弁護士ドットコム - 無料法律相談や弁護士、法律事務所の検索

裁量労働制

2016年07月27日

裁量労働制とは:制度とメリット・デメリット

裁量労働制とは、正確には「裁量労働みなし労働時間制」のことです。労働時間を、実労働時間ではなく「みなし時間」で計算します。労働基準法で定められた「1日8時間」の労働時間に関する規定を超えて働いたとしても、違反にはなりません。ここでは裁量労働制の制度の内容と、メリット・デメリットをまとめています。

目次

  1. 裁量労働制とは
  2. 裁量労働制のメリット
  3. 裁量労働制のデメリット

裁量労働制とは

裁量労働制とは、正確には「裁量労働みなし労働時間制」のことです。労働時間を、実労働時間ではなく「みなし労働時間」で計算します。実労働時間に関わらず労働時間が決まっているため、基本的には時間外労働の概念がありません。 労使協定を結んで労働基準監督署へ届け出る必要があるため、あまりにも実情とかけ離れたみなし時間は設定できないでしょう。みなし労働時間が法定労働時間の8時間を超える場合は36協定の締結も必要です。 労働基準法で定められた「1日8時間」の労働時間に関する規定を超えて働いたとしても、違反にはなりません。例えば1日の労働時間のみなし時間を8時間と設定すると、6時間働いても10時間働いてもその日の労働時間は8時間となります。

専門業務型裁量労働制

業務の性質上、労働者の裁量に委ねたほうが効率がよいものもあります。そのため、社内の一部の人だけが裁量労働制となる場合もあります。専門業務型裁量労働制を導入できる仕事は以下のとおりです。

項目 具体例
研究開発 ・大学における教授研究
・新商品・新技術の研究開発
・人文科学・自然科学の研究
・金融工学による金融商品の開発
・情報処理システムの設計・分析
クリエイティブ ・プロデューサー、ディレクター
・インテリアコーディネーター
・デザイナー
・取材・編集(新聞・出版・テレビ・ラジオなど)
・コピーライター
士業 ・公認会計士
・不動産鑑定士
・弁理士
・建築士
・弁護士
・税理士
・中小企業診断士
その他 ・システムコンサルタント
・証券アナリスト

企画業務型裁量労働制

企画業務型裁量労働制を導入できるのは、事業の運営に直接影響する企画・立案・調査・分析などの仕事です。事業運営とはいえ、本社勤務は必須条件ではありません。 みなし労働が認められる限り、勤務時間を自分でコントロールできている必要があります。そのため勤務時間を管理する上司がいる場合は、企画業務型裁量労働制を採用できません。 専門業務型裁量労働制よりも導入に関する条件は厳しく、労使委員会で5分の4の賛成を得たうえで労働者本人の同意が必要です。また、同意しなかったことを理由に不利益な扱いをすることは法律で禁じられています。

労使協定で結ぶ内容

労使協定で決めなければならない最低限の内容は以下のとおりです。

  • 制度の対象とする業務の具体的な範囲
  • 制度の対象とする労働者の範囲
  • 1日のみなし労働時間
  • 対象となる労働者の労働時間の状況に応じて実施する健康・福祉を確保するための措置の具体的内容
  • 対象となる労働者からの苦情を処理するため実施する措置の具体的内容
  • 有効期間(3年以内とすることが望ましい)

詳しくは、厚生労働省ホームページより以下の内容をご確認ください。

裁量労働制のメリット

労働時間が短くても1日働いたのと同じ扱いになりますので、成果さえ出せば短い労働時間があっても問題ありません。労働時間の長さや時間帯の自由度が増す、という点では労働者にとって働きやすい制度といえるでしょう。

自由度の高い働き方ができる

フレックス制で設けられるコアタイムもないため、出退勤の時刻も自由に調節できます。時間の融通が効き、自由な働き方ができるという点では最もフレキシブルな制度です。 制度としては、遅刻や早退として扱われることはありません。ただし遅刻については、会議などの予定に遅れた場合などについて、遅刻という概念自体は存在します。 遅刻や早退とは異なり、裁量労働制の場合でも欠勤の概念はあります。ただし、自宅などで作業することを会社が認めている場合には出勤と同じ扱いになる可能性があります。

