全額保証。こんな事は許されるんですか?

私は派遣会社の準社員として派遣先の工場で働いているのですが、派遣先の都合でしばらく休みになってしまい、派遣先は6割保証という事でしたが、私は固定給でやっているので、会社(派遣元)の所長に確認を取るとちゃんと全額保証しますと言うことでした。ですが今年1月に入った給料は保証されておらず、電話すると2週間後に本社から不足分が振り込まれたのですが、給料日一週間前の今日になって会社の所長が来てやはり6割保証になりますと本社に言われましたと言ってきました。ついでに先月振り込まれた不足分は今月分から引くとの事です。先月は派遣先の都合で三週間休みのうえ、不足分で振り込まれた金額も引かれ、マイナスになるので給料はゼロになると言われました。こんな事は許されるんですか?
本社が処理をして不足分を振り込んだということは全額保証を認めた事ではないんでしょうか?
2013年02月18日 01時06分

みんなの回答

鈴木 祥平
鈴木 祥平 弁護士
労働問題に注力する弁護士
ありがとう
【質問】
給料日一週間前の今日になって会社の所長が来てやはり6割保証になりますと本社に言われましたと言ってきました。ついでに先月振り込まれた不足分は今月分から引くとの事です。先月は派遣先の都合で三週間休みのうえ、不足分で振り込まれた金額も引かれ、マイナスになるので給料はゼロになると言われました。こんな事は許されるんですか?

【回答】
結論から言うと、そのような処理は許されません。
あなたは、派遣元企業との間で派遣労働契約を締結しています。労働契約のように使用者が賃金を支払い、労働者側が労働力を提供するというお互いに債務を負う契約を双務契約といいますが、双務契約において、一方の債務が履行不能になった場合には、他方の債務も消滅するのが原則です(法的には、危険負担の債務者主義といいます。)。ですから、労働力を提供することができなくなったら、賃金を支払う債務も消滅するということです。ただ、例外があって、債権者の都合(使用者側)の事情で労働力の提供ができなくなった場合には、他方の債務は消滅しない、すなわち、賃金の支払い義務は消滅しないということになっています(法的には、危険負担の債権者主義といいます。)。ですから、あなたは全額賃金を請求することができます。

おそらく、派遣元の所長さんは、労働基準法第26条「【休業手当】 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」という法規定を根拠にして、6割しかし払わないと述べているのだと思います。

では、危険負担と労働基準法の関係はどうなるのかという専門的な話になってくるので、詳細については説明を省略することにして、労働基準法は罰則を伴う強行法規として「6割は休業保障を支払えよ」と言っているだけで、6割支払えば責任を免れるということを言っているわけではありません。民事責任としては全額支払わなければならないので、全額支払ってもらえると考えていただいて構いません。
(もっと厳密にいうと、危険負担と労働基準法の「責に帰すべき事由」の解釈がことなるので、全額もらえないケースもあるのですが、原則として全額もらえるとお考えいただいて構わないと思います。)

2013年02月18日 02時40分

相談者
鈴木弁護士
ありがとうございます。勉強になりました。
明日、会社の方に伝えてみます。
もし、会社側が支払う意志が無い場合は
どうしたらよいのでしょうか?

2013年02月18日 02時49分

黒岩 英一
黒岩 英一 弁護士
弁護士ランキング 登録弁護士が過去30日における弁護士ドットコム内で行った活動(みんなの法律相談での回答など)を独自に数値化、ランキングしたものです。 長崎県1
ありがとう
労基署に相談されてください。

それでもダメなら、労働審判を申し立てたり、訴訟提起するという方法が考えられます。

2013年02月18日 07時52分

鈴木 祥平
鈴木 祥平 弁護士
労働問題に注力する弁護士
ありがとう
【質問】
会社側が支払いに応じてくれない場合にどうしたらよいか?

