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就業規則の有無確認の方法について

現在4年勤めた、ブラック企業(10人以下の零細企業)を退職しようと考えています。
雇用契約書には細かいことは就業規則に記載があると書かれています。
しかし、就業規則を見たことがありません。
さらに、社員に就業規則のことを聞いたところ、
一回も見たことがない、もしくは「ない」と言われました。

退職届を出すときに、就業規則に沿って退職したいので見せてくださいと聞いても問題ないのでしょうか。
というのも、サービス残業の残業代を請求したいと考えており、証拠固めの一環として聞いておきたいのです。
(勤めるときに残業代はでないといわれています。
 入社後に知ったことはタイムカードはなく、給与明細も残業時間0と書かれています)

ないといわれた時はいいとして、あるから見せるといわれたときに
その就業規則に従わないといけないのでしょうか?
※例えば、裁量労働制の月XX時間残業代込みという記載
※雇用契約書にはそのことは書いてありません。

またそもそも、残業代を請求する予定なら就業規則を見せてほしいと言わない方がいいのでしょうか。
退職を伝えるときの注意点とうあればそちらも含めて教えていただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。
アプロディーさん
2015年05月02日 13時38分

みんなの回答

櫻町 直樹
櫻町 直樹 弁護士
労働問題に注力する弁護士
弁護士が同意1
ありがとう
アプロディー様

 労働基準法では,「常時十人以上の労働者を使用する使用者は,次に掲げる事項について就業規則を作成」(法89条)となっていますので,従業員10名未満の場合は作成していなくても違法とはなりません。

 ですから,アプロディー様の勤務先が就業規則を作成していない可能性はあります(雇用契約書に「就業規則に記載がある」という点とは矛盾しておりますが…)。

 なお,就業規則を作成した場合は管轄の労働基準監督署に提出することになっていますから,労働基準監督署に問い合わせてみるというのもいいかもしれません。

 「退職届を出すときに,就業規則に沿って退職したいので見せてください」と聞くことは,全く問題ありません。
 労基法では,会社は就業規則を「常時各作業場の見やすい場所へ掲示し,又は備え付けること,書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて,労働者に周知させなければならない」とされております(法106条1項)。

 「あるから見せるといわれたときにその就業規則に従わないといけないのでしょうか」という点については,労働契約法に「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において,使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には,労働契約の内容は,その就業規則で定める労働条件によるものとする」と規定されています(法7条)ので,就業規則があっても周知がされていないときには,その就業規則は効力を有しません(従う必要はない,ということになります)。

 「残業代を請求する予定なら就業規則を見せてほしいと言わない方がいいのでしょうか」という点については,上述のとおり就業規則は従業員に周知すべきものですので,特に問題ないと思います(なお,退職時に就業規則を見たいと言ったことで,会社側が「この労働者は残業代請求をするのではないか」と感づくかどうかは,何とも言えません)。

 退職時の注意としては,例えば,近時,何かと理由をつけて退職させないという対応をする会社があると話題(問題)になっておりますが,無期雇用契約であっても,従業員が退職の意思表示をすれば2週間を経過した時点で契約終了(ただし,月給制の場合は当期の前半に退職意思表示が必要)となります(民法627条)ので,会社の言うことに従って退職を引き延ばす必要はありません。

2015年05月02日 14時29分

波多野 進
波多野 進 弁護士
労働問題に注力する弁護士
ありがとう
違う視点からの回答になるかもしれませんが(理屈の問題ではなく)、就業規則に労働者側に有利な条項があることは少ないですし、退職時においてことさら就業規則を確認するメリットは余りないように思います。裁判においては使用者側が周知性があるから使用者にとって都合のいい就業規則の拘束力を主張してくるだけの話ですので。
むしろ重要なのは残業代を請求なさるとのことですので、労働時間を立証できる証拠を万全に固める、確保することに力を注ぐべきと思います。この点は労働問題をよく担当している弁護士に退職前に相談しながらどのような準備をすべきか慎重に考えて行動するということだと思います。

さらに、このような会社の場合、有休取得はほとんどしていないと想像されますので、年次有給休暇を取得して文句を言われない期間(一般的には1か月程度)をおいてから退職してもいいと思います。

2015年05月02日 14時52分

アプロディー さん (質問者)
櫻町先生、波多野先生
ご回答ありがとうございます。

就業規則の件は直接聞いてデメリットが大きいみたいですので
労働基準監督署に提出されているかどうかのみ問い合わせてみます。

お察しの通り、有給は取る取らない以前に10日も出ておりません
なので、余計に就業規則がないと日付指定もできないと考えています。

また、
雇用契約書に「就業規則に記載がある」という点とは矛盾している
ことは問題にはならないのでしょうか?
※雇用契約書自体が無効等
(無効にしたいとかではありません)


証拠はPCログと出退勤時間記録、ここ数ヶ月ですがGPS機能もつけて、退勤時に会社のPCからプライベートアドレスにメール送信を行っております。

2015年05月02日 23時15分

櫻町 直樹
櫻町 直樹 弁護士
労働問題に注力する弁護士
ベストアンサー
ありがとう
アプロディー様

 雇用契約書に「就業規則に記載がある」とされているのに,実際には就業規則が存在しないことの問題点は,労働基準法に定める「労働条件の明示」に反しているというところです。

 すなわち,労基法15条1項前段「使用者は,労働契約の締結に際し,労働者に対して賃金,労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」により,使用者は,労働者を雇用する際に賃金や労働時間等の労働条件を明示する必要があります。

 そして,以下の各事項については,書面で示さなければならないとされています。

(1)労働契約の期間
(2)就業の場所・従事する業務の内容
(3)始業・終業時刻,所定労働時間を超える労働の有無,休憩時間,休日,休暇,交替制勤務をさせる場合は就業時転換(交替期日あるいは交替順序等)に関する事項
(4)賃金の決定・計算・支払方法,賃金の締切・支払の時期に関する事項
(5)退職に関する事項(解雇の事由を含む)

 ここで,「書面で示す」とは,労働条件通知書,雇用契約書に記載するという方法のほか,就業規則において労働条件が具体的に規定されている場合,労働契約締結時に(その労働者に)適用される部分を明らかにした上で就業規則を交付することでもよいとされています。

 したがって,アプロディー様の場合でいいますと,上記各事項について雇用契約書に具体的な記載がなく,「就業規則に記載がある」とされている場合,それらの事項が記載された就業規則が交付されていなければ,労働基準法の求める「書面で示す」という要件を満たしていない,ということになります。

2015年05月04日 15時09分

アプロディー さん (質問者)
櫻町先生
ご回答ありがとうございます。

労働条件通知書があり、詳細は就業規則に記載となっている場合において、就業規則が無い場合には、労働条件通知書に記載されている部分のみの適応しかできないということですね。(書いてみると当たり前のことですが)

そう考えると、やはりかなりの労働基準法違反を行っており、証拠固めをすれば問題なさそうですね。

ありがとうございました。

2015年05月04日 20時02分

この投稿は、2015年05月02日時点の情報です。
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