寄与分が認められるポイントーー介護をしたら財産を多く相続できる?

亡くなった人を長年介護してきたことを理由に、他の人よりも多く財産を相続できる可能性はあるのでしょうか。

  • 介護を理由に財産を多く相続できる?
  • 寄与分が認められるにはどの程度の介護が必要?
  • 夫の家族を介護した妻は、寄与分を主張できる?

これらの疑問について「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 亡くなった人の介護をしたら相続できる財産が増えるのか
  2. どの程度の介護をしていれば寄与分が認められるのか
  3. まとめ

亡くなった人の介護をしたら相続できる財産が増えるのか

alt 亡くなった人の介護をしてきたことを理由に、他の相続人よりも多くの財産を相続することができるのでしょうか。

寄与分の相場や計算の仕方

相談者の疑問 亡き母に対する寄与分について質問です。要介護3で1年、要介護4で1年、合わせて2年在宅介護をしてきました。

こういうケースでは寄与分はどの程度認められるでしょうか?相場や計算方があれば教えて下さい。

①生活費、介護サービス、病院代などは本人が全て払っており、私たちの金銭負担はなし。

②母の介護と同時に要介護2で視覚障害のある父の介護もあるため、長男と長女の2人で1日交代で介護してきました。

③無報酬で介護してきました。

④家政婦や看護資格のあるかたに日中や夜間に家に入ってもらうことも考えましたが、母も父も他人が家に四六時中出入りすることが嫌だと言うので最低限のサービスだけ受けてきました。

豊芦 弘の写真 弁護士の回答豊芦 弘弁護士 もちろん、具体的な状況にもよるかとは思いますが、相談者様に寄与分が認められる可能性はほとんどないと考えます。

寄与分が認められるためには、被相続人の事業に関する労務の提供または財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与が必要です(民法904条の2)。

他方で、親子の間には、互いに助け合わなければならない(民法730条)。として、扶養義務定められており、この扶養義務については、金銭の負担も含むものです。

寄与分は、この親族間の扶養義務を超えて、「特別の」寄与をした場合に、認められるところ、相談者様の事例では、「特別の」寄与と評価されないだろうというのが弊職の意見です。

寄与分が認められると、法律で決められた取り分よりも多くの財産を相続することができます。 ただし、寄与分が認められるのは、親族間の扶養義務の範囲を超えて「特別の」寄与をした場合のようです。 介護をしても、その内容が、家族として行うべき扶養義務の範囲内といえる場合は、寄与分が認められる可能性は低いようです。

どの程度の介護をしていれば寄与分が認められるのか

alt どのくらいの介護をしていれば、寄与分が認められるのでしょうか。また、配偶者の家族を介護してきた人など、法定相続人ではない人が寄与分を主張することはできるのでしょうか。

夫の兄弟を介護した場合寄与分みとめられるかについて

相談者の疑問 5人兄弟の主人(4番目)の長兄(障害者、配偶者子どもなし)の介護のため仕事をやめて介護してきた者です。その兄がなくなり、すぐ下の姉達は「相続放棄する、面倒をみたあなたがもらえばいい」と言ってくれてます。

しかし、長兄の後に死亡した末の妹の子が、その父親からの入れ知恵なのか、「自分にも相続権があるのでは」と言ってきました。私や私の主人は、介護した分を考慮した相続をすることはできないのでしょうか?

今枝 仁の写真 弁護士の回答今枝 仁弁護士 貴方には相続権はありませんが、貴方の寄与を、夫の寄与分として考慮することは可能です。

ただし、寄与分というのは、ただ貢献したというだけで、被相続人の財産を増やしたか、減るのを防いだという経済的効果が必要です。

介護の場合、貴方が介護しなければホームヘルパーを雇い、いくらくらいの損失が生じており、逆に、貴方が介護することで、いくらくらい損失を防ぐことができたかが問題になります。

介護保険ができてからは、介護を頼んだ場合にかかる費用も安くなっていますので、介護による寄与分は低くなる傾向にあります。

介護をしたことで、亡くなった人の財産を維持できた・増やすことができたといった、経済的効果の有無や程度が、寄与分が認められる1つのポイントになるようです。 夫の家族が亡くなった場合、その妻は法定相続人ではありませんが、介護をしてきたことが夫の寄与分として考慮される可能性はあるようです。

まとめ

寄与分が認められると、法律で決められた取り分よりも多くの財産を相続することができます。ただし、寄与分が認められるハードルは高く、親族間の扶養義務の範囲を超えて「特別の」寄与をした場合でなければ認められないでしょう。 介護したことによって、亡くなった人の財産を維持したり増やしたりできた、という経済的効果が生み出されていたかどうかという点も、寄与分が認められるための1つのポイントのようです。

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