遺産分割の決定に従わない相続人がいる場合の対処法?

遺産分割の話合いがまとまったにもかかわらず、その内容に従うことを拒否している人がいる場合、どうすればよいのでしょうか。

  • 話合いが終わったのに遺産分割に協力しない人がいる場合
  • 遺言執行者が相続分の支払いに応じない場合

これらの疑問について「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 遺産分割の手続きに協力しない相続人がいたら?
  2. 遺言執行者が相続分を支払ってくれなかったら?
  3. まとめ

遺産分割の手続きに協力しない相続人がいたら?

alt 遺産分割の手続きに協力しない相続人がいる場合、他の相続人はどうすればよいのでしょうか。

相続分割協議書の手続きに応じない

相談者の疑問 母親の相続で実家に1人残った精神障害を持った兄が、相続手続きや家のタンス預金を分けるのに応じてくれません。どう対処したらよいでしょうか。

加藤 尚憲の写真 弁護士の回答加藤 尚憲弁護士 遺産分割協議書の作成が終わっているということは、署名捺印がなされ、印鑑証明書の交換もなされているということですね。そうであれば、後は、以下の通り、財産の種類によって対応が異なります。

①預貯金について
あなたが相続することとなった預貯金については、金融機関に遺産分割協議書と印鑑証明書を添えて解約申出書を提出することにより、あなたが単独で解約手続を行うことができます。お兄さんの協力は不要です。

②不動産について
あなたが相続することとなった不動産については、法務局に遺産分割協議書と印鑑証明書を添えて登記申請書を提出することにより、あなたが単独で解約手続を行うことができます。お兄さんの協力は不要です。

③現金(タンス預金)について
あなたが相続することとなった現金のうち、お兄さんが管理しているものについては、お兄さんに渡してもらう必要があります。お兄さんが渡してくれない場合は、お兄さんに対して訴訟を提起することにより、あなたの権利を実現します。

遺産分割に応じない相続人がいる場合、自分が相続することになっている預貯金や不動産は、必要書類を用意しておけば、金融機関や法務局において単独で相続するための手続きを行えるようです。 現金を渡してもらえない場合は、裁判を起こして争うことになるでしょう。

遺言執行者が相続分を支払ってくれなかったら?

alt 遺言書の内容を実現する遺言執行者が、なかなか相続分のお金を支払わない場合、どうすればよいのでしょうか。

遺言執行者に対する財産の引渡請求について

相談者の疑問 遺言執行者(相続人)から財産目録が届いた後、財産(金員)を渡さないため、遺言書(私に財産の5分の1を相続させるという記載があります)及び民法646条に基づいて財産を私名義の口座に振り込むよう内容証明で請求しましたが、期限を過ぎても応じません。

この場合、不当利得の返還請求、損害賠償、遺言執行者の解任申立て(別件で解任申立てをしましたが却下されています)のいずれで請求などをすればよろしいのでしょうか。

山岸 陽平の写真 弁護士の回答山岸 陽平弁護士 どれくらいの月日が経っているのかにもよるとは思いますが、お書きの事情以外に特段の事情(何らかの準備や協議が必要な状況)がないのであれば、不当利得に基づく返還請求や不法行為に基づく損害賠償請求ではなく、ストレートに相続分の支払請求の訴訟を起こすという手があると思います。

また、遺言執行者の解任申立は、場合によっては、金銭請求と同時並行的にもできると思います(ただ、別件で却下されているということであり、認容されるとは限らず、職務懈怠(けたい)の状況によるでしょう)。

遺言執行者が遺言書にもとづく相続分を支払わない場合は、相続分の支払い請求の裁判を起こすという方法があるようです。場合によっては、遺言執行者の解任の申立てを検討した方がよい場合もあるようです。

まとめ

遺産分割に応じない相続人がいる場合でも、遺産分割協議書など必要書類がそろっていれば、単独で、預貯金や不動産の解約手続きなどが行えるようです。 遺言執行者が相続分を引き渡さない場合は、相続分の支払請求の裁判を起こして争うことになるでしょう。遺言執行者の解任を申し立てることを検討した方がよい場合もあるようです。

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