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リストラ

2017年04月10日

「リストラ」に納得できない…解雇が「無効」になる場合と対処法

業績悪化などを理由に突然おこなわれるリストラ(整理解雇)。理不尽だと思う一方、「会社がつぶれそうなら仕方ないかも・・・」と受け入れてしまう人も少なくないかもしれません。 しかし、リストラは通常の解雇と比べて、解雇が有効かどうか、より厳しく判断すべきと考えられています。そのため、場合によっては「不当解雇」として違法・無効となります。リストラが無効となった場合、解決金や復職を求めることができます。

  • リストラが無効になるのはどんなケースなのか
  • どんな解決を期待できるのか
  • どんな手段・制度を利用すべきなのか

この記事ではこうしたポイントを紹介します。少しでも「おかしい」と考えているのであれば、どのように対処していくべきか検討してみてください。

目次

  1. リストラが無効になるのはどんなケース?
  2. 「不当解雇」だと認めてもらうと、どんなメリットがあるのか
  3. 「労働審判」「裁判」「あっせん」etc…手続きはどれを選べばいいのか?
  4. どんな証拠を用意する必要があるのか
  5. 弁護士に相談したほうがいいの?

リストラが無効になるのはどんなケース?

リストラが有効かどうかは多くの裁判で争われてきましたが、おおむね次の4つのチェックポイントに沿って厳しく判断されています。

  1. 経営上、人員を削減することが必要であること
  2. 会社が解雇を回避する努力をしていること
  3. リストラ対象者の選び方が妥当であること
  4. 解雇までの手続きが妥当だったこと

上記のポイントを満たしていなければ、あなたのリストラも違法・無効となる可能性があります。 これらのチェックポイントは、法律で定められた要件ではなく、裁判例の積み重ねでできあがってきた判断基準です。また、リストラの判断基準については、労働契約法に明確な条文はなく、最高裁による明確な判断もまだ示されていません(最高裁の判断は先例として、そのほかの裁判でも判断の指針になります)。 そのため、チェックポイントの判断も、裁判所によって温度差があり、「こうした事情があれば必ず不当解雇になる」と言い切ることができないのが現状です。

たとえば、「 経営上、人員を削減することが必要であること」という要件についても、「会社の経営が危機的状況にある」ということまで必要とする裁判例もあれば、「経営方針の変更等により余剰人員が生じた場合」でも必要性を肯定する裁判例もあります。

とはいえ、労働者に何ら非がないのになされるリストラは、全体的に厳しくその有効性が判断されていることは間違いありません。あなたの解雇に次のような事情がないか確認してみてください。

  • 「人員削減が必要」と説明していたのに、新卒者を多く採用していた(人員削減の必要性がない)
  • 採用の募集を中止したり、希望退職者を募ったりせず、いきなりリストラに踏み切った(解雇を回避する努力をしなかった)
  • 性別や年齢など、能力と関係ない理由で整理解雇の対象にされた(対象者の選び方が不当)
  • 事前になんの説明もなく、ある日突然解雇を言い渡された(手続きが不十分)

こうした事情や、これに近い事情はありませんか? もしそうなら、そのリストラは「不当解雇」にあたる可能性があります。

「不当解雇」だと認めてもらうと、どんなメリットがあるのか

あなたの解雇が「不当解雇」である場合、解雇は違法・無効です。その場合、解決としては大きく二つのパターンが考えられます。

  • 復職はせず、未払い賃金や慰謝料など金銭で解決する
  • 元の職場に復職する

不当解雇を争う場合、かたちとしては「解雇の無効を主張する」=「復職を求める」ということになりますが、会社との関係がこじれ、復職が現実的でない場合が少なくありません。その場合は金銭解決を求めることになります。実際のケースでは、金銭解決を求めることが多いです。 金銭解決を選択した場合、解雇処分を下された後も就労の意思があったこと、また、その解雇処分が無効であることが判断されれば、「解雇されずに働いていれば、本来支払われるはずだった賃金」が支払われます。

復職を望まない場合でも、解雇は無効と判断されると、労働者としての地位が復活します。その場合、解決金を受け取り、会社との合意で改めて退職するという形をとることが考えられます。

「労働審判」「裁判」「あっせん」etc…手続きはどれを選べばいいのか?

「訴える」というと裁判をイメージするかもしれませんが、不当解雇を主張する手段は裁判だけではありません。どのような解決を望むのかによって、ベストな手段は異なります。 不当解雇のフロー図

金銭解決を希望する場合

金銭解決を希望する場合は、労働審判を選択することがあります。 労働審判は、労働問題について詳しい裁判官、労働審判委員、会社側の代表者、労働者などの関係者がひとつのテーブルに集まり、話し合いでお互いに納得できる妥協点を探る解決手段です。 労働審判は原則として3回以内の日程で、話し合いで解決を試みる手続きですので、裁判よりも比較的短い期間で結論をだすことができます(平均70日程度)。

会社との対立が深刻で、話し合いでの解決が難しい場合は、裁判で解決するしかないケースもあります。ただし、裁判は手続きや審理が複雑で、決着まで1年以上の時間がかかることも少なくありません。弁護士費用もその分高額になるケースもあります。こうした負担に留意しておく必要があります。 解雇の有効性を会社と争う間、生活費などに不安を感じる方のために「仮給付」という制度が用意されています。失業手当は本来、失業したことを前提に受ける制度ですが、仮給付は、解雇の有効性を争っていても受けることができます。

復職したい場合

復職を望む場合、会社との関係をいたずらに悪化させたくはありません。そのため、会社との対立がはっきりする裁判などの公的な手段を選ぶのではなく、よりソフトな手段を試みるのが適切だと考えられます。 まずは、会社の相談窓口への相談、もしくは労働組合が団体交渉してくれないか検討してみましょう。 社内の手段で解決が難しい場合でも、都道府県の労働局・労働委員会などに「あっせん」などの手段を活用することも考えられます。

どんな証拠を用意する必要があるのか

どの手続きを利用するとしても、「解雇された事実」を明らかにすることが出発点になります。まず「解雇された」事実を証明する証拠(解雇通知書や解雇理由証明書)を用意しましょう。 この他にも、不当解雇を争うための証拠はさまざまですが、選ぶ手続きによってそろえるべき証拠は変わってきます。

弁護士に相談したほうがいいの?

会社という組織と労働者個人では、交渉力・情報収集力などの面で圧倒的な差があります。自分で会社と交渉しようとしても、対等にことを進めることは容易ではありません。「不当解雇」を争おうと考えた場合、どの手段を選択するとしても、弁護士に相談することをおすすめします。

不当解雇が問題となるケースでは、同時に残業代や退職金が未払いになっていることが少なくありません。あわせて相談すれば、解雇の無効と同時に、こうした割増賃金・退職金を会社側に請求する手続きをとることができます。

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