【相続】学費や開業資金を援助された兄弟の相続分を減らせる?

自分以外の兄弟が親から開業資金や学費の援助などをしてもらっていた場合、何も援助を受けなかった人は「自分だけがお金をもらえず不公平だ」と思うかもしれません。 親が亡くなって相続が発生したとき、お金の援助を受けたことは特別受益にあたるとして、兄弟に対して、遺産の取り分を減らすよう求めることができるのでしょうか。 みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 開業資金や借金の肩代わりは特別受益?
  2. 遺産の取り分の調整方法は?
  3. まとめ

開業資金や借金の肩代わりは特別受益?

alt 自分以外の兄弟が、親に店の開業資金や借金を肩代わりしてもらったり、学費を出してもらったりした場合、それらの援助は特別受益にあたるのでしょうか。

姉妹の特別受益は認められるでしょうか

相談者の疑問 四姉妹です。長女は喫茶店の開業資金、消費者金融の借金の肩代わり。二女は都会の私立の大学。四女は都会の私立の短大。それぞれ親にお金を出してもらっています。私は三女で、高校を卒業後は一切親からお金をもらっていません。

親の遺産相続が発生した場合、姉妹の特別受益は認められるでしょうか。二女が私立大学に通っている頃は、親はいつも、お金がない、と口癖のように言っていました。私も私立の大学に行きたい、とは、親の負担が大きくて、言えませんでした。

二女が大学を卒業後に、四女が高校を卒業したので、四女は何とか短大に行かせてもらえたと考えています。親の遺産相続が発生した場合、私は、少し多めにもらいたいと思っています。

新保 英毅の写真 弁護士の回答新保 英毅弁護士 長女の開業資金や借金の肩代わりは、特別受益に該当する可能性が高いでしょう。

学費については、学費の金額、高等教育か否か、親の収入、社会的地位によるかと思います。

一般的には、短大や(医学部以外の)大学くらいであれば、特別受益になりにくいという印象です。

店の開業資金や借金の肩代わりは、特別受益となる可能性が高いようです。学費については金額など個別の事情によって判断が変わるようですが、短大や、4年制大学でも医学部以外の学部の学費であれば、特別受益になるとは考えにくいようです。

遺産の取り分の調整方法は?

alt 援助を受けた兄弟と受けていない自分との不公平を、どのように調整するのでしょうか。

生前贈与について教えてください。

相談者の疑問 母が亡くなり、兄に3000万円が生前贈与されていたことが遺言でわかりました。

その3000万円については全く知らなかったので、母の財産の全てについて話合いで遺産分割協議をすることはできますか?

高島 秀行の写真 弁護士の回答高島 秀行弁護士 生前贈与分3000万円は特別受益として、亡くなった時点での遺産に加算して各相続分を計算し、兄は既に3000万円を受け取ったとして残りの遺産の分割を決めます。

遺産総額を明らかにしないと、どう分けるかということについて回答することは難しいです。遺産全てを明らかにして弁護士に面談で相談された方がよいかもしれません。

大西 純の写真 弁護士の回答大西 純弁護士 生前贈与分については、遺産ではありません。しかし、それが特別受益に該当する場合には、その贈与を、いわば遺産を先取りでもらったかのように考慮して、遺産分割協議をすることができます。

相続人が2人だけで、その特別受益より遺産の価額が少ない場合、お兄さんは遺産については取り分が1円もない、という可能性もあります。ただし、超過分があったとしても、払い戻しをさせることまではできません。

なお、遺言書で、特別受益の持戻免除が記載されている場合は、特別受益として考慮することはできなくなります。

生前贈与が特別受益となる場合、相続財産の総額に特別受益の額をプラスしてそれぞれの人の相続分を計算し、調整することになるでしょう。これを「特別受益の持戻し」と言います。 ただし、遺言書に「特別受益の持戻しを免除する」などと書かれている場合は、特別受益のルールを当てはめずに相続分を計算することになるようです。

まとめ

店の開業資金や借金の肩代わりは、特別受益とみなされる可能性があるでしょう。大学の学費は、個別の事情に応じて判断が分かれるようです。 特別受益を受けた人とそうでない人との不公平を調整するために、相続財産の総額に特別受益の額をプラスしてそれぞれの人の相続分を計算します。 ただし、遺言書に持戻しを免除するなどと書かれている場合は、このルールを当てはめずに計算することになるでしょう。

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