相続

2018年01月24日

相続人が故人の内縁とトラブルになった場合の対処法【弁護士Q&A】

亡くなった人に内縁の妻(夫)がいた場合、その人に相続権は認められるのでしょうか。 内縁の妻(夫)に相続権を主張された場合、相続人はどのように対応すればよいのでしょうか。 これらの疑問について「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と、弁護士の回答をもとに解説します。

目次

  1. 内縁の妻に相続権はあるのか
  2. 内縁の妻が家から出ていかない場合は?

内縁の妻に相続権はあるのか

亡くなった人の内縁の妻には、相続権があるのでしょうか。

内縁の妻の遺産相続について


相談者の疑問
父が死去し(母は離別しています)、遺産相続の話となりました。

父には亡くなるまで12年間ほど交際していた女性がいて、亡くなる直前まで入院先の病院で世話をしてくれていました。持ち家の自宅には一歩も入ったことがないようですが、親戚の方々も内縁の妻と認めています。

あとは私と私の弟が被相続人となるようです。

そこで質問なのですが、この方が遺産の50%を相続した場合、もし何年か後にこの方が亡くなられた場合、この方の遺産の何割は私達が相続できるものなのでしょうか?


新保 英毅弁護士
そもそも内縁の妻は、法定相続人ではありません。
内縁の妻は、相続人がいない場合に特別縁故者として財産分与の申立てができる場合があるにすぎません。

したがって、父に遺言がなく、相談者らが相続する以上、内縁の妻は父の遺産を相続しません。

また、内縁の妻が父の遺産について特別縁故者として財産分与請求ができたとしても、内縁の妻と相談者らが養子縁組をしていない限り、相談者らは父の内妻の相続人にはならず、財産を承継しません。

原則として、内縁の妻には相続権がないようです。 ただし、遺言が残されている場合や、特別縁故者として申立てができる場合など、例外的に財産を取得できるケースもあるようです。

内縁の妻が家から出ていかない場合は?

内縁の妻が、亡くなった人の家に居座って出ていかないという場合、強制的に立ち退かせることはできるのでしょうか。 家を譲り渡さなければならない場合もあるのでしょうか。

祖父の内縁の妻について


相談者の疑問
祖母が他界したあと、祖父には身の回りの世話をしていた内縁の妻がいたらしいです。いま祖父の孫が住んでいる家をその内縁の妻に遺贈するとのことだったらしく。最近知りました。

内縁の妻は相続人ではないと思うのですが、この場合私たち相続人は祖父の内縁の妻に家を譲り渡さなければいけないのでしょうか?


梅村 正和弁護士
そのような遺言があれば、そうなります>。
そうでなければ、内縁の妻は相続人ではないので、相続できないのが原則です。

ただし、内縁の妻が自主的に出て行かない場合は、立ち退き請求の訴訟をして勝訴判決を取らなければ強制的に立ち退かさせることはできません。

また、裁判例によっては、内縁の妻に使用貸借権(賃料を払わずにタダで住み続ける権利)を認めたり、あるいは、相続人の立ち退き請求が権利の濫用であるとして、相続人からの立ち退き請求を認めなかったものもあるので、裁判したからといって確実に立ち退かせられるとは限りません。

その物件を内縁の妻にどうしても渡したくないのであれば、いくらか内縁の妻が納得する立退料を払って出て行ってもらうか、あるいは、内縁の妻が生きている間は、そこに住まわせて、その人が亡くなった後、処分することにするということであれば、裁判を避けることはできます。

亡くなった人が遺言で、内縁の妻に家を譲る意思を示している場合は、内縁の妻が故人の家を財産として取得できることがあるようです。 そうした遺言がない場合でも、故人の家に住み続ける内縁の妻を立ち退いてほしい場合は、裁判で勝訴判決を得なければなりません。 裁判を避けたい場合は、立退料を支払って出て行ってもらうなどの方法が考えられます。

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