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非正規雇用「賃金だけでなく、尊厳も傷つけられている」労働弁護団が電話相談
嶋﨑弁護士(右)

非正規雇用「賃金だけでなく、尊厳も傷つけられている」労働弁護団が電話相談

日本労働弁護団は6月15日、東京・霞が関の厚生労働省記者クラブで記者会見を開き、非正規雇用者向けの電話相談「非正規・賃金格差ホットライン」を6月19日に開催することを発表した。事務局長の嶋﨑量弁護士は、「会社との契約で『身分の差』が作られているからこそ、有期雇用の人を下に見るような文化が生まれるのだと思う。『非正規なら差をつけて当たり前』という日本社会に対する問題意識を寄せてほしい」と呼びかけた。

●会社だけでなく、正社員からの差別も

政府は「一億総活躍プラン」の一環として、2019年にも法改正により「同一労働・同一賃金」を実現させる方針だ。

しかし、そもそも「労働契約法20条」では、有期雇用者と正社員のような無期雇用者との間で、不合理な差別をすることを禁じている。2016年5月には、この条文に基づき、東京地裁が画期的な判決を下した。神奈川県の運送会社に対し、定年前と仕事内容が変わらないことを理由に、再雇用の運転手3人に、定年前と同じ賃金を支払うよう命じたのだ。

判決への反響は大きく、労働弁護団のもとにも多くの相談が寄せられるようになったという。中には裁判の準備に入っているケースもあるという。

また、非正規社員への差別は、賃金だけではない。嶋﨑弁護士は、「安全対策に違いがあるとか、食堂を使わせてもらえないといった話は今でも耳にする。実際にそれを求めていなくても、格差があることで尊厳は傷つけられている」と話す。非正規雇用者が社内で低く見られたり、会合に誘ってもらえなかったりと、正社員からの差別も少なくないという。

嶋﨑弁護士は、「正社員との間で差を感じたら、声を寄せてほしい」と話していた。

ホットラインは6月19日午後1時〜7時まで。電話番号は「03-3251-5363」または「03-3251-5364」。

(弁護士ドットコムニュース)

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