt 職場でセクハラを受け続け、わけもなく涙が出るなど、精神的に不安定になってしまったーー。このような場合に、セクハラがエスカレートすることを食い止め、精神状態の不安定さを悪化させないために、どうすればよいのでしょうか。

職場の飲み会にて上司からセクハラ

相談者の疑問 当方地方公務員として働いております。独身です。数か月前より、職場の飲み会にて上司より「オレの女」や「キミは女なんだから」などの発言を飲み会の席にて言われます。

このような発言が続くと考えると気分も滅入り、ここ最近涙がよく出る。うつ状態です。

1.今後このような行為がエスカレートしセクハラとして訴えようとした場合、法的な対策としてはどのようなことが考えられるでしょうか?

2.心療内科の通院などで労災認定はされるのでしょうか?

田邉 一隆の写真 弁護士の回答田邉 一隆弁護士 1.すでにセクハラ行為が繰り返されているようですので、エスカレートするのを待たずに、庁内のセクハラ対策窓口などに相談するのがよいのではないでしょうか。また、今後飲み会などに参加する場合は、常に録音して証拠を保全するように努めてください。

2.業務による強い心理的負荷が原因で認定基準の対象となる精神障害が発症した場合で、業務以外の心理的負荷や個人の要因によって発症したと認められない場合は、労災認定がなされます。詳しくは心療内科の先生に相談してください。

対策として、職場のセクハラ対策の窓口などに相談することが考えられます。セクハラが実際に行われたことを証明するために、発言などを録音して証拠を確保しておきましょう。 セクハラが原因で精神障害を発症したと判断されれば、労災認定を受けられる可能性があります。

セクハラが労災と認定される基準

alt セクハラが原因でうつ病などの精神障害を発症した場合、労災認定を受けられる可能性があるようです。どのようなケースで労災と認められる可能性があるのでしょうか。

セクハラ加害者がセクハラを否定したら労災認定は難しくなりますか??

相談者の疑問 現在うつ病で休職中です。労災の申請中で今は結果待ちです。原因は管理者からのセクハラです。

お互いに既婚者ですが、1年前から「好き、触りたい、愛してる」などのメールが頻繁に送られてくる。会社の死角で手を握る、腰、尻を触る、尻を叩くなどです。

日記とメールの保存を労基署に提出し、会社の同僚に証言をしてもらいましたが、管理者本人がセクハラを否定したら不認定の可能性が高くなるでしょうか?

影山 博英の写真 弁護士の回答影山 博英弁護士 精神障害に関する労基署の労災認定は、所定の認定基準に基づいて行われます。認定基準では、心理的負荷の強度が「強」とされる出来事が認められることが労災認定の要件とされています。

セクハラに関しては、胸や腰などへの身体接触を含むセクハラが継続して行われた場合や、性的な発言によるセクハラが継続してなされ、かつ会社が把握しながら適切な対応を取らず、改善されなかった場合、などが心理的負荷「強」の出来事にあたるとされています。

以上から、「手を握る、腰、尻を触る、尻を叩く」等の身体接触が継続してなされた事実が認定された場合や、労基署が確認できた事実がメールだけであったとしても、メールが継続して送られ、かつ会社が適切な対応をしなかった、といった事情が認められた場合には、労災として認定されることが期待できるといえます。

身体接触の事実について、被害者本人の供述のみで、加害者が否定し、目撃者がいない場合に労基署が事実として認定してくれるかどうかは予断できません。

被害者が被害の当時に同僚や友人に相談している事実などが認められれば、メールに加え、それらの事実を手掛かりとして認定してくれる可能性はあると思いますが、もっぱら被害者本人の供述のみが根拠である場合には、事実として認定されないおそれも充分あると思います。

セクハラの労災認定の基準は、心理的負荷の強度が「強」に該当するかどうかがポイントになるようです。 上記事例のように、身体接触を含むセクハラが継続して行われていて、会社の働きかけによる改善もされなかったような場合には、心理的負荷の強度が「強」に該当するとして、労災の適用を受けられる可能性があるでしょう。

まとめ

セクハラでうつ病などを発症した場合、セクハラの心理的負荷の強度が「強」に該当すると考えられるときには、労災認定を受けられる可能性があります。 具体的には、胸や腰などへの接触や、性的な発言を含むセクハラが継続して行われていて、会社が改善の措置を取らなかったケースが該当すると考えられるでしょう。 実際にセクハラが行われていたことを証明するために、セクハラ発言を録音しておきましょう。同僚や友人に相談していたという事実も証拠の1つとなりえます。

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