無効と違法の違い?

不当であると思われる解雇に対して
それが労働契約法16条の権利の濫用として争うことと
それを民法709条の不法行為として争うこと
の違いを教えてください。
2010年08月19日 14時41分

みんなの回答

好川 久治
好川 久治 弁護士
労働問題に注力する弁護士
弁護士が同意1
ありがとう
労働契約法16条は、法律上の効果が発生するかどうかという意味での解雇の有効無効を言っているのに対し、709条は、無効な解雇(これは同時に解雇権を濫用して労働者の法的保護に値する利益を侵害しているという意味で違法な解雇です。)によって被った損害を賠償してもらう不法行為に関する規定です。

2010年08月19日 14時49分

籾倉 了胤
籾倉 了胤 弁護士
弁護士が同意1
ありがとう
労働契約は、終了原因があって終了するもので、解雇は、労働契約の終了原因です。
そして、労働契約法16条は、会社側からの正当な理由のない解雇の意思表示があった場合には、当該意思表示の効力を無効、すなわち、法律上は解雇の意思表示がなかったものとして取り扱うことと規定しています。
したがって、労働契約法16条の要件にあたる場合には、解雇の意思表示によっても労働契約は終了せず、法律的には、雇用関係は継続していることになります。

一方、民法709条は、故意または過失で、他人の法律上の保護に値する権利(たとえば財産権)などを侵害して、損害を与えた場合に、当該損害を賠償しなければならないというものです。
したがって、この場合の加害者は損害賠償債務を負うことになります。

2010年08月19日 15時04分

相談者
つまり、不当解雇をした相手方に対して
解雇撤回と職場復帰および解雇とされている期間の賃金を求める場合は、労働契約法16条
金銭の支払いのみをもって解決としたい場合は民法709条
と考えてよろしいのでしょうか?

2010年08月19日 15時28分

籾倉 了胤
籾倉 了胤 弁護士
弁護士が同意1
ありがとう
労働契約法16条により解雇が無効とされた場合でも、現実的に職場復帰するよりも解雇とされた期間中の賃金等の金銭的支払によって解決することの方が多いため、同法による解雇無効を主張して、法律上は雇用関係の継続が認められたとしても職場復帰せず、金銭的支払を受けて事件を終了させることもあります。

2010年08月19日 15時50分

相談者
では、当事者間の話し合いにおいて、相手方が解雇の不当性は認めないが解雇は撤回すると言ってきたとして、こちらとしては不当性認めない解雇撤回には同意できないと答えたとします。
その時点でこちらは解雇を承諾したとされ、以後解雇無効ないしその他の金銭について労働契約法16条や民法709条の適用を主張できなくなるのでしょうか?

2010年08月19日 16時41分

籾倉 了胤
籾倉 了胤 弁護士
弁護士が同意1
ありがとう
会社側が、不当性は認めないが解雇の意思表示は撤回すると言った場合に、解雇の意思表示の撤回に同意しないとしても、解雇の意思表示に同意したことにはなりません。
したがって、(実益があるかは別として)労働契約法16条を根拠に既になされた解雇の意思表示自体が無効であるとの主張を続けることはできますし、当該意思表示の態様によって権利侵害があり損害(おそらくは慰謝料と言うことになるかと思われますが)が生じたとして民法709条に基づく損害賠償請求を主張することもできます。

解雇の意思表示の撤回に同意すれば、法律的には解雇はなかったことになり、結果的に雇用は継続することになりますが、撤回したからと言って解雇の意思表示をしたという行為自体がなくなるわけではありませんから、解雇の意思表示を不法行為としてとらえて損害賠償請求することも理論上は可能です。もっとも、既に解雇自体が撤回された場合に、どの程度の損害が認められるかという問題はあります(現実的にはほとんど認められないと言ってもよいかもしれません。)。

2010年08月19日 17時07分

相談者
では、こちらが解雇撤回に同意しない時点で形式上解雇の効力が発生してこちらの就労義務は消滅するのでしょうか?

2010年08月19日 17時31分

籾倉 了胤
籾倉 了胤 弁護士
弁護士が同意1
ありがとう
相談者の方が最終的に何を求めて主張なさるのかによりますが、一方で解雇の意思表示の撤回は認めないから解雇されており、就労義務は消滅したと主張しつつ、労働契約法16条により当該解雇は無効であると主張するのは矛盾主張になってしまう可能性が高いと思われます。

労働者としての地位の確認を求めつつ解雇の不当性を明らかにしたいというご趣旨であろうと推測しますが、そうであれば、端的に解雇の撤回は認め、不当行為(不当な解雇)により就労できなかった期間の賃金相当額を不法行為に基づいて賠償請求すれば足りるのではないでしょうか?

2010年08月19日 17時56分

相談者
こちらは現在解雇予告期間中で請求できる不払い賃金も不払い残業代もないという状態です。
しかし、不当解雇の不当性も認められないまま解雇だけ撤回されて、このまま何事もなかったかのように就労するというのは納得いかないので退社しようと決めているのですが、何か会社に請求できるものがあればと思い相談しています。
慰謝料であれば矛盾なく請求できるように思うのですが、いかがでしょうか?

2010年08月19日 18時15分

籾倉 了胤
籾倉 了胤 弁護士
弁護士が同意1
ありがとう
現実的に慰謝料請求が認められるのはなかなか難しいのですが、おっしゃるとおり、理論上は慰謝料請求をすることも可能です。

2010年08月19日 18時19分

相談者
では、最後に
そもそも最初の解雇が解雇権の濫用であり無効と判断されれば、相手方の不当性は認めないが解雇は撤回するという矛盾もこちらの矛盾も遡って無かったことになり、解雇権の濫用の事実だけが存在することにはならないのでしょうか?
都合がよすぎますか?

2010年08月19日 18時51分

籾倉 了胤
籾倉 了胤 弁護士
弁護士が同意1
ありがとう
解雇が無効となるの法律の要件を満たしたことによる法律の効果(結果)ですから、行為それ自体がなくなることはありません。したがって残念ながら、主張上、矛盾があるように見える状況までなくなるわけではありません。

また、当初の小職の回答内容が舌足らずで誤解を生じさせてしまった可能性があるので、補足してお詫びさせて頂きます。
解雇の撤回に同意しないという主張をしながら、解雇無効を主張する場合というのは、相手方に不当な解雇という不法行為に基づく損害賠償請求をする場合を想定しておりました。前提を記載せず、失礼いたしました。

2010年08月19日 19時21分

相談者
最後の補足の部分は何をどう補足されたのか、こちらが無学なため理解できなかったのですが、本日はいろいろとご相談にのっていただきありがとうございました。誠実な回答に本当に感謝しています。

2010年08月19日 19時46分

この投稿は、2010年08月19日時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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