【回答】
黒岩先生がおっしゃっている通りで、方法としては①労基署に相談をする、②労働審判を申し立てる、③訴訟を提起するという方法があります。

②と③については「費用対効果」の観点からは、手続が重たいので、労基署からきちんと支払うように言って貰うのが一番いいと思います。弁護士名義で内容証明郵便を送付して「支払わなければマズイ」と思わせるのも一つの手です。

派遣会社としては、「派遣元(派遣会社)が派遣先から6割しか貰っていないのに、派遣元が派遣社員に対して、10割支払うと赤字になってしまう」という考えから、6割ということにしたいのだと思います。

 ただ、派遣先と派遣元の「労働者派遣契約」と派遣元と派遣社員との間の「派遣労働契約」は別契約であり、派遣先から6割しか支払われていなくても、それとあなたの給料が6割にされるかどうかは別問題です。

 本来は、派遣会社が派遣先に10割支払ってくれと言うべきですが、営業上の力関係から言えないのでしょう。4割分の負担について、本来は派遣先企業が負担するべきですが、派遣元(派遣会社)が派遣先企業に「10割支払え」とは言えないのであれば、派遣元(派遣会社)が負担するべきでしょう。

2013年02月18日 14時20分

相談者
鈴木弁護士ありがとうございます。
労働局に問い合わせて見ました。
今の現状難しいとの事でした。

弁護士名義での内容証明を送る場合
費用はどのくらいかかるのでしょうか?

2013年02月18日 14時32分

鈴木 祥平
鈴木 祥平 弁護士
労働問題に注力する弁護士
ありがとう
 内容証明郵便の送付の費用については、事務所によって金額が違うので費用がいくらかかるかという点については、各事務所のホームページ等をご覧頂いて調べて見るのはいかがでしょうか。
 あと、反対給付請求権(賃金請求)の有無の基準は、債権者側に「責めに帰すべき事由」(=故意、過失または信義則上これと同視すべき事由)があるかどうかという点から判断されますが、労基署の判断はこの点から債権者に責めに帰すべき事由がないということなのでしょうか。「現状では難しい」というのは、どのような意味かよくわからないのですが・・・。
 個別・具体的な事情に踏み込んだことになってしまいますので、お近くの法律事務所等で相談をしてみてはいかがでしょうか。

2013年02月18日 14時49分

相談者
鈴木弁護士ありがとうございます。
費用については調べてみます。
労働局は今回の件について
労働基準法に反するかが、判断出来ないとの事でした。一度振り込まれた不足分に対しても
過払い金として引くのであれば問題無いと言われました。

2013年02月18日 14時56分

鈴木 祥平
鈴木 祥平 弁護士
労働問題に注力する弁護士
ありがとう
まず、過払い金(多く賃金を支払ってしまった)が実際に生じるのであれば「賃金債権の相殺禁止の一般原則」(=賃金債権については相殺処理してはダメという原則)の例外として「調整的相殺」ということが過去の最高裁判例においても認められていますので、差し引き処理は可能です。労基署はそのことをおっしゃっているのだと思います。正確に言えば、多く賃金を支払い過ぎた場合には、会社からあなたに対して過払い賃金について「不当利得返還請求権」という債権があるので、その債権とあなたの会社に対する賃金債権を相殺処理をするということになりますが、これは「調整的相殺」といって「賃金債権の相殺禁止の一般原則」の「例外」として許されています。

ただ、それは「過払い賃金」があることが前提です。今回のケースでは、給与の6割だけではなく10割支払ってもらう権利があるわけですから、「過払い金」はそもそも発生していないわけです。ですから、4割分を翌月の給料から差し引くというのは問題があるということです。

ただ、先ほどいった通り、危険負担の債権者主義が適用されるかどうかは、債権者側に「責めに帰すべき事由」(=故意、過失または信義則上これと同視すべき事由)があるかどうかという点から判断されますので、あなたがおっしゃっている「派遣先の都合」というのが具体的にどのような事由なのかをきちんと説明をする必要があると思います。労基署や法律相談に行く場合には、その点を詳しく説明をしてみて下さい。

2013年02月18日 16時45分

相談者
弁護士の方々、皆様の回答を会社の所長に頼み
文章にまとめてもらい、本社に出してもらいました。その結果全額請求出来ること、弁護士の方々が回答して下さった事に対しては、納得した回答が本社からきましたが、それにまた法律をかぶせてきて
本社の結論はかわりませんでした。
異論がある場合は裁判でとの事です。

泣き寝入りするしかないみたいです。

2013年02月19日 22時03分

鈴木 祥平
鈴木 祥平 弁護士
労働問題に注力する弁護士
ありがとう
>納得した回答が本社からきましたが、それにまた法律をかぶせてきて本社の結論>はかわりませんでした。

「法律をかぶせてきて」というのはどのような回答だったのでしょうか。危険負担の債権者主義における「債権者の責に帰すべき事由」がないということであれば、
仕方がないと思われるのですが、それ以外に何か理由があるのでしょうか。

2013年02月19日 22時20分

この投稿は、2013年02月18日時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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