事業撤退して競合しない場合も不正競争防止法の対象となりますか?

会社Aにて新規事業の準備を行っておりましたが、事業開始を目前にして事業を中止することになりました。それに伴って新規事業のメンバー全員が解雇となりました。
そこで当該新規事業に関わっていたメンバーで新たに会社Bを設立して当該事業を行おうと考えております(会社Aは今後その事業を行うことはありません)。この場合、
1)会社Aで関係構築した取引先に会社Bが営業した場合、不正競争防止法の営業秘密持ち出しに当たるのでしょうか。
2)会社Aが当該事業を行わないことから、損害賠償の対象とならないのではないかと考えているのですが、いかがでしょうか。
3)メンバーは就業規則で顧客情報の持ち出し禁止(退職後含め)と規定されており、漏洩した場合は解雇する、という条項があります。解雇された場合は、この規則は余り意味をなさないように思いますがいかがでしょうか。
2019年05月04日 21時05分

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影山 博英
影山 博英 弁護士
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ありがとう
> 1)会社Aで関係構築した取引先に会社Bが営業した場合、不正競争防止法の営業秘密持ち出しに当たるのでしょうか。

当然には該当しません。
法律は、「営業秘密」を「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。」と定義しています(不正競争防止法2条6項)。
とくに秘密として管理されていたか否かが重要な要件です。
また、秘密として管理されている顧客情報があったとしても、顧客名簿や顧客データの複製物を持ち出すことなく、退職した従業員が頭の中にある情報と公開されている情報とを利用して営業活動を行ったに過ぎない場合、「不正取得行為」(同法2条1項4号)がなく、「営業秘密を使用した」(同項7号)ものともいえず、不正競争行為にはあたりません。
7号との関係では、会社Aが当該事業を行っていない以上、「不正の利益を得る目的」がないという解釈もありうるでしょう。

> 2)会社Aが当該事業を行わないことから、損害賠償の対象とならないのではないかと考えているのですが、いかがでしょうか。

会社Aが当該事業を行わないのであれば、会社Bの行為によって得べかりし利益を得られなくなるという事態を考え難く、逸失利益の損害賠償は問題にならないでしょう。

> 3)メンバーは就業規則で顧客情報の持ち出し禁止(退職後含め)と規定されており、漏洩した場合は解雇する、という条項があります。解雇された場合は、この規則は余り意味をなさないように思いますがいかがでしょうか。

別の理由で解雇されているなら、解雇事由として顧客情報の無断持ち出しが挙げられていること自体には意味はないでしょう。
ただ、顧客情報が秘密として管理されていたか否かの判断において、就業規則で持ち出しが禁止されていたことは(それだけで秘密管理性が肯定されるものではありませんが)肯定する方向での一要素にはなります。

2019年05月05日 10時58分

この投稿は、2019年05月04日時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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