遺言書に「封」がされていない場合でも遺言の効力はあるのか

相続の手続きを行うにあたって、封筒に入っていない遺言書は法的に有効なのでしょうか。 封や封印がされている遺言書を見つけた場合、見つけた人が開封してもよいのでしょうか。

  • 封筒に入っていない遺言書は有効?
  • 封や封印がされている遺言書を発見。見つけた人が開封してよい?
  • すでに誰かが開封した遺言書を見つけたら、どうすればよい?

こうした疑問について「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 封筒に入っていない遺言書に、効力はある?
  2. 封や封印された遺言書を勝手に開けてもいい?
  3. すでに開封された遺言書が見つかったら?

封筒に入っていない遺言書に、効力はある?

封筒に入っていない遺言書が見つかった場合、その遺言書は法的に有効なのでしょうか。

見つかった遺言書について

相談者の疑問 祖父がなくなりました。遺言書が見つかりましたが、和紙に毛筆で書いてあり、封筒には入れずに、別の和紙でつつまれていました。

これは、封をしていないということになるのでしょうか?開けて見てしまいましたが大丈夫でしょうか?

署名、捺印はされており、署名は明らかに祖父の筆跡です。しかし、日付が、1回書いたものを二重線で消して新しい日にちに書きかえてありました。訂正印はありませんでした。

これは有効な遺言書となるのでしょうか?

高島 秀行の写真 弁護士の回答高島 秀行弁護士 封をされていなくても、全文自筆で書いており、署名捺印があれば、自筆証書遺言としては有効です。

訂正する際には訂正印を押すことが要件なので、日付の訂正が有効性に影響を与えるか問題になる可能性はあります。ただ、日付なので、影響を与えず有効と考える可能性が高いような気はします。

あなたに有利な遺言であれば、遺言は有効だと考えて検認手続きをして、遺言に従って遺産を取得すればよいと思います。

問題が発生したら弁護士に相談あるいは依頼してください。

遺言書は封筒に入れなければならない、というルールはないようです。 全文が亡くなった人の直筆で、署名捺印があるなど、要件を満たしている遺言であれば、封筒に入れて保管されていなくても有効なようです。

封や封印された遺言書を勝手に開けてもいい?

封や封印がされている遺言書を見つけた場合、見つけた人が開封してもよいのでしょうか。

弁護士は検認前の自筆遺言書を開封出来ますか?

相談者の疑問 内縁の妻が亡くなり自筆の遺言書が出てきました。知人が言うには、裁判所に持って行く前に内容を見てから判断した方がいいと言います。

検認前の自筆証書遺言を開封できますか?

川添 圭の写真 弁護士の回答川添 圭弁護士 遺言書が封筒に封入されている場合、開封せず、検認期日において開封してもらうようにすべきです。

特に、封筒の上に遺言の成立要件となる遺言者の氏名・日付の自筆や押印(封に押されている契印も含む)がなされている場合、開封してはいけません。

なぜなら、封筒内に入っている遺言書本体に押印や日付などの記載がない場合でも、封筒と一体として考えれば遺言の成立要件を満たし有効な遺言と評価できる可能性があるからです。

検認期日に裁判所で開封した場合、封のされていた封筒も一体として遺言書として取り扱われますが、先に開封してしまうとその証明ができません。

封筒上に遺言要件にかかわる記載や押印がない場合は、開封しても遺言の有効無効の判断に支障はありませんが、偽造や変造などを疑われることもありますので、やはり、開封せずに検認申立てを行うのが無難であるといえます。

封筒に入っている自筆証書遺言が見つかった場合、まず家庭裁判所で検認の手続きを行う必要があるようです。 勝手に開封すると、偽造や変造などを疑われるかもしれません。開封せずに、そのままの状態で裁判所に持参しましょう。

すでに開封された遺言書が見つかったら?

封筒には入っているけれど、すでに誰かが開封した遺言書が見つかった場合、その遺言書は有効なのでしょうか。

相続です。自筆遺言書がみつかりました。

相談者の疑問 自筆遺言書が見つかり、日付、名前、内容、押印があります。ただし、開封されています。有効性がありますか?ただし、一部文字が見づらいものもありますが読めます。相続で、有効性があるのでしょうか?

波多野 進の写真 弁護士の回答波多野 進弁護士 中身を実際に見ないと申し上げようがないですが、まずは検認手続きを取られるべきと思います。
要件を充たしていて中身が特定できるのでしたら、有効になる可能性が十分あると思います。

すでに開封された遺言書でも、書き方の要件などを満たしている場合は、有効な可能性があるようです。 家庭裁判所で検認の手続きを行いましょう。

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