遺品整理が終わった後に借金発覚…相続放棄できる?【弁護士Q&Aまとめ】

遺品整理をした後に、亡くなった人の借金が発覚した場合、相続放棄をすることはできるのでしょうか。

  • 遺品整理をした後でも、相続放棄はできるの?
  • 経済的価値がないものなら処分してもよい?

この疑問について「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 遺品整理後に借金発覚…相続放棄できる?
  2. どの程度なら遺品整理をしてもよい?
  3. まとめ

遺品整理後に借金発覚…相続放棄できる?

alt 遺品整理をした後でも、相続放棄をすることができるのでしょうか。

家の片付けをしてる最中の相続放棄

相談者の疑問 家の片付けをある程度してしまった後、相続放棄はできるのでしょうか?家賃滞納などがあることがわかり放棄したいと思っています。衣類などは捨ててしまいました。家電などはまだ残っています。

新保 英毅の写真 弁護士の回答新保 英毅弁護士 理論的には、相続財産を処分した場合、単純承認とみなされ、相続放棄ができなくなります。

ただし、片付けの一環で無価値物を処分したにすぎない場合は、相続財産の処分とはみなされないでしょう。

何を処分したのか、できる限り記録に残しておくべきです。

なお、相続放棄の申述段階では、家庭裁判所は、単純承認事由をそこまで厳密に審査せず、形式要件を具備していれば相続放棄の申述は受理してもらえるでしょう。

ただし、その後、相続放棄に異議のある相続債権者が相続債務の支払いを求めて放棄者に対し相続債務の支払いを求める民事訴訟を起こしてきた場合、その民事訴訟の中で相続放棄の有効性が最終的に判断される仕組みです。

弁護士に相談の上、まずは相続放棄の申述をしてみてはいかがでしょうか。

遺品整理で亡くなった人の持ち物などを処分すると、単純承認をしたと見なされるため、相続放棄ができなくなる可能性があるようです。 家庭裁判所では相続放棄が受理されても、異議のある債権者が支払いを求めて裁判を起こした場合に、遺品を処分したことが争いになるリスクが考えられます。 遺品にはなるべく手をつけず、すでに処分してしまったものについては、記録を残しておくとよいでしょう。

どの程度なら遺品整理をしてもよい?

alt 相続放棄をするつもりの場合、どの程度なら遺品整理をしてもよいのでしょうか。

遺品整理後の相続放棄とハウスクリーニング

相談者の疑問 先日、7年ほど疎遠になっていた母親が、1人暮らしのアパートの一室で10日ほど前に亡くなっていたと警察から連絡がありました。

親戚関係にかなり嫌われている母親で住んでいた場所もかなり遠方ということもあり、私1人で火葬などの手続きに行くことになりました。

借金がかなりあるようなので相続放棄をしようと思うのですが、その場合、遺品はどの程度まで持ち出しても大丈夫なのでしょうか?

また、アパートの現状回復の責任は私にあるのでしょうか?保証人は母親の叔父と父親になっていますが、両方とも最近亡くなっています。

それと母親は生活保護で暮らしていたのですが、そのお金の残りなどを火葬などの費用に私の判断で使ってもよいのでしょうか?

鐘ケ江 啓司の写真 弁護士の回答鐘ケ江 啓司弁護士 まず遺品をどの程度持ち出してよいかということですが、一般論としては手紙や写真などの市場価値がないものであれば形見分けとして許されますが、実務的には相続放棄が受理されるまではなるべくいじくらないのがよいです。

疑いをかけられるのを防止するのと、高価品だと「単純承認」として相続放棄ができなくなる危険性があるからです。

遠藤浩ほか編『有斐閣双書 民法(9)相続 第4版増補補訂版』(2005年、有斐閣)の157ページにはこう書いています。「経済的価値の高い美術品や衣類の形見分けや、相続債務の代物弁済として相続財産たる不動産を譲渡することや、相続債権を取り立てて収受領得することは、単純承認とみなされる処分だとされている」。

次に、原状回復については相続放棄をすれば責任はありません。

財産の残りを葬儀費用として利用することですが、自分の判断での支出というのはやめておいた方がよいです。故人に見合った程度の葬儀費用の支出を、故人の財産から支出しても単純承認にはあたらないという見解は有力ですが、確定的な最高裁判例があるわけではありません。

あなたの生活も苦しいということであれば、生活保護として葬祭費用を出してもらえる場合もあります。役所の生活保護課に相談してみて下さい。

一般論として、市場価値のない手紙や写真などを持ち出しても、単純承認とは見なされないようですが、確実に相続放棄をしたければ、それらの遺品にも手をつけないほうが無難なようです。 相続放棄が受理されれば、亡くなった人が住んでいた家の原状回復費用などを求められても、支払いに応じる必要はありません。

まとめ

遺品整理で価値があるものを処分してしまうと、後で亡くなった人の借金が発覚しても相続放棄ができなくなる可能性があるようです。 手紙や写真など経済的価値がないものであれば、持ち出しても単純承認とは見なされないでしょう。しかし、確実に相続放棄をしたいのであれば、価値がない遺品にも手をつけないほうがよさそうです。

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