遺言書

弁護士監修記事 2018年02月07日

手や耳の不自由な家族が遺言書を作成することができるのか【弁護士Q&A】

いざ相続が始まったときにもめないよう、生前に遺言書を残しておいてほしいと考える方もいるでしょう。では、親などが病気や障害のため遺言書を直筆できない場合、どうすればよいのでしょうか。

  • 手が不自由な人でも遺言書を作成できる?
  • 耳が不自由な人でも遺言書を作成できる?
  • 本人の代わりに家族が作成してもよい?

このような疑問について「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 手が不自由な人が遺言書を作成することはできる?
  2. 耳が不自由な人に遺言書を作成させるには?
  3. 弁護士だけの立会いでも公正証書遺言を作れる?
  4. まとめ

手が不自由な人が遺言書を作成することはできる?

alt 親などに遺言書を作成してほしくても、病気や障害などの理由で直筆が難しい場合、どうすればよいのでしょうか。

父の遺言書の作成に関して


相談者の疑問
父の遺言書の作成に関して相談です。父は車椅子を利用していて、外出できません。相続人は、私長女と妹(次女)です。母は他界。パーキンソン病で字はかけませんが、サインぐらいはできます。認知なし、頭はハッキリしています。

父の介護は、私が中心でやっています。母の介護から、約10年。妹とは仲良くやっています。遺言書の作成方法はありますか?できたら、私が作成できればと希望しています。


加藤 尚憲弁護士
(1)遺言書の作成方法について
相続についてあらかじめ定めておくためには、法的に唯一有効な方法は、遺言書の作成です。

遺言書を作成するには、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。

自筆証書遺言は、方式を間違えて無効になったり、複数の解釈が可能な文章を書いてしまったり、利害関係者から偽物だと難癖をつけられるなど、トラブルが後を絶たないため、必ず公正証書にすることをお勧めします。

なお、仮にお父さんが署名できない時は、公証人が代わって署名することもできます。いずれの方式をとるにせよ、あなたが代理で遺言書を作成することはできません。

(2)公正証書の作成方法
公正証書は、公証役場ないし公証人に出張してもらって作成します。いずれも(予め準備を整えておけば)20分程度しかかかりません。

あなたのケースでは、お父さんに公証役場に行ってもらうか、公証人を自宅に呼ぶか、いずれかが必要です。

いずれも困難性が伴うようですが、何としてでもこの点を乗り越えていただくことをお勧めします。親戚の目を気にしている場合ではないと思います。

公正証書の作成費用は、一般的に、相続財産が自宅と預貯金が数千万円程度の場合、5万円〜10万円程度の場合が多いです。

(3)専門家の活用について
あなたのケースでは、遺言書作成の段取りを整えておくためにも、弁護士の助力を得ることをお勧めします。費用が気になる場合は、最初の相談時に見積もりを聞いてみるとよいでしょう。

本人の代わりに他の家族が遺言書を書くことはできないようです。 本人が遺言書を直筆できない場合は、公証役場に依頼して公正証書遺言を作成する必要があるでしょう。上記のケースのように、外出も難しい場合は、公証人に出張してもらうことができるようです。

耳が不自由な人に遺言書を作成させるには?

alt 耳が不自由な人に遺言書を作成させるにはどうすればよいのでしょうか。

公正証書遺言読み聞かせについて。


相談者の疑問
私の父は公正証書遺言を作り亡くなりました。その内容について不思議に思っていることがあります。その公正証書遺言には公証人が遺言者である父と立会人2人に遺言内容を読み聞かせたと書いてありましたが、父は耳鼻科で難聴と言う診断が出ており、公正証書遺言作成当時は耳元で大声で話さなければ聞こえないような状態でした。

先日公証人に話を聞いてきたのですが、公証人は父の耳元では読み聞かせしておらずテーブルを挟んで向かい合い読み聞かせしただけだそうです。その状態では父は聞こえなかったと思います。聞こえていなくても読み聞かせしたことになるのでしょうか?


松丸 伸一郎弁護士
難聴の方の場合(耳の全く聞こえない方も)、公正証書を読み聞かせる代わりに、閲覧することによって、公正証書の正確性を確認する方法があります。公証人が、御相談者の父親に公正証書を閲覧させていないか確認してみるとよいと思います。

耳が不自由な人に対しては、公正証書遺言の作成にあたって、読み聞かせの代わりに本人に閲覧させることで、有効な遺言書の作成が可能なようです。

弁護士だけの立会いでも公正証書遺言を作れる?

alt 公証人ではなく、弁護士立会いのもとで、公正証書遺言を作成することも可能なのでしょうか。

独身の遺産相続について


相談者の疑問
鬱病の叔父が70を超えた高齢で、既婚歴なし・独身で、兄弟が母と妹、私にあたる叔母がいます。母に遺産を残したいと言い遺言書を作成したいのですが、手も不自由なため、文章が書けません。ハンコは実印あり。

弁護士さんに立会いを頼むべきでしょうか?あと母も高齢なのですが、母が叔父より先に亡くなると叔母に相続がいくのですか?子どもの私になりますか?


森田 英樹弁護士
>弁護士さんに立会いを頼むべきでしょうか?

弁護士が立ち会うだけでは意味がありません。弁護士に相談して公証人と連絡をとってもらい公正証書遺言を作れるようにされるのがよいです。

>あと母も高齢なのですが母が叔父より先に亡くなると 叔母に相続がいくのですか?子どもの私になりますか?

そのままであれば遺言がなかったことになり、叔母とあなたが法定相続することになります。そのような場合に備え、遺言書で母に相続させるとした遺産はすべてあなたに遺贈するなどと2段構えの内容にしておけばよいです。

公正証書遺言を作成する場合、弁護士だけではなく、公証人の立会いが必要なようです。

まとめ

手や耳が不自由な人にでも、公正証書遺言の形式であれば、有効な遺言書を作成させることができるようです。本人が外出できない場合は、公証人に家まで出張してもらうこともできるでしょう。 弁護士だけの立会いでは公正証書遺言を作成することはできません。本人に代わって他の家族が代筆することもできないため、注意しましょう。

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