弁護士ドットコム - 無料法律相談や弁護士、法律事務所の検索

タイムカード打刻ミスでの減給(1日分)について

 当社ではタイムカード(電子)の打刻ミスをした場合、「打刻ミスをした一日分は全額減給」となります。
 職場の従業員には無断欠勤等をする者が多いため、全く打刻をしていない事に対しての対処であれば、厳しくするのは理解はできるのですが…
 出勤時のみ・退勤時のみでも、その日一日分の給料は全額出ない。と通達されました。

 打刻ミスをしたのは自身の責任ではありますが、丸一日分の減給というのは納得ができません。

 以前打刻ミスをした際に注意を受けたため、以降とても気をつけて打刻しておりましたが、私だけでなく他の従業員にも頻繁に打刻ミスがあるため、機器の接触等にも問題があるのでは…と思いだしてしまいます。
 少なくとも事務所外勤務の従業員は、出勤時に入室のノックと共に「○○出勤しました!タイムカードを押します!」と事務所内に声をかけなければならないため、ここまで頻繁に打刻ミスをすることはあるのだろうか?と…

 少し逸れてしまいましたが、

上記のような場合、後から請求する事は可能なのでしょうか。
山田花子さん
2015年04月06日 10時36分

みんなの回答

櫻町 直樹
櫻町 直樹 弁護士
労働問題に注力する弁護士
弁護士が同意1
ありがとう
山田花子 様

 「打刻ミス」に対する減給ということですと,一種の懲戒処分(制裁)としての減給というように考えられると思います。

 労働基準法では,「就業規則で,労働者に対して減給の制裁を定める場合においては,その減給は,一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え,総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」と規定されています(91条)。

 したがって,「1日分全額を減給」という会社の対応は,一部無効(平均賃金の1日分の半額を超える部分)であり,無効になった部分については支払いを求めることができると考えられます。

 なお,「通達」とありますが,就業規則として規定はされているでしょうか。もし,就業規則に規定されていなければ,そもそも懲戒処分をすることができないので,減給は無効となり,全額分の支払請求が可能と思われます。

 また,労働契約法では,「使用者が労働者を懲戒することができる場合において,当該懲戒が,当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められない場合は,その権利を濫用したものとして,当該懲戒は,無効とする」と規定されています(15条)。

 つまり,軽微な事由に対して重過ぎる懲戒処分は,無効となります。
 
 ちょっとよく分からないのですが,「打刻ミス」というのは,故意に実際とは違う出勤・退勤時刻を(自分に有利になるように)申告したというのではなく,出勤して直ちにタイムカードを打刻しなかったので,実際の出勤時刻よりタイムカードの時刻が少し遅くなっているとか,そういったことなのでしょうか。

 もしそうであれば,それが就業規則で定められている出勤時刻より前であり,遅刻にはあたらないのであれば,そもそも「ミス」という程のものではないと思われますし,まして,それを理由に減給するというのは,社会通念上相当とはいえないように思われます(裁判例では,勤務時間内に私的なメールやチャットを行った従業員に対して減給の懲戒処分をしたことが,「懲戒処分としての合理性に乏しく,社会通念上重過ぎて不当というべきであって,懲戒権の濫用として無効」とされたものがあります。札幌地裁平成17年5月26日判決判タ 1221号271頁)。

2015年04月06日 12時07分

山田花子 さん (質問者)
大変ご丁寧なご回答誠に有難うございました。
ご質問が有りましたので補足させて頂きます。

まず就業規則についてですが、チェーン店展開となっておりまして、現在店舗勤務でございます。
事務所内や店舗内に『就業規則』と言って従業員が確認しやすい場所に掲示はありません。入社時に簡単な雇用状態の説明等は受けました。
初めて打刻ミスした際は、残業のため本来打刻しなければならない時刻を1時間半過ぎて打刻した際に口頭で注意をされ、「うちでは打刻ミスをした場合その日の給料は出ませんので。今回は入ったばかりということで訂正しておきますが今後気をつけて下さい」とのことでした。

多少の時間を前後した場合は一言上司に申告すれば問題ありませんが、上記で私が申し上げているのは、「タイムカードに記録がなかった」という打刻ミスです。(出勤or退勤は打刻しているが、片方をしていない)

この場合では請求等は難しいのでしょうか…

2015年04月06日 16時52分

櫻町 直樹
櫻町 直樹 弁護士
労働問題に注力する弁護士
弁護士が同意1
ありがとう
山田花子 様

 まず就業規則ですが,労働基準法106条1項で「使用者は…就業規則…を,常時各作業場の見やすい場所へ掲示し,又は備え付けること,書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて,労働者に周知させなければならない。」と規定されているので,そのような方法で周知されていなければ労働基準法違反になります。

 また,「残業のため本来打刻しなければならない時刻を1時間半過ぎて打刻した際に口頭で注意」とありますが,これは例えば,18時になったらタイムカードを打刻するが,その後で残業をしている,ということでしょうか?

