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有給休暇

2017年08月31日

有給休暇の基本ルール…日数は?取得条件は?買い取ってもらえる?

有給休暇を取りたいと思っても、「周りの人が取っていないのに自分だけ取ってもよいのだろうか…」と思う方も多いのではないでしょうか。 そもそも有給休暇について、法律ではどのようなルールが定められているのでしょうか。また、取得するためにどのような条件があるのでしょうか。 この記事では、こうした有給休暇に関する基本ルールを詳しく紹介します。

目次

  1. 有給休暇のルール
  2. 有給休暇を取得する上でのルール
  3. 有休が取れない場合の対処法
  4. 退職時に有休を買い取ってもらえる?

有給休暇のルール

有給休暇は、正社員だけでなく、契約社員や派遣社員、アルバイトやパート勤務であっても、雇用契約を結んでいる「労働者」であれば雇用形態を問わず取得することができます。 取得条件は、半年以上継続して勤務しており、全労働日(アルバイト等の場合はシフトなど会社が定めた労働日数)のうち、8割以上出勤していることです。 有給休暇を申請する際に理由を聞かれるケースがありますが、本来は理由を伝える義務はありません。 もっとも、後で述べる「時季変更権」との関係で、労働者としては、(虚偽ではない範囲で)もっともらしい理由付けをしておくのが無難だと思います。

取得できる日数のルール

正社員に限らず、アルバイトなどの非正規労働者であっても、週5日以上働いているフルタイム労働者には、6か月以上継続して勤務した場合、1年あたり10日の有給休暇が付与されます。 以下の表のように、勤続年数が長ければ長いほど、取得できる有給休暇日数は増えます。

正社員・非正規フルタイム(週5日)労働者の場合

勤務日数 6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月
有給日数 10日以上 11日以上 12日以上 14日以上 16日以上 18日以上 20日以上

週4日以下の労働者の場合

勤続年数
6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月

定の



週4日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
週3日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
週2日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
週1日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

フルタイム労働者も週4日以下の労働者も、有給休暇日数は、所定の勤続日数が経過した時点で付与されなければなりません。会社がそのタイミングよりも遅く付与することは違法です。

有給休暇の繰越し・時効

仕事が忙しいと、なかなか有給休暇を使う暇がないこともありますが、その場合は「時効」に注意しなければなりません。 有給発生のタイミング・時効 労働基準法では、使わなかった有給休暇を翌年に繰り越すことが可能とされています。 ただし、昨年度から繰り越した分を翌年度中も使わなかった場合には、時効で消滅してしまいます。つまり、有給休暇を取得する権利は、2年で時効にかかって消滅するということです。

有給休暇取得に関する不利益取扱いの禁止

消滅時効にかかる前に有給休暇を使いたいけれど、周りが忙しくしているのに有休を取りたいと言うと、社内で不利益な取扱いをされないか心配で、使いたくても使えない。そんな人もいるのではないでしょうか。 労働基準法や行政の指導では、有給休暇を取得したことを理由に皆勤手当や賞与、給与を減額したり、欠勤扱いしたりするような「不利益な取扱い」をしないようにしなければならないとされています。

有給休暇を取得する上でのルール

このように、有給休暇は労働者の正当な権利なので、本来は堂々と行使することができるものです。ただし、どんな場合でも行使できるわけではなく、一定のルールもあります。

時季変更権

有給休暇取得の際には、会社が「時季変更権」を行使する場合があります。 たとえば、同じ時期に有休希望者があまりに多く申し込めば、人員不足となって会社の業務に支障をきたす可能性があります。 このように、「事業の正常な運営」の妨げになると会社が判断した場合に、有給取得日を他の日に替えるよう、会社が労働者に打診できるのが「時季変更権」です。 もっとも、時季変更権を行使できる要件である「事業の正常な運営を妨げる場合」とは、その労働者が所属する事業場を基準として、事業の規模、内容、その労働者の担当する作業の内容、性質、作業の繁閑、代行者の配置の難易、労働慣行等諸般の事情を考慮して判断されると考えられています。 どのような場合なのかイメージしづらいかもしれませんが、会社が時季変更権を行使できるのは極めて限定的なケースと考えてよいでしょう。

半日休暇と残業代について

有給休暇は、1日単位だけではなく、時間単位や半日単位でも取得することが可能です。 時間単位や半日単位で有給休暇を取得した場合、気になるのが残業代についてです。たとえば、午前のみ有給休暇を取得した後、午後から出勤し、終業時刻を過ぎて「残業」した場合、残業代は出るのでしょうか。 半休を取った日に終業時刻を超えて働いても、原則として、1日の勤務が8時間を超えない限り、時間外労働にはなりませんが、「所定の終業時刻後の勤務に割増賃金を支払う」といった就業規則等の規定があれば、その規定に従って割増賃金(残業代)が出ることになります。

退職直前の有休申請と時季変更権

有給休暇を取りにくく、消化しきれない有休があった場合、退職時にこれを消化してしまおうというケースは多いでしょう。この場合、会社は時季変更権を行使できるのでしょうか? 答えは「ノー」です。会社としては、引継ぎなどができなくなり困ってしまうかもしれませんが、退職直前であり、有休の変更先となる勤務日がそもそも存在しない場合には、時季変更権は行使できません。 そのため、労働者が、退職直前に、それまでに残っている有休の権利を全て使い、そのまま退職することは、正当な権利行使であり、何ら後ろめたいことではないのです。

有休が取れない場合の対処法

有給休暇の取得は法的権利であり、本来は「取れない」という事はあり得ません。多くの場合、「取れない」というよりは「取りづらい」という状況でしょう。 有休消化の習慣がない会社では勇気がいるかもしれませんが、社内規定に従った申請を行った上で有休を使用すれば何の問題もありません。 もし本当に会社や同僚に迷惑をかけるようなタイミングなのであれば、会社が時季変更権を行使します。そのため、ためらうことなく休みたい時に有休申請すべきです。 しかし、単純に取りづらいのではなく、有給の申請自体を拒否されたり、「うちは有給休暇なんてない」という無茶苦茶な主張をされて話が通じそうにない状況ならば、労働基準監督署や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。 その場合はスムーズに相談するために、確かに有給休暇申請をしたという証拠を手元に残しておきましょう。

退職時に有休を買い取ってもらえる?

退職前、たまった有給休暇を消化しきれない場合もあるかもしれません。有給休暇の買取りを認めると、労働者がそれを期待して、有休消化が進まなくなってしまいます。 そのため、会社が有休の買取制度を設けることは好ましくないとされていますが、以下のいずれかの場合には、有休を買い取ってもらえる可能性があります。

  • 法定日数以上の有給休暇を付与されている場合
  • 退職日までに消化できない事情がある場合
  • 時効にかかって消滅してしまった有休を買い取る場合

会社が、就業規則などにおいて、上記の場合に有休を買い取る旨の規定を設けていれば、労働者は有休を買い取ってもらうことができます。 他方、上記のような規定がないのに、労働者から会社に対して有給休暇の買い取りを求めることはできません。

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