就業規則の変更(労働時間)について

現在の就業規則に不備が多いとのことで、社労士が就業規則の変更を提案していますが、労働時間の変更に不安を感じ、その対策についてご教示を賜りたくお願いいたします。

下記、就業規則の変更前と変更後の就業時間です。

変更前)
月〜金 9:00〜17:00(休憩1時間)
土   9:00〜12:00(隔週で出勤)

変更後)
月〜金 9:00〜18:00(休憩1時間)
土   なし

変更の目的は、年間の労働時間が一般企業に比べて極端に少ないので法定労働時間まで引き上げるというものですが、実際は残業代を減らすことが狙いです。

変更した場合、1ヶ月の労働時間は14時間程度増え、年間の実労働時間も増えることになりますが、給与面の変更は無く実質的に賃金が下がるように思い、不利益変更であると感じています。

また、週休2日になるとはいえ業務の性質上、土曜の出勤も年間7〜8日(1日5〜6時間勤務)を見込んでおり、代償措置とは思えません。変更前の就業規則は残業代の計算方法が間違っていたため、変更後は1時間あたりの単価が上がるそうですが、これは代償措置となるのでしょうか?

今春には新規採用を行っており、コスト削減についての指示もなく、財務内容が悪化していることもないのですが、この就業規則の変更に合理性は認められるのでしょうか。上司は押し切ると断言しています。

これから従業員を集めて説明会が行われます。意見書にサインはしないつもりですが、事前にどのような対策を講じればよいか、圧力をかけられた場合の対処法、気をつけるべきポイントなどご教示いただけましたら幸いです。

よろしくお願いいたします。
2012年04月15日 03時59分

みんなの回答

村松 由紀子 弁護士
ありがとう
弁護士の村松と申します。

ご質問の事例は、労働時間の延長(週35時間(ないし38時間)から週40時間)にあたるので不利益変更であるとは思います。

ただ、不利益変更であっても、
1 不利益の程度
2 変更の必要性
3 変更内容の相当性
4 代替措置
5 労働組合との交渉の経緯
6 他の従業員等の対応
7 国内における同業他社の一般的状況
に照らし、合理的であると認められる場合は、不利益変更も許されるとするのが最高裁の判例です(最高裁平成9年2月28日判決:第四銀行事件)。

ご質問内容からだけでは、全ての状況がわからないので何とも申し上げられませんが、最終的に、上記の要素から合理性があると認められれば、従業員や労働組合の同意がなくても就業規則の変更は有効となるので、ただ反対するだけではあまり意味がないのではないかと思われます。
(従業員の大多数が反対の意思を表明するのであれば多少は違ってくる可能性もありますが)。

判例が代替措置を一つの考慮要素としていることから、賃金が実質的に引き下げになる代わりに他の労働条件の改善を求めることも一つの方法ではないかと思います。

なお、労働時間の延長については、従来週休1日であったのを週休2日にした上で、1日あたり25分の延長を行った事例について、不利益変更であるが合理性があると判断した最高裁の判例(最高裁平成12年9月22日判決:函館信用金庫事件)も参考になると思いますので参照されてはいかがでしょうか。
(この判例では、週休1日が週休2日になり、休日が増えたことを労働者側にとって一つの利益であると判示しています)

2012年04月15日 12時18分

相談者
村松先生、ご回答くださりありがとうございました。

私の職場は労働組合もなく少人数のため、大多数の従業員が反対の意志をもって表明するということも難しく最終的には受け入れざるを得ない状況になるのではないかと思われます。

第四銀行事件の判例の要素と照らし合わせ、
従業員が納得のいく説明と実質的な賃金の引き下げに代わる労働条件の見直しについて求めたいと思います。

函館信用金庫事件の判例の場合、
・年間所定労働時間は7時間5分短縮され、年間を通してみれば、変更の前後で所定労働時間には大きな差がないこと
・労働から完全に解放される休日の日数が増加することは、労働者にとって大きな利益となっていること

が挙げられていますが、私の職場においては、年間休日が10日増える一方で、年間の所定労働時間は約169時間の延長、実質9%の賃金カットに相当する計算となりました。これは労働者にとって大きな利益とは言い難いのではないかと落胆しております。

長々と大変失礼いたしました。
また、場合によってこちらでご相談させていただけたらと思います。
ありがとうございました。

2012年04月16日 09時45分

この投稿は、2012年04月15日時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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