 もしそうであれば,これはいわゆる「サービス残業」であり,使用者が本来支払うべき残業代を不当に免れている労働基準法違反ということになります(そして,残業代不払いには罰則があり,労働基準法第119条で「6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金」と規定されております)。

 本来の退勤時刻より前にタイムカードを打刻させ,しかも,その打刻をしなかった場合には懲戒処分として1日分の賃金全額を減給するということは,労働基準法に違反するきわめて悪質な行為であると思います。

 いちど,具体的な資料(雇用契約書,給与明細等)をお持ちになって,弁護士にご相談なさるのがよいと思います。


 

2015年04月06日 17時33分

この投稿は、2015年04月06日時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

関連度の高い法律ガイド

【残業代請求】タイムカードを会社が破棄…他にどんな証拠が有効?

裁判などで会社に対して残業代を請求する場合、実際に残業したことを証明する証拠が必要です。勤務先がタイムカードを破棄した場合は、残業代請求は難...

この相談に近い法律相談

  • 出勤退勤スキャン忘れによる欠勤扱い

    出勤退勤時間記録をスキャン方式に してる場合、スキャン忘れが発生した日は 欠勤扱いになると就業規則に記載されていた場合ですが、この規則は有効ですか?

  • 労働・残業・休日出勤に関する違法性

    【勤めている会社の違法性について】 休職中に、有給を消化して仕事をやめたいという申請をしました。 しかし、残りの有給は3日だと伝えられました。 会社に有給申請をする制度がないので休んだ日は自動的に有給取得という形 になっているというのは知っていたのですが、そんなに有給取得した覚えはなかったので 有給消化の明細...

  • 雇用者の有給拒否や副業禁止について

    オーツと言います。29歳男です。 介護の仕事をしながら、プロボクサーをしています。 この1年ほど、介護職の雇用者の嫌がらせがあります。 ①「オーツが女性職員に無言電話をしている」という濡れ衣 していないし、証拠は何一つない。 自白を迫った挙句、「やった、やらないの議論になるからこれは問題にしない」 ②「副業は...

  • 就業規則が無い会社でのタイムカード代理打刻について

    就業規則の無い会社で働いております。 規則が無い為、ネットで日給月給制は14日前の届け出が必要と言うことを調べて先日退職届を出しました。就業は月に200時間を越えていますが、有給休暇が発生していない為、退職届と共に退職時の有給消化を申請したところ、「今まで遅刻に目をつぶってやっていたが、有給を要求するならば遅刻を罰...

  • 通達もなく勝手に減給されました。

    以前の職場で私としては不当な賃金未払いがありました。 状況としては以下の通りです。 昨年の10月対象月の給料が半日分ほど減っていました。基本的に直行直帰のルート営業のため、出勤・退勤管理はスマートフォンにてシステム報告しているため、いつが減給されているのかも給料を貰う前に確認できました。ちょうどその日は体調不良に...

法律相談を検索する

弁護士に依頼することを検討中の方はこちら

複数の弁護士にまとめて見積り依頼
費用対処方針比べて選ぶことができます。

  • 弁護士費用がいくらかかるか知りたい
  • 弁護士の選び方がわからない
  • 弁護士が何をしてくれるか知りたい
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識

労働問題に注力する弁護士

よく見られているキーワード一覧

最近検索されたキーワード

法律相談を検索する

新しく相談する無料

関連カテゴリから解決方法を探す

弁護士に相談しようと思ったら…

弁護士に見積り依頼をする

複数の弁護士にまとめて見積り依頼

  • 最短3分で依頼完了
  • 依頼内容は非公開
  • 分野に詳しい弁護士から見積り依頼が届く
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識

労働のニュース

  1. しゃぶしゃぶ鍋事件、被害男性「熱い鍋より、...
  2. 私学教員の部活指導など、「明確な指示」なく...
  3. タイムカード打刻「15分単位」で切り捨て…薬...
  4. ベネッセ個人情報流出、東京地裁が請求棄却「...
  5. 過労死遺族、官邸前に座り込み…高プロに反対...
  6. メディア業界のセクハラ、半数が同業者から ...
  7. 日本郵政、正社員の手当廃止で論議…梅田弁護...

活躍中の弁護士ランキング

労働問題の分野

ピックアップ弁護士

をお選びください。

弁護士回答の中から一番納得した回答に、「ベストアンサーに選ぶ」をつけることで、
回答した弁護士に最も高い評価を与えることができます。

ベストアンサー以外にも「ありがとう」をつけることができます(複数可)。弁護士へのお礼も兼ねて投票へのご協力をお願いいたします。

※万が一、納得のいく回答がない場合は、「ベストアンサーを選ぶ」をつけずに、投票を終了することもできます。