一度出した退職届けを拒否できる?

小さな会社を経営しています。

数ヶ月前に大規模な社風を変えようと幹部で話し合い大枠な新就業規則が出来、社員一同に説明会を開きました。その結果、一部の社員から集団退職の申し出がありました。その後、事態の収集がつかず大規模な就業規則の変更は、延期ということでまとまりました。そして、数ヶ月経ち新しい社員も確保でき、この度改めて大規模な就業規則の変更を行うことになりました。数ヶ月前に退職届けを出した社員は個別面談を行い、何が不満か確認したところ、新規則全てが受け入れられないと確認しました。この場合は、1か月後から新規則を施行すると伝え、自己退職を推奨し1か月後に解雇で問題ないでしょうか?気がかりは、本人の気が変わり新規則を受け入れるので退職したくないと言ってきた場合です。既に新社員の契約はしましたので、今さら居座られても給料が払えません。数ヶ月前に退職届けまで提出した件を気が変わったなど、子供のような理由で居座られるのは会社として非常に迷惑です。先生方のお答えを宜しくお願いいたします。
2015年11月07日 21時44分

みんなの回答

菅 一雄
菅 一雄 弁護士
ありがとう
結論的には、十分慎重に考慮して動かれたほうがいいと思われます。

使用者による自己退職の推奨は、態様が強要的であったりしなければ、使用者側の自由ですが、これに応じるかどうかは労働者の自由です。

退職勧奨に応じない場合に1か月後に解雇できるか、ですが、これはなかなか難しい問題です。
解雇は、労働契約法16条「解雇は、客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、その権利を濫用したものとして無効とする」による制限を受けます。
労働者の出した数か月前の退職届は、就業規則変更の延期とそれに伴う慰留という使用者側の行為によって、既に効力を失っていると思われます。また、数か月経てば労働者の再就職先のあてなどの状況が変わることも熟慮により気が変わることも当然考えられます。これを子どものような理由とは評価できないと思われます。(今更ですが、数か月前の時点で、何か月か先の期限での退職を決めて文書を交わすなどしておくべきだったと思われます。)
また、就業規則の変更も各種の制限を受けます。特に重要なのは労働契約法9条・10条の制限で、労働者が変更に反対している場合、「就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なもの」と言えなければ、その就業規則は労働者を拘束できません。ですから、就業規則に従わないことを理由とする労働者の解雇が正当化されるには、就業規則の変更が合理的でなければなりません。この肝心の点が、ご質問からは判断がつきません。

解雇が適法性や就業規則変更の合理性の判断は、様々な要素を考慮してケースバイケースの判断になる面があり、容易ではありません。また、それだけに、解雇が適法であったとしても、労働者が納得せず争って紛争が続くこともあり得ます。すんなり退職に合意してもらうことがベストですし、そのために慎重に動かれるのがよいと思われます。「子どもじみた理由」などと口に出してしまえば、逆に使用者側の配慮不足と見られて、解雇の適法性を疑われることになりかねないとも心配いたします。ぜひお近くの弁護士にご相談されてはと思います。

2015年11月08日 00時53分

相談者
菅先生お答えありがとうございます!

それでは、新しい就業規則に従い(勤務態度や営業成績、意欲行動など様々な評価に基づき、毎月幹部数名が社員を評価し、評価に応じて翌月から給料が変動するというもの)問題社員の給料は現在月給28万程度ですが、新たな評価では17万程度になると伝えそれでも良いなら続けてもらう。駄目なら退職を考えてもらうといった方法でどうでしょうか?もちろん、問題行動が改善されれば25万程度にはなりますが、集団退職の首謀者を直ぐには信用できませんので、信用を取り戻すまで(行動にもよりますが数年間かかると思います)は評価が低いのは当然だと思います。



まとめます。今回の件で、社内の秘密情報を他に漏らした、風紀を乱した、職務怠慢で問題社員を降格しました。謝罪はありませんが本人も認めています。そして、今後新たな就業規則に従った評価(経営側2名とチーフ社員1名が各社員を平等に評価します)を施行→本人に続けるかどうかの判断をしてもらう。

↑この流れであれば大丈夫でしょうか?
また、同様な問題行動があれば懲戒処分を下すとも伝えています。

2015年11月08日 08時03分

菅 一雄
菅 一雄 弁護士
ありがとう
まず、最初の回答は、単に就業規則に従わないことを理由とする解雇を想定しておりました。

>それでは、新しい就業規則に従い(…略…)問題社員の給料は現在月給28万程度ですが、新たな評価では17万程度になると伝えそれでも良いなら続けてもらう。駄目なら退職を考えてもらうといった方法でどうでしょうか?もちろん、問題行動が改善されれば25万程度にはなりますが、集団退職の首謀者を直ぐには信用できませんので、信用を取り戻すまで(行動にもよりますが数年間かかると思います)は評価が低いのは当然だと思います。

