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不当解雇

2017年04月28日

試用期間が終わったけど「本採用」を拒否された…どんな対処が可能?

試用期間が終わり晴れて本採用だと思っていたのに、会社側から拒否されてしまったーー。そんなとき、「お試し期間だから仕方ない」とあきらめてしまっていませんか? 試用期間が終わったときの本採用拒否も、法的には解雇にあたり、条件をみたしていない場合は違法・無効になります。

  • そもそも試用期間にどういう意味があるのか
  • 本採用拒否が無効になるのはどんなケースなのか
  • どんな解決を期待できるのか
  • どんな手段・制度を利用すべきなのか

この記事ではこうした点を解説します。納得できない思いを抱えている方は、この記事を参考に対処法を考えてみてください。

目次

  1. 試用期間にどんな意味があるのか
  2. 本採用拒否が無効になるのはどんなケース?
  3. 「不当解雇」だと認めてもらうと、どんなメリットがあるのか
  4. 「労働審判」「裁判」「あっせん」etc…手続きはどれを選べばいいのか?
  5. どんな証拠を用意する必要があるのか
  6. 弁護士に相談したほうがいいの?

試用期間にどんな意味があるのか

そもそも、試用期間というのは、通常の雇用関係とどう違うのでしょうか? 法的にみると、試用期間とは、一般的に「会社側が解約権を留保した雇用契約」が結ばれている状態だと考えられています。 つまり、会社が「場合によっては雇用関係を終わらせます」という権利を留保しているものの、その他では通常の雇用関係とかわりはないということです。 そのため、会社側が試用期間中に解雇を行う場合や、本採用を拒否することは、留保された解約権の行使されたと考えることができます。 試用期間中の契約関係を雇用契約であるとみる以上、この解約権の行使は、いったん成立した雇用契約を解消させるものであり、その法的性格は「解雇」と考えられます。 最高裁は、試用期間中について、通常の解雇よりも広い範囲で、留保した解約権を行使することができるという考えを示しています。 しかし、会社側が自由に本採用拒否(解雇)できるというわけではありません。解約権留保の趣旨・目的に照らして、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当といえなければ、「不当解雇」として違法・無効になります。

本採用拒否が無効になるのはどんなケース?

では、どんな場合に「客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当といえない」のでしょうか。 「こうした事実があれば本採用拒否は無効」という明確な基準があるわけではありませんが、裁判例では、「選考の際に会社が知ることができなかった事情で、もし知っていれば採用しなかったといえるような事情」があるかどうかといった点を考慮するものがあります。 たとえば、「経歴を詐称していた」「勤務態度が悪い」「協調性がない」 「業務を遂行する能力がなかった」などの事実があげられます。 試用期間(研修期間)がはじまって2日後に解雇されたというケースでは、その2日間の間に従業員が遅刻したり、ほかの研修員と口論になり、大声をあげ続けて収集がつかない事態を招いたといった事実などを認定した上で、解雇は有効だと判断されました。 一方で、ある企業の事務総合職として採用された人が、能力が求める水準に達していないことなどを理由に試用期間(3か月間)の途中で解雇されたというケースでは、残りの期間(約20日間)勤務すれば要求する水準に達した可能性があるなどとして、解雇は無効だと判断されました。 このように、本採用拒否や試用期間中の解雇が無効かどうかの判断は、さまざまな事情をもとに、裁判所が総合的に判断する傾向があります。自分がどのような理由で解雇、または本採用拒否されたのかよく調べて、対処法を検討してみてください。

「不当解雇」だと認めてもらうと、どんなメリットがあるのか

あなたの解雇が「不当解雇」である場合、解雇は違法・無効です。その場合、解決としては大きく二つのパターンが考えられます。

  • 復職はせず、未払い賃金や慰謝料など金銭で解決する
  • 元の職場に復職する

不当解雇を争う場合、かたちとしては「解雇の無効を主張する」=「復職を求める」ということになりますが、会社との関係がこじれ、復職が現実的でない場合が少なくありません。その場合は金銭解決を求めることになります。実際のケースでは、金銭解決を求めることが多いです。 金銭解決を選択した場合、解雇処分を下された後も就労の意思があったこと、また、その解雇処分が無効であることが判断されれば、「解雇されずに働いていれば、本来支払われるはずだった賃金」が支払われます。

復職を望まない場合でも、解雇は無効と判断されると、労働者としての地位が復活します。その場合、解決金を受け取り、会社との合意で改めて退職するという形をとることが考えられます。

「労働審判」「裁判」「あっせん」etc…手続きはどれを選べばいいのか?

「訴える」というと裁判をイメージするかもしれませんが、不当解雇を主張する手段は裁判だけではありません。どのような解決を望むのかによって、ベストな手段は異なります。 不当解雇のフロー図

金銭解決を希望する場合

金銭解決を希望する場合は、労働審判を選択することがあります。 労働審判は、労働問題について詳しい裁判官、労働審判員、会社側の代表者、労働者などの関係者がひとつのテーブルに集まり、話し合いでお互いに納得できる妥協点を探る解決手段です。 労働審判は原則として3回以内の日程で、話し合いで解決を試みる手続きですので、裁判よりも比較的短い期間で結論をだすことができます(平均70日程度)。

会社との対立が深刻で、話し合いでの解決が難しい場合は、裁判で解決するしかないケースもあります。ただし、裁判は手続きや審理が複雑で、決着まで1年以上の時間がかかることも少なくありません。弁護士費用もその分高額になるケースもあります。こうした負担に留意しておく必要があります。 解雇の有効性を会社と争う間、生活費などに不安を感じる方のために「仮給付」という制度が用意されています。失業手当は本来、失業したことを前提に受ける制度ですが、仮給付は、解雇の有効性を争っていても受けることができます。

復職したい場合

復職を望む場合、会社との関係をいたずらに悪化させたくはありません。そのため、会社との対立がはっきりする裁判などの公的な手段を選ぶのではなく、よりソフトな手段を試みるのが適切だと考えられます。 まずは、会社の相談窓口への相談、もしくは労働組合が団体交渉してくれないか検討してみましょう。 社内の手段で解決が難しい場合でも、都道府県の労働局・労働委員会などに「あっせん」などの手段を活用することも考えられます。

どんな証拠を用意する必要があるのか

どの手続きを利用するとしても、「解雇された事実」を明らかにすることが出発点になります。まず「解雇された」事実を証明する証拠(解雇通知書や解雇理由証明書)を用意しましょう。 この他にも、不当解雇を争うための証拠はさまざまですが、選ぶ手続きによってそろえるべき証拠は変わってきます。

弁護士に相談したほうがいいの?

会社という組織と労働者個人では、交渉力・情報収集力などの面で圧倒的な差があります。自分で会社と交渉しようとしても、対等にことを進めることは容易ではありません。「不当解雇」を争おうと考えた場合、どの手段を選択するとしても、弁護士に相談することをおすすめします。

不当解雇が問題となるケースでは、同時に残業代や退職金が未払いになっていることが少なくありません。あわせて相談すれば、解雇の無効と同時に、こうした割増賃金・退職金を会社側に請求する手続きをとることができます。

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