育休復帰後、夜勤あり・休日不規則な職種への変更命令 これってマタハラ?

妊娠や出産、育児などを理由に、職場で嫌がらせをされるなど不利益な扱いを受けることを、マタハラといいます。

  • 産休に入る時期の希望を伝えたのに、聞き入れてもらえなかった
  • 育休からの復帰後、夜勤があり休日も不規則な条件の職種に変更になった

この記事では、「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に、具体的にどのようなことがマタハラにあたるのか、マタハラを受けた場合どうすればよいのかを解説します。

目次

  1. 産休に入る時期の希望を聞いてもらえなかったら
  2. 育休から復帰後に、不規則な労働条件の職種への変更を命じられたら
  3. まとめ

産休に入る時期の希望を聞いてもらえなかったら

alt まず紹介するのは、希望する時期よりも早く産休に入るよう指示されたというケースです。マタハラにあたるのでしょうか?

マタハラか被害妄想か

相談者の疑問 妊娠後、上司から呼び出され、「産休・育児休暇はいつから入るつもりか?」と聞かれたので、希望としては7月いっぱいまで働いて、8月からは有休消化をしたいと伝えました。

すると、「次の引継ぎも決まっているので産休に早めに入って下さい」「今している仕事も次の引継ぎの人に全部渡して下さい」と言われました。

早めに産前休暇に入ると収入面が不安なので、7月までは働きたいと伝えましたが、その場では取り合ってはもらえませんでした。

その後も、上司からは暴言を吐かれたりしたので、会社の内部通報に伝えましたが、会社からは何の回答もありません。

社内で上司を見るだけで動悸がしてきます。私がされたことはマタハラにあたるのでしょうか?

野澤 裕昭の写真 弁護士の回答野澤 裕昭弁護士 マタハラとは妊娠出産などに起因して女性労働者に不利益な取り扱いをすることを言います。雇用の分野における男女の均等機会および待遇の確保等に関する法律第9条は、妊娠、出産を理由とする不利益取り扱いの禁止を規定しています。

例えば、妊娠出産を契機に軽易な作業に変更し降格するなどがこれにあたります。

貴方の場合、早期に休業させようとしていること(就業拒否ともいえる)、仕事を全部引き継ぐとして仕事を変更しようとしていることが不利益な取り扱いとなるかが問題となります。

前者は、明らかに不利益な取り扱いだと思います。

後者ですが、引き継いだ後、復帰した時従前の仕事に就かせるのかどうか、ご質問内容では不明瞭です。

もし、出産前の仕事を取り上げるのだとしたら、不利益取り扱いになる可能性があると思います。

上司から早期に産休に入るよう言われたことは、労働者に対する不利益な扱いにあたると考えられ、マタハラといえるでしょう。 「仕事を全て他の人に引き継がせる」と言われたことについては、産休・育休を終えて復職した後の状況によってはマタハラになる可能性があるようです。 復職後、出産前の仕事をさせてもらえない場合は、不利益な取り扱いとして、マタハラにあたるといえそうです。

育休から復帰後に、不規則な労働条件の職種への変更を命じられたら

alt 次に、育休から復帰した後に、不規則な労働条件の職種に変更を命じられたケースを紹介します。

育休明けの解雇及び配置転換

相談者の疑問 4月中旬、育休終了直前(5月より復帰予定で了解は得ていました)に突然呼び出され、整理解雇されました。

私の所属している部門の不採算が否めないためものことでした。しかし、私と同職の方が4月から就職しています。労基の指導により解雇は撤回されましたが、配置転換の辞令を送付してきて、7月より違う職種での勤務を命ずると書いてありました。

新たな職種は夜勤、早出、遅出があり、休日も不規則になります。今までは、残業もない職種で、休日も土日祝でした。

子どもも幼く、応じることが不可能な労働条件なんですが、これは、マタハラ、パワハラではないのでしょうか?

影山 博英の写真 弁護士の回答影山 博英弁護士 育児介護休業法10条は「事業主は、労働者が・・・育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない」と定めています。

ご質問の配転命令は、同条に違反する「不利益な取扱い」として無効と評価される可能性があります。

事業主に命令の撤回を求めても応じない場合は、弁護士に依頼して法的措置を取ることのほか、労働局の紛争調整委員会の調停を申請することなども考えられます。

この事例のように、子どもを育てながら働くには厳しい条件の職種に変更になったことは、不利益な取り扱いとして、マタハラにあたると考えられるでしょう。 職場に命令を撤回するよう求めても応じてもらえない場合は、弁護士などの専門家や労働局(厚生労働省が管轄する国の機関)に相談することを検討してもよいでしょう。 労働局の調停という手続きを利用すると、弁護士や社会保険労務士など、労働問題の専門家が、あなたと職場の間に入り、それぞれの意見を聞きながら、トラブル解決に向けて交渉を進めてくれます。

まとめ

「産休に入る時期の希望を聞き入れてもらえなかった」「育休からの復帰後、休みに入る前にしていた仕事をさせてもらえなくなった」「育休からの復帰後、子どもを育てながら働くには厳しい条件の職種に変更を命じられた」。 このような職場の対応は、労働者にとって不利益な扱いと考えられ、マタハラにあたるといえるでしょう。 職場に対して、休職に関する権利を主張したり、命令を撤回するよう求めたりしても、対応してくれない場合は、弁護士などの専門家に相談することを検討してもよいでしょう。 労働局(厚生労働省が管轄する国の機関)に相談してあなたと職場の間に入って交渉してもらうことも、1つの対処法として考えられます。裁判よりも手続きが簡単で早期解決を目指すことができ、費用もかからないといったメリットがあります。

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