裁量労働制のデメリット

前述のとおり、時間外労働という概念がないため残業代の支払いがありません。ただし、別途割増賃金が発生する可能性はあります。時間外労働に対する割増賃金は発生しませんが、深夜と休日に働いた分の割増賃金は発生します。 会社によっては、基本給とは別に固定残業代の適用があります。その場合は深夜と休日の割増賃金分が固定残業代から相殺され、別途支給されることはありません。

サービス残業が常態化する場合も

みなし時間と実労働時間がかけ離れている場合は、固定残業代があっても「みなし残業」を超えたサービス残業が実体化しているケースもあります。長時間労働が日常化している場合は、裁量労働制のメリットが活かされないことになります。 また、労働時間の自由度が増す代わりに、成果軸で捉えられることが多いので注意しましょう。

このページのタイトルとURLをコピーする

弁護士に見積り依頼をする

複数の弁護士にまとめて見積り依頼
費用対処方針比べて選ぶことができます。

  • 弁護士費用がいくらかかるか知りたい
  • 弁護士の選び方がわからない
  • 弁護士が何をしてくれるか知りたい
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識

労働問題を扱う弁護士を探す

裁量労働制に関する法律相談

  • 専門業務型裁量労働制の残業代請求について

    労働労働時間裁量労働制

    私立学校で働いています。 就業規則上は定時から定時までの労働条件の下での就労規則となっていますが、結局のところ毎日残業が多いことから、タイトルの通りの疑問を持ちました。 雇用契約...

    1弁護士回答
  • 裁量労働制の名目で長時間労働と残業代不払いが常態化しています。

    労働労働時間裁量労働制

    裁量労働制の名目で長時間労働と残業代不払いが常態化しています。 勤務時間管理も、部長の意向で記録しておらず、 社長も管理部もそういうものとしてこの風潮を放置している状態です。 深...

    1弁護士回答
  • 裁量労働制で不足時間による減給

    労働労働時間裁量労働制

    勤めている会社は裁量労働制をとっています。 しかし、勤務時間の定めがあり、10時~19時までと8時間の勤務となっています。 近頃体調を崩し遅刻早退が多かったところ、勤怠査定というもの...

    1弁護士回答
  • 裁量労働制労働者だが出勤時間の指示・命令を受けた件

    労働労働時間裁量労働制

    裁量労働制(大学教員)です。同一所属教員(教授)から、勤務時間(出勤時間)の指定があり、さらに休暇や深夜出勤について非難されている。 裁量労働制の労働者が他者から、「勤務時間(出...

    1弁護士回答
  • 会社の勤務時間計算や残業代計算、雇用条件の適用がおかしい件について

    労働労働時間裁量労働制

    毎日、出社・退社それぞれで15分単位で足切りがあり、 1分遅刻は15分遅刻、14分残業は0分で計算されている違法状態の会社で信用できません。 ① 先日の査定時に、今後は36協定の対象者にする...

    2弁護士回答

法律相談を検索する

裁量労働制の法律ガイド

関連カテゴリから解決方法を探す

弁護士に相談しようと思ったら…

弁護士に見積り依頼をする

複数の弁護士にまとめて見積り依頼

  • 最短3分で依頼完了
  • 依頼内容は非公開
  • 分野に詳しい弁護士から見積り依頼が届く
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識

労働のニュース

  1. MRから単純作業の職種に配転、降格・退職勧奨...
  2. 国会対応などで過酷な「霞が関不夜城」、過労...
  3. 深夜、土日も飛び交う日報、「自主的にやって...
  4. GW終了で「五月病」もう働きたくない…バック...
  5. 「痴漢」で逮捕されたことが会社にバレて、配...
  6. 介護保険法改正で自己負担が2割から3割に…背...
  7. うつ病から復帰後、昇進の打診…「ストレス、...