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2016年11月11日

公益通報者保護制度によって保護される公益通報(内部告発)とは

公益通報者保護法は、企業における内部告発を行った労働者を保護する目的で、平成18年4月に施行されました。公益通報者保護制度の保護対象となるためには、通報者が労働者であることのほか、いくつかの条件があります。 以下では、公益通報の保護対象となるための要件や公益通報の通報先、公益通報を行った労働者がどのような保護を受けられるかについて紹介します。

目次

  1. 公益通報者制度とは
  2. 通報者が保護対象となる法令違反行為とは
  3. 保護対象となるための要件
  4. 公益通報の通報先
  5. 行政機関に通報した際の秘密の保護

公益通報者制度とは

公益通報者保護法とは、犯罪行為又は最終的に刑罰につながる法令違反行為の事実について通報を行った場合に、その通報者を保護するための法律です。法令違反行為を労働者が通報した際に、解雇などの不利益な扱いをされないように保護し、事業主(会社)の法令遵守を強化することを目的として施行されました。

通報者が保護対象となる法令違反行為とは

公益通報者保護制度が、国民生活の安心や安全を脅かす法令違反の発生と被害の防止を図ることを目的としているため、国民生活の安心や安全を脅かす法令違反行為の通報者が保護の対象となります。

保護対象となるための要件

公益通報者保護法は、内部告発のすべてを保護するわけではありません。公益通報者制度で保護されるためには、以下の要件が必要です。

  • 労働者であること
  • 事業者(労務提供先)又は当該労務提供先の事業に従事する場合におけるその役員、従業員、代理人その他の者についての通報であること
  • 通報の対象となる法令違反が生じ、又はまさに生じようとしていること
  • 不正の目的でないこと
  • 「通報先」に通報すること

「通報先」については下記「公益通報の通報先」において詳しく説明します。「通報先」によって保護要件が異なりますので、注意しましょう。 また、通報者に対しては「他人の正当な利益や公共の利益を害することのないように努めなければならない」という努力義務が定められており、不必要な情報漏えいなどを行わないよう十分気をつけなければなりません。

「労働者」であること

公益通報者制度で保護される通報者は、「労働者」です。「労働者」には、正社員、派遣労働者、アルバイト、パートタイマーなどが含まれます。退職者は「労働者」ではないため、公益通報者保護法の保護対象ではありませんが、通報した時点で労働者であった場合には保護の対象となります。なお、労働者には公務員も含まれます。

「労務提供先」(労務を提供する事業者)についての通報であること

  • 一般の労働者(正社員、アルバイト、パートタイマー等)の場合は、その雇用元の事業者
  • 派遣労働者の場合は、派遣先の事業者
  • 取引契約に基づいて労務を提供する場合は、取引先の事業者

法人や個人事業者のほか、国、地方公共団体などの行政機関も含まれます。

「法令違反が生じ、又はまさに生じようとしている」こと

通報対象となる法令違反が、現に生じている場合か、又は法令違反がまさに発生しそうな場合である必要があります。

公益通報の通報先

「通報先」は、事業者内部(勤務先)、行政機関(処分等の権限を有する行政機関)、その他の事業者外部(被害の拡大防止等のために必要と認められる者)の3つです。

勤務先への通報

勤務先に通報する場合は、

  • 不正の目的で行われた通報でないこと
  • 通報対象事実が生じ、又は生じようとしていると思料すること

という条件が必須となります。例えば、通報する際に金品を要求したりすると保護されません。勤務先には通報窓口が設置されていない場合は、職場の上司や経営上の不正を是正できる役員などに通報することも一つの方法です。

行政機関への通報

行政機関に通報する場合は、

  • 不正の目的で行われた通報でないこと
  • 法令違反が生じ、又はまさに生じようとしていると信じる相当の理由があること

という条件が必須です。どの行政機関に通報したらよいか分からない場合は、消費者庁の「公益通報の通報先・相談先 行政機関検索」で検索できます。

その他の事業者外部への通報

その他の事業者外部とは、報道機関、消費者団体、労働組合などです。不正の目的で行われた通報でないこと、および法令違反が生じ、又はまさに生じようとしていると信じる相当の理由があることが必要となるほか、証拠が隠滅されたり変造されたりする恐れがある、個人の生命又は身体に危害が発生している、もしくは発生しそうである……などの要件が必要となります。

行政機関に通報した際の秘密の保護

公益通報者保護制度では、通報者の個人情報などの秘密が守られる旨の規定はありません。しかし、行政機関の職員は国家公務員法等の規定により、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならないとされているため、当然通報者の秘密は守られることになります。

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