相続

弁護士監修記事 2018年01月23日

家族が孤独死…アパートの原状回復費用の支払いを求められたときの対処法

家族がアパートやマンションなどの賃貸物件で孤独死した場合、大家から原状回復費用や滞納家賃を請求される場合があります。こうした請求には応じる必要があるのでしょうか。これらの疑問について、「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と、弁護士の回答をもとに解説します。

目次

  1. 原状回復費用や滞納家賃の支払いを求められたら
  2. 亡くなった人の連帯保証人になっている場合は?
  3. 支払いを最小限に抑えるためには?
  4. まとめ

原状回復費用や滞納家賃の支払いを求められたら

alt 家族の誰かが賃貸物件で孤独死し、大家から原状回復費用などを支払うよう求められた場合、応じる必要はあるのでしょうか。

生活保護者孤独死で発生した修復工事の家族支払い義務


相談者の疑問
生活保護を受けていた父が孤独死しました。警察より連絡があり、身元確認をし葬儀を済ませました。父の部屋の片付けを全て終えたのですが、自然死(心筋梗塞)で発見が遅れたために臭いや、体液の跡がまだあります。部屋の回復のお金は請求されますか?

請求された場合はどうすれば払わなくて済みますか?私は娘ですが、離れて暮らしていましたので保証人でもありません。

ただ部屋の荷物などを市のクリーンセンターで処分しています。家主に相談せずに部屋の荷物の撤去作業をしたこともだめだったのか不安です。光熱費はこちらが払うつもりです。


高島 秀行弁護士
> 請求された場合はどうすれば払わなくて済みますか?

とりあえず、相続放棄をされたらよいと思います。連帯保証人でなければ、相続放棄をすればお父さんの債務をあなたが支払う必要はありません。相続放棄をするのであれば、光熱費などもあなたが支払う必要はありません。
   
家財道具などの処分は、ほとんど価値がないものであれば相続放棄に支障はないと思われます。

相続放棄をすれば、原状回復費用や滞納家賃を支払う必要はなくなるようです。 相続放棄では、相続する財産の一部を使ったり売ったりすると、「相続することを認めた」と扱われて相続放棄ができなくなるケースがあります。 ただし、家財道具などを処分していても、金銭的な価値がほとんどないものであれば、問題なく相続放棄ができるようです。

亡くなった人の連帯保証人になっている場合は?

alt では、亡くなった人の連帯保証人になっている場合は、原状回復費用や滞納家賃の支払いに応じる必要はあるのでしょうか。

義父の孤独死後、相続放棄する予定ですが家賃や現状回復費用を払わないといけませんか?


相談者の疑問
主人の父親が、主人が保証人となっているアパートで孤独死をしていたのですが、家賃も滞納しており、おそらくハウスクリーニング(現状回復)に高額な費用を請求されると思われます。

相続は放棄する予定ですが、家賃やハウスクリーニング費用は、やはり主人が払わなくてはいけないのでしょうか?貯蓄も少ないため困っています。また、滞納分の家賃を払ったあとで相続放棄はできるのでしょうか?


鈴木 克巳弁護士
◆ご主人が連帯保証人になっているとのことですから、相続放棄をしても、連帯保証債務が消滅することになりませんので、連帯保証人として支払い義務はあります。厳しいでしょうが、頑張っていただくしかありません。

滞納家賃などを相続財産から支払ってしまうと相続を承認したことになり相続放棄はできなくなりますので、ご注意下さい。

◆滞納家賃等をご主人固有の財産から支払うのであれば、その後相続放棄はできます。

◆どうしても支払が無理とのことであれば、分割払いの交渉や、個人再生・破産ということも検討されるべきでしょう(おそらく、そこまで経済的に苦しんでおられるとまでは言えないと拝察するところですが)。

亡くなった人の連帯保証人になっている場合、相続放棄をしたとしても、連帯保証債務は残るため、原状回復費用や滞納家賃を支払わなければならないようです。 支払いが難しい場合は、分割払いの交渉や、個人再生・破産を検討する必要がありそうです。

支払いを最小限に抑えるためには?

alt 支払わなければならなくなった場合、せめてその金額を抑える方法はないのでしょうか。

借主死亡後、連帯保証人が家賃を請求されずにすむにはどうすれば良いのか?


相談者の疑問
弟が遠方の賃貸住宅(定期建物賃貸借契約で終期は来年12月)で孤独死しました。唯一の法定相続人は父ですが、父母の離婚後、お互いに一度も連絡を取ったことがなく現在生死不明、居住地不明です。

夫が弟の連帯保証人(現在、法定相続人の連帯保証人になっていることは理解しています)です。契約解除は法定相続人にしかできないようですが、今後、保証人が家賃を請求されずにすむにはどうしたら良いでしょうか?

現時点でまだ家主とは協議していません。家賃は10月分まで払ってあるようですが荷物は早く片付けるように促されています。


原田 和幸弁護士
父親から解約の通知を出してもらうか、大家さんから父親に解除通知を出してもらうことが考えられます。ただ、後者は解除原因が必要になりますし、大家さんの意思にもよろうかと思いますので、できれば前者のほうがよいのではないかと思います。

早急に相続人に解約通知を出してもらうという方法が有効なようです。

まとめ

家族の誰かが賃貸物件で孤独死し、大家から原状回復費用や滞納家賃を請求された場合、相続放棄をすると、それらを支払う必要がなくなるようです。 ただし、亡くなった人の連帯保証人になっている場合は、支払いに応じる義務があります。 支払いが難しければ、分割払いの交渉や個人再生・破産などを検討した方がいい場合もありそうです。早急に解約通知を出すことで、滞納家賃の支払い額が増えていくこと止められるでしょう。

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