就業規則変更の合理性判断は、一般論もそれなりにボリュームがある上に、結局のところ諸般の事情を考慮する必要がありまして、情報不足にならざるをえないネット相談での回答は困難です。ただし、賃金はもっとも基本的で重要な労働条件の一つですので、減給を伴う変更のときはそれなりに厳しく判断されますので、安易にはお考えにならないほうがいいと思います。賃金以外も含めてトータルで労働者側にもメリットがある、ギブ・アンド・テイクだ、と言えるような何かを用意しておかないと心配です。ご質問者様のケースでは、問題行動が改善されたとしても減給になるようですので、その辺を心配いたします。
そして、労働者の「集団退職」が合理性を欠く就業規則変更に反対するための対抗手段であったなら、使用者側に問題ありと判断されることもあり得ます。「信用を取り戻すまで(…中略…)は評価が低いのは当然だ」というご相談者様の言い分が通るかどうか、かえってマイナスになりはしないか、心配いたします。

(※長文になったので、次の回答に続けます。)

2015年11月08日 13時10分

菅 一雄
菅 一雄 弁護士
ベストアンサー
ありがとう
>まとめます。今回の件で、社内の秘密情報を他に漏らした、風紀を乱した、職務怠慢で問題社員を降格しました。謝罪はありませんが本人も認めています。そして、今後新たな就業規則に従った評価(経営側2名とチーフ社員1名が各社員を平等に評価します)を施行→本人に続けるかどうかの判断をしてもらう。

非違行動に対する懲戒処分も、労働契約法15条「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。」の制約を受けます。懲戒解雇は、いわば極刑ですので、客観的に合理的な理由や社会通念上の相当性の判断も厳しくなります。
過去の非違行動や降格処分と就業規則変更の時間的前後関係が分かりませんが、新たな就業規則に従った評価(効果として減給を伴うもの)の対象とできるのは、就業規則変更後の非違行為に限られると思われます。なお、前提として、就業規則変更が有効である必要もあります。

ご相談者様のケースでは、就業規則変更の有効性がまず重要です。有効なら全体として押していけるでしょうし、有効性に疑問があるなら万が一反撃を受けたときに大きな傷を負うことになります。
また、問題視されている労働者との関係では、非違行為の内容・程度も重要です。

ご質問者様の職場の状況が分からないので、おすすめするつもりではまったくありませんが、企業によっては、強硬手段が危険な場合に、退職金を上積みするなどしてソフトランディングを図る戦略を取る場合もあります。それによって、退職を促すと同時に、退職を拒まれた場合に就業規則の合理性を認められやすくする効果も狙えます。(あくまで例え話で、弱気に出て裏目に出ることも当然あります。)戦略はケースバイケースです。どんな場合にもうまくいく方法はありません。当該労働者や他の労働者のマインドなども含め、職場の状況を正確に把握して、視野を広く持って柔軟に冷静に考える必要があります。ネット相談では困難ですので、ぜひ弁護士に面談でご相談されてはと思います。

2015年11月08日 13時50分

相談者
菅先生ご丁寧にありがとうございます。

問題社員は、元々キャップでした。しかし、度重なる就業規則違反を繰り返し再三注意した結果→今回のような集団退職を企て実行しました。

そして、個別面談にて相手の言い分をしっかりと聞き幹部会で審議を行いキャップとしての行動ではないので、平社員へと降格しました。もちろん、役職が変わったので仕事も変更です。現在はキャップ手当て2万円減給です。

新しい就業規則では、社員のデメリットは数ヶ月に一度レポート提出すること。年間一度、セミナーに参加すること(費用は半分会社持ちです)しかし、強制ではありません。やれば評価があがるというものです。

メリットは、会社からの人件費が上がります。売り上げに対して現行より2%上昇します。(見込みでは全員で年間150万円多く支払う形になります。もちろん全員が上がる訳ではありません。評価が高い社員は50万上がりますし、評価の低い社員は20万下がります。)

この評価は、当たり前の事を評価します。営業成績や顧客管理、身だしなみ、職務態度など。ただ、当社は人間性をより重視しますので、いくら仕事が出来てもネイルや茶髪で出勤したり、風紀を乱す行動などは評価が下がります。この評価基準項目は各社員が自由に見られるようにします。つまり、好き嫌いでは評価されません。やれば必ず昇給します。勤務外労働は上層部になれば月一時間程度ありますが、それ以上の給料が貰えます。

ちなみに当社の8名は、この評価を待ち望んでいます。問題社員1名は反対です。あと1名(問題社員の親友)は、どっちつかずです。

そうですね。菅先生がおっしゃるように情報量が膨大なのでネットだけでは難しい案件かもしれませんね。当社は法人化していますので、社労士さんはいますが、顧問弁護士さんはいません。この機会に検討してみます。

2015年11月09日 08時12分

菅 一雄
菅 一雄 弁護士
ありがとう
ご説明いただいて、なるほど、いろいろ分かりました。
会社の状況をよく理解している弁護士がいると、お役に立てる場面もあると思いますので、ぜひ弁護士をご活用いただけると幸いです。

2015年11月09日 11時05分

この投稿は、2015年11月07日時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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