【相続】配偶者に一切財産を渡したくない…生前にできる対策は?

夫婦仲が悪く、自分が死んでも配偶者には財産を与えたくないーー。そのようなことが実現できるのでしょうか。有効な対策はあるのでしょうか。

  • 遺言書を作成すれば実現できる?
  • 推定相続人廃除が認められるのはどんな場合?
  • 不貞行為を理由に廃除が認められる?

こういった疑問について「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 仲の悪い夫に一切相続させたくない!そんなことができる?
  2. 相続人の廃除が認められるのはどんな場合?
  3. 不貞行為を理由とする推定相続人廃除は認められる?
  4. まとめ

仲の悪い夫に一切相続させたくない!そんなことができる?

alt 全財産を、仲が悪い夫ではなく、子どもだけに相続させることはできるのでしょうか。

妻が亡くなった時の妻の財産

相談者の疑問 主人、私、子ども2人の家族です。主人が2階、私と子ども達は1階の家庭内別居生活です。食事も別、一切接することはありません。

私が死んだら、私の貯金や保険、全て主人にいっていまいますか?子ども達にだけ残す方法はありますか?相続人廃除はハードルが高いと聞きました。離婚しか方法はありませんか?

主人は家族放棄、ギャンブル依存です。子どもは4歳と1歳です。

山崎 佳寿幸の写真 弁護士の回答山崎 佳寿幸弁護士 あなたが死亡した場合、あなたの財産の半分は夫が、残り半分を2等分してお子様方が相続します。

遺言書ですべての財産をお子様方に相続させる方法はありますが、夫は遺留分を主張して、法定相続分の半分について権利を主張することができます。離婚することがもっとも確実な方法です。

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相続人の廃除が認められるのはどんな場合?

alt 遺言書を書くだけでは、財産を一切配偶者に相続させないことは難しいようです。他に有効な対策はないのでしょうか。

夫に相続させない方法

相談者の疑問 憎い夫に、妻が先に死んだ場合、1円も夫に相続させない方法は離婚しかありませんか。

岡村 茂樹の写真 弁護士の回答岡村 茂樹弁護士 推定相続人に、

被相続人に虐待をし、もしくは重大な侮辱を加えたとき
その他の著しい非行があったとき

相続から除外する廃除の手続きがあります。

被相続人が生きている間であれば、家庭裁判所に申立てをして審理してもらいます。または、遺言書で廃除の意思を明示することも可能です。

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不貞行為を理由とする推定相続人廃除は認められる?

alt 配偶者の不貞行為を理由に、推定相続人廃除が認められる可能性はあるのでしょうか。

相続人排除。この事情で排除は認められますか?

相談者の疑問 夫の不倫で別居3年半です。毎月生活費の振込みはありますが2年以上音信不通です。別居をする4年以上前から不倫をしており、今現在の関係はわかりません。今回の不倫以前にも3回継続的な不倫がありました。

事情があり今すぐ離婚はできないので遺言書は書いておりますが、いずれ離婚するまでの間に私が死んだ場合、夫の遺留分含め全て子どもに相続させたいのです。この事情で廃除は認められますか?また、調停時、私の財産内容、総額を夫に内密にできますか?

川添 圭の写真 弁護士の回答川添 圭弁護士 相手方による不貞行為を原因として別居状態にある場合に、相手方が、民法892条に基づく推定相続人廃除の審判が認められるかどうかが問題となります。

過去の裁判例を検索すると、被相続人の夫が不貞行為により別居しており、被相続人がガンで闘病生活を送り死に至るまでの間も不貞相手との関係を続けて妻のことを省みなかったという場合に、夫が被相続人に対し別居中の婚姻費用を負担していたという事情があっても「その他の著しい非行」に該当するとして、被相続人の遺言による相続人廃除の審判が認められた事例がありますので(名古屋家庭裁判所昭和61年11月19日審判・家裁月報39巻5号56頁)、不貞行為による別居の事案で全く認められないということはないと思いますが、例えば現在は不貞相手と別れてしまっているような事案などでは、「著しい非行」と評価されるかどうかが微妙になってくる可能性もありますので、ご質問の事案で推定相続人廃除が認められるかどうかは、お書きの事情だけでは何ともいえないところです。

また、推定相続人廃除の審判においては、手続上は申立て人の財産の状況を説明する資料の提出を要求されているわけではありませんので、相続財産となるべき資産の詳細を明らかにする必要はないと思います。

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まとめ

配偶者には遺留分を請求する権利があるため、遺言書で「子どもに全財産を相続させる」などと書いたとしても、最低限の相続分は取り戻されてしまう可能性があります。 家庭裁判所に配偶者について推定相続人廃除の申立てを行い、家庭裁判所に認められた場合は、配偶者を相続人から外すことができます。 廃除された人は遺留分を請求する権利も失うため、相続分を取り戻されることはないでしょう。

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