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フレックスタイム制

2016年08月09日

フレックスタイム制とは:メリット・デメリット

フレックスタイム制とは、労働者が出退勤時刻と1日の労働時間を自由に決定できる制度です。そのため「始業から必ず8時間労働すること」などの出退勤時刻に関わる規定がある場合は、フレックスタイム制には該当しません。ここではフレックスタイム制の概要と、メリット・デメリットを合わせて確認しましょう。

目次

  1. フレックスタイム制とは
  2. 割増賃金の考え方
  3. 就業規則と労使協定で定める内容
  4. フレックスタイム制のメリット
  5. フレックスタイム制のデメリット

フレックスタイム制とは

フレックスタイム制とは、労働者が出退勤時刻と1日の労働時間を自由に決定できる制度です。そのため「始業から必ず8時間労働すること」などの出退勤時刻に関わる規定がある場合は、フレックスタイム制には該当しません。 会社全体ではなく、一部の対象者に対してフレックスタイム制を取り入れることもできます。一般的には、研究開発、設計、デザインの部門や、コンピュータのシステム開発、分析、ソフトウェアのプログラム作成などの部門に適しているとされています。 フレックスタイム制を導入するためには、就業規則で制度について規定し、労使協定を締結する必要があります。労働基準監督署への提出は不要です。

所定労働時間の合計が設定される

1か月以内の一定期間についての「所定労働時間の合計」が定められていますので、その時間数は満たす必要があります。所定労働時間の合計に達していればよいため、設定期間の中で1日3時間しか働かない日があっても他の日で補えば問題ありません。 所定労働時間の合計は、法定労働時間の上限以下で設定しなければなりません。設定期間が1か月の場合、法定労働時間の上限は以下のとおりです。

1か月の日数 法定労働時間の上限
31日 177.1時間
30日 171.4時間
29日 165.7時間
28日 160時間

上記の表では、法定労働時間が1週40時間の場合を想定しており、計算式は以下のとおりです。

  • 設定期間における法定労働時間の合計 = 40時間 × 設定期間の暦日数 ÷ 7

なお、商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業で、従業員数が10人未満の事業所の場合は、法定労働時間は40時間ではなく44時間となります。

コアタイムの出勤は必須

コアタイムとは、フレックスタイム制において「労働者が1日のうちで必ず働かなければならない時間」のことです。設定しなくてもよいのですが、設定しておくと会議や全体連絡などの予定が立てやすくなります。 ただし、朝早くまたは夜遅くに時間帯を設定するなど、労働者が出退勤時刻を自由に選べない場合はフレックスタイム制の趣旨に反しているといえるでしょう。

割増賃金の考え方

たとえ1日12時間働く日があっても、その日だけでは「時間外労働があった」とはみなされません。所定労働時間の合計が法定労働時間を超えた場合のみ、超えた分が時間外労働とみなされ、割増賃金が支払われます。 なお、法定労働時間を超えた分を、次の設定期間に繰り越して相殺することはできません。一方で、実労働時間の合計が所定労働時間の合計に満たなかった場合は、その分を減額することはもちろん、次の設定期間に持ち越すこともできます。

休日・深夜労働の扱い

フレックスタイム制で労働者が自由に決められるのは、出退勤時刻のみです。休日を自由に選択できる制度ではありません。そのため休日に働かせた場合は、その分の割増賃金を支払う必要があります。 深夜労働についても、休日労働と同様に割増賃金の支払い義務があります。ただし、労働者が選択できる労働時間帯に制限を設ける「フレキシブルタイム」の定めがある場合は、深夜労働自体が認められない場合もあります。たとえば、下記のような設定の場合です。 フレキシブルタイム

就業規則と労使協定で定める内容

フレックスタイム制を導入する際は、以下の内容について取り決めを行います。

項目 備考
適用する労働者の範囲 必ずしも会社全体で運用する必要はなく、適用範囲の設定可能
清算期間(労働すべき期間の範囲)と起算日 期間は1か月以内で設定する
清算期間における総労働時間 法定労働時間内に納める
標準となる1日の労働期間 年次有給休暇を1日取得した場合、この時間が休暇日の労働時間とみなされる
コアタイム、フレキシブルタイム 必ずしも設定する必要はないが、設定する場合は開始時刻と終了時刻を定める

フレックスタイム制のメリット

うまく利用すれば、労働者にとってメリットの多い制度です。

  • 出勤時間を選べるため、通勤ラッシュを避けられる
  • 労働者それぞれが効率的な時間配分を行うと、残業が減る
  • 働き方の自由度が高く、個人のライフスタイルに合わせて働ける

フレックスタイム制のデメリット

自由度が高い分、チームで仕事を進めている場合などで、個人の出退勤時刻が他人に影響する場合はデメリットもあります。

  • 労働時間がバラバラなので、社内全体で集まる会議などの時間設定が難しい
  • 他社とのやり取りは一定の時間に行われるため、制度を活かせない場合がある
  • 自己管理のできない労働者は、制度を効率的に利用できない場合がある
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