会社が休職命令を行使する根拠について。

主旨:転勤の打診(業務命令ではない)に難色を示す従業員を休職させる事は妥当か?

状況
・私は3年前の転勤に伴い、抑うつ状態と診断された。現在も休職中です。
・復職を望んでいますが、私としては同時の転勤は再発リスクを感じるという理由で
 まずは現勤務地での復職を希望している。(安全配慮義務?)
・会社は「転勤が出来ないなら休職解除は出来ない」と言い、休職期間延長の診断書を
 主治医から書いてもらうよう提案している。※提案を断れば、手続き上退職の恐れあり?
・就労規則には、転勤拒否で休職命令が可能 という規定は無い。
・主治医は現時点で症状はもう無いと診断し「後は本人と会社の交渉だ」との見解。

私は、たまたま病気休職中のため、病気からの復職条件での意見対立という状況ですが、
もし働いていた場合を想定すると、主旨の労働条件の交渉に相当します。

言い換えると『転勤を拒否したから貴方は病気である、だから休職命令を行使する』と
おかしな根拠ではないか?と思えたので、一般的な見解をお尋ねしたく相談致しました。

尚、会社方針である転勤打診を、個人的事情により断った場合の不利益はありは理解します。
ただし、給与・賞与などの金銭的不利益となる『休職命令』は社会的通念上、妥当なのか
疑問です。











ちょうげんぼうさん
2015年03月19日 08時39分

みんなの回答

櫻町 直樹
櫻町 直樹 弁護士
労働問題に注力する弁護士
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ありがとう
ちょうげんぼう様

 まず,復職の可否を検討するにあたっては,復職の原因となった疾病等が治癒しているかどうかが問題となりますが,「治癒」とは,「従前の職務を通常の程度に行える健康体に復したとき」をいうものとされています。
 主治医の方が,現時点で症状はないと判断しているということであれば,治癒といってよいように考えられます(ただし,従前の職務を通常の程度に行えるかどうかの判断は,医学的な見地からの判断(診断)をベースとしつつ,実際の業務の状況等を加味してなされるものであることからすれば,主治医の方の「症状はない」という診断は,復職可否を検討するにあたっての「前提条件」という位置づけになろうかと思われます)。

 ここで,雇用契約上は従事する職種等が限定されていない場合において,労働者が,軽減業務での復帰を希望したときは,使用者は,現実に当該労働者を配置できる業務があるかどうかを具体的に検討する義務があるとされています(最高裁平成10年4月9日判決労判736号15頁)。

 したがって,ちょうげんぼう様が「転勤は再発リスクを感じるという理由でまずは現勤務地での復職を希望している」という場合には,会社としては現勤務地での復職が可能かどうかを具体的に検討すべきであり,「転勤できないなら休職継続」という扱いは,労働者による労務提供の不当な拒絶にあたる可能性があると考えられます(なお,労働者が労務提供を申し出ているにもかかわらず,使用者がこれを不当に拒絶した場合,労働者は(現実の労務提供がなくても)賃金請求権を失わないものとされています(民法536条2項))。

 また,ちょうげんぼう様が,転勤をきっかけとして精神的疾患を発症したという経緯があるにもかかわらず,この度の復職に際して転勤を強要し,結果として再び精神的疾患が発症した場合,会社は安全配慮義務違反に問われる可能性があります。

 ちょうげんぼう様としては,上記のような考え方に依拠しつつ,会社と現勤務地における復職を目指して,交渉なさるのがよいのではないかと思われます。

2015年03月19日 21時21分

この投稿は、2015年03月19日時点の情報